複雑・ファジー小説
- Unlimited brave〜絶望の先に〜 第1章 第1話 ( No.2 )
- 日時: 2015/06/14 18:41
- 名前: ルナ (ID: oePzZKBu)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode
第1章 私は、責任ある者だから
第1話
「すみません!これとこれと・・・・・・あとこれください!」
金髪のツインテール少女は可愛らしいソプラノ声を張り上げた。どうやら買い物中のようで袋いっぱいに詰められた商品をもらい、満足そうな笑顔を浮かべていた。
ここはunlimited braveの本拠地であるニホン。以前まではこの地も戦争をしていたが、表向きはいたって平和だ。なぜunlimited braveの本拠地がここニホンにあるのかはまた別の話になるが・・・・・・
この本拠地ではunlimited braveのメンバーやニホン人の他に襲われた国の住民も住んでいる。それぞれの国の言語が分かるように、特殊開発されたインカムを全員耳にはめているという。
さて、難しい話はこれぐらいにして。
『ピーンポーンパーンポーン・・・・・・』
「ん?」
突如迷子のお知らせでもかかる前かのような音が鳴り、少女は音のかかったほうを見つめる。
『unlimited braveメンバー、ラピス班にお知らせします。依頼が届きましたので直ちにunlimited brave本部まで来るようにお願いいたします・・・・・・』
「依頼かぁ・・・・・・面白い任務だといいなっ!」
呼び出しを聞いた途端、走り出した少女。どうやらラピス班のメンバーのようらしい。
「あっ、荷物どうしよう・・・・・・」
とりあえず本部へ行く前に荷物を自分の部屋に置き、本部へ向かう。と言っても少女の部屋と本部は目の前なので、そんなに時間はかからないが。
シュンという音を立てて本部のドアが開く。少女が入ると既に10代位の男女、30歳以上のような男が集まっていた。少女が入って来たことに気がついた10代位の少女は振り向くと同時に柔らかい笑顔になり、少年はむすっとしていた。
「遅いですよ、”班長”。もしかして買い物でもしてましたか?」
「そうに決まってんだろ。つうか、”班長”が買い物してない日を見たことねぇんだけど」
「あはは・・・・・・ミズホ、デルタ、ごめん!」
どうやらこの少女はラピス班の班長のようで二人の班員、ミズホとデルタにしきりに話しかけられている。
「そろそろ話は済んだか?」
低いトーンの声で三人は一斉に声の主を見る。
「で、依頼ってなんなの?最近全然来なかったけど・・・・・・」
少女は男に依頼の内容を聞いた。少し期待が入り交じったような声で。しかし目はするどく男の方を見ている。
「依頼は・・・・・・」
少し言いにくいとばかりに一瞬言葉に詰まったが男は再び息を吸い、一気に話した。
「アメリカ支部周辺で逃げ出した猫の捜索だ」
「「「は?」」」
絶句した。久々の依頼だと言うのに、それが猫の捜索。何故かアメリカ支部。少女とミズホは目を点にし、デルタには少し怒りの表情が伺えた。
「あの・・・・・・何故逃げ出した猫の捜索を?」
ミズホがおそるおそる男に理由を尋ねた。
「猫の逃げ出した方角にあの異星人の基地があるらしい。君たちには猫の捜索と共にその基地の調査をしてほしい」
「なるほど、俺たちが呼ばれたのはそのためか」
男の答えにデルタは理解したとばかりにうなずく。少女は大変なことになったと小さくため息をついた。
「行ってくれるか?ラピス・クレア班長」
「・・・・・・分かった、アメリカ支部だね。行くよ、二人共!」
ミズホ、デルタの二人を引き連れた少女・・・・・・ラピス・クレアは本部を勢いよく飛び出して行った。