複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.94 )
日時: 2015/04/03 22:11
名前: ユッケ (ID: r5XOKg3d)

笑い合えない、助け合えない、許し合えない、信じ合えない、分かり合えない……闇、格差、暴力、薬物……。

世界は残酷で、本当にどうしようもないけど……まずは目の前の問題をやっつけていこう!

「鈴也君は偶然、従業員の話を聞いたの?」

「そうです。だいたいどこら辺で売買されているかも言っていたので、ポイントを周りながら出会う機会を待っていました」

「私も似たようなもんだ。最近になって東能力学区以外のやつらがパワーを買うために出入りしていた。そいつらをシメて情報を聞き出した。今日の場所は当たりだったようだが、あそこはもうダメだな」

「相手も、鈴也君はともかくバジリスクとバッタリ会っちゃったから、今は隠れているだろうね」

「姉御は有名人ッスから」

「しょうがない……癪だが……」

何かを呟いてからバジリスクが携帯を取り出す。

「少し席を外す」

そう言ってバジリスクは部屋の外へ出て行った。

「何かアテがあるとか…?」

「小春ちゃん、何か心当たりある?」

「あ〜……え〜っと〜……多分ッス……でも、私はあまり好きじゃないッス」

「どういう事ですか?」

「姉御は東能力学区の裏側をシメてるッスけど、能力学区全体で見れば、もっと大きな裏側勢力もいるって事ッスよ……」

「もっと大きな勢力……バジリスクも目を合わせただけで殺すと言われていて凄いのに、もっと上がいるんだね……」

「…ッス、能力までは知らないッスけど…」

「そんな人と電話してるんだね、バジリスクちゃん」

「それって大丈夫なんですか?」

「多分……ッス」

少し空気が重くなる。闇よりもっと濃い闇……そんなものが存在するという事実に僕達は自然と暗くなってしまう。

いやいや、ダメだ!

今からネガティブになっちゃパワーの売人を捕まえる事だって出来ない!

「よし! こうなったら……!!」

「ッス?!」

「祐?」

「三好さん?」

「晩御飯にしましょうーーーー!!!」

コケた…三人ともコケた。

「どうしてそうなったんですか!?」

「いや〜、皆ご飯食べてないでしょ? おいしいご飯作るから、皆で食べて体力つけとこう!」

「……ふふ…そうだね! 祐、私手伝うね」