複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者の落ちこぼれ(500参照突破感謝!) ( No.98 )
- 日時: 2015/04/09 16:51
- 名前: ユッケ (ID: b5XL8ts8)
「放っておいても結局そのキリエって人が処理しそうだけど、そうなっちゃったらバジリスクも一緒に処理されちゃうんだね」
「そうだ。だから明日で全て終わらせる。キリエが言うには売人は第三地区にアジトを構えているらしい」
「じゃあ明日は第三地区を徹底調査して、アジトを強襲だね」
「相手の能力が分かってないですよ? あの見えない攻撃はどうするんですか?」
スッと手を上げて鈴也君が意見を言う。
確かに、見えない攻撃って厄介だ。
「フン…そんな攻撃より、私の“目”の方が早い」
「そういえば、バジリスクの能力って知らないや、ライター使うんでしょ? パイロキネシス系?」
「簡単に教えるとでも? ……いや、お前には借りもあるし飯も食わせてもらった。いいだろう、教えておいてやる。私の能力は“感情増幅”だ。目を合わせた相手の感情を増幅させる。
ライターは目を合わせる為の意味と、もう1つ、“恐怖”を与える為にある。生き物は本能的に火を怖がる。火によって文明が進歩した人間でさえも、そこは変わらない」
「つまり、ライターの火を見せて恐怖心を芽生えさせて、その恐怖心を増幅させるってこと?」
「そういう事だ。恐怖が大きくなれば石にされたかのように体は動かなくなり、更に強い恐怖を与えてやれば、恐怖による支配が呼吸のしかたも忘れさせる」
「睨むだけで殺すと言われるバジリスクの正体か……」
最初に廃ビルで出会った時、少し体が動かなくなったのを覚えている。
あの時は能力を使っていなかっただろうけど、なんだか能力も彼女らしくて納得できてしまう。
「でもさ、いい能力だよね! バジリスクちゃんに能力を使ってもらえば、眠たいのに眠れなーいって時すぐ眠れるよ」
「おお! 画期的発想ッス!」
暴走少女音羽とちびっ子ヤンキー(?)小春ちゃんが変な方向にヒートアップしていく。
「あのバカはどうにかならんのか……」
「そっちだって小春ちゃん、監督不行き届きだよ」
「結局脱線するんですね……」
今日は明日に備えて早めに寝ることになり、その前にやっぱりホラ、年頃の女の子3人がいるわけで、お風呂とかちゃんとしなきゃいけないわけでして…………。
「まだちょっと冷えるね〜」
「そうですね、日が落ちると気温が下がって、まだ本格的に夏って感じではないですね〜」
僕と鈴也君はベランダで待機してます。
鍵は内側から掛けられている上にしっかりカーテンを閉められちゃってます。
1人暮らしのお部屋なので、お風呂はそこまで広くなく、1人ずつって事になるかな
「推定時間……最低1時間」
中からはキャーキャーと騒がしい声が聞こえる。
ハンター(音羽)と獲物二人(バジリスクと小春ちゃん)である。
「バジリスクちゃん小さくて可愛いよーー! AA? AA?」
「Aはある! きさまッ! 触るな! 早く風呂に入ってこい!」
「姉御〜! 大丈夫ッスか?! ギャアアアアア! やめろッス! くすぐったいッスーーー!!」
「天国だよー! ここは天国だよー!! ロリ可愛いパラダイスだよ!」
「「ロリっていうな!」ッス!」
一方その頃ベランダでは……。
「ロリ可愛いパラダイスだってさ」
「え? 三好さんそういう人ですか? うわ〜、ちょっと見直しかけてたのに裏切られた気分です」
「うん、あんまり強く否定出来ないかも……」
「……」
後輩からの信用を失いました……。