複雑・ファジー小説

Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.97 )
日時: 2015/04/09 02:06
名前: ユッケ (ID: b5XL8ts8)

楽しい食事は進む。

鈴也君との距離も縮まったかな? おいしそうに食べている。

音羽も今日はとても楽しそうで、自然に可愛い笑みがこぼれている。

そして、変わらず勢いよく食べているバジリスクと小春ちゃん。

「バジリスクも小春ちゃんも、普段はちゃんと食べてるの?」

「食べられるものなら何でも食った。わざわざ旨いものを食おうという考えは無かった」

「有名人だし、ちゃんと食べてるのかと思ってた」

「所詮は闇の…底の住人だって事だ。骸骨(エスケレイト)に血肉は要らない、そう思っていた」

「ッス、私達は自警団みたいな事やってるッスから、収入はほぼゼロッス!」

「自警団?」

「ああいう場所にいる奴らは荒いやつが多いからな。暴力・詐欺・盗難、なんでもありだ。警察は動くのが遅い、だから私達が先に動いて制裁を加える。
だが、今回は特に厄介だ。早めに処理したかったが、もうギリギリのところまで来ている」

パワー、無能力者が能力を発現させることが出来る薬物。

いつものように制裁を加えるはずが、思いのほか手こずっているということか……。

実際、売人には逃げられてしまい、相手は警戒心を強めてしまっただろう。

「ギリギリっていうのは?」

「そこのメガネが言った話だ。売人は東能力学区の外へパワーを広めようとしている。そうなれば……黙っていない奴が出てくる。そして私がパワーの拡散を止められなければ、責任を取らされるだろうな」

「何でバジリスクちゃんが責任取らされるの?」

「東の事は東で何とかしろって事だ。ヤバイ薬が東から広まったとなれば、バカを止められなかった私の能力不足として責任を取らされるのさ」

「でも一体誰にそんな権限が……」

いや、小春ちゃんが言っていた闇に潜むもっと大きな勢力……そいつにあるというのか? そんな権限が……?

「キリエ……どこまでがあの男の庭なのかは分からんが、奴にはそれだけの力がある。お前達は必要以上に闇を覗いているから忠告しておく、キリエにだけは近付くな」

相当の力を持っているバジリスクでさえも、全容の知れない巨大な闇、キリエ……。

まさかとは思うが、食事の前に手に入れた情報って言うのは……。

「情報はキリエっていう人から手に入れたの?」

「そうだ。売人が東だけで活動していたから動きが小さくて居場所を突き止めることが難しかったが、別の学区でも活動しようとしたのが仇となったようだ。
大きく動いたからキリエの情報網に引っ掛かったのさ」