複雑・ファジー小説
- Re: Dead Days【キャラ募集中】 ( No.21 )
- 日時: 2015/05/02 23:06
- 名前: わふもふ (ID: nWEjYf1F)
「ん?」
優希の家に向かう道すがら、俺はスマホが震えるのを感じてポケットから取り出してみた。
電話がかかってきている。相手は——千秋先輩だ。
俺はコールボタンをタップして、先輩からの電話に出てみる。
「御機嫌よう、晃君」
「一体どうした?」
「さっきの件よ。保留だと言ったけれど、事情が変わったわ」
声色が真剣だ。
「晃君は、宍戸杏奈という人を知っているかしら?」
「あー、あの髪の毛が虹色のヤツだろ? 知ってるよ」
というか、俺のクラスに居るんだが。
「私は彼女の、色で万物を見分ける力に頼ることにしたの。授業中とか、彼女が貴方や優希さんの事をじっと見ているときがあっても気にしないで。それは彼女が、貴方と優希さんの未来を見ているだけだから」
「未来?」
「えぇ。彼女の力を以ってすれば、誰かの未来を視ることも出来るそうよ」
一体どういうことだろうか。
しかし先輩の言いたかったことはそれだけなのか、一方的に喋って電話を切ってしまった。
俺も渋々、スマホを再びポケットへと仕舞う。
「……七色の少女」
そうだ。確かあの宍戸という女子生徒は、"七色の少女"と呼ばれている。
理由は単に髪が七色なだけでなく、時々他人を何らかの色で例えることから、そう呼ばれている。
しかし、あれがまさか異能によるものだとは。思いも寄らなかった。
なるほど、合点がいった。
宍戸が俺と優希の未来を色で見抜き、結果が不吉か否かで先輩は取る行動を変えていくのだろう。
もし明るい未来ならば、俺に異能異能を使わせて。暗い未来ならば違う方法を考える——と。
このことは——優希に話したほうがいいのだろうか。
いや、やめておこう。
俺は先輩みたいに説明が上手じゃない。口下手の俺が現実を言っても、首を傾げられるだけだろう。
俺は素直に帰宅することにした。