複雑・ファジー小説
- Unlimited brave〜絶望の先に〜 第2話 ( No.3 )
- 日時: 2015/06/06 17:03
- 名前: ルナ (ID: oePzZKBu)
- 参照: http://www.kakiko.info/bbs2a/index.cgi?mode
第2話
さて、場所は変わってとある建物。本部のあるニホンから任務でどこかの支部に向かう戦闘員(unlimited braveのメンバーのこと)も少なくないため、ここの建物にはワープ装置というものが置いてある。
「さ、行くよ!準備はいい?」
装置のスイッチに手をかけたラピスは二人に尋ねた。
「はい、こっちは大丈夫です!」
「俺も大丈夫だ」
二人の返事を得たラピスは笑顔を浮かべていた。これから任務へ向かうというのに、少し楽しげなように。
そして、スイッチの電源を押した。
「ここが支部、ですか」
ワープ装置で一気にアメリカ支部まで移動し、最初に声を発したのはミズホだった。この三人は他の支部こそ行ったことはあるものの、この支部に行くのは初めてだった。この国出身であるラピスは呆然とし、デルタは呆れかえっていた。
「・・・・・・もう、ここが本部でいいんじゃないかな」
ラピスが呟く。何を隠そう、ここの支部には設備が全て揃っていて最大級といえるほどの広さを誇っていたのだ。風のウワサによれば、もともとアメリカ支部ではなく本部にする予定であったというため、この広さは仕方ないといえる。何故本部がニホンになったのかは指揮官以上の地位の人以外知らないため、よくわからないが。
「で、このあとはどうするんだ?」
「とりあえず異星人の基地がある方面に向かってみよう。で、猫探し」
デルタの言葉にラピスは答えたが、「で、」の部分をラピスがわざとらしく真似したため、怒りなのか恥ずかしさなのかもしくはその両方なのかとばかりにデルタの顔は耳まで真っ赤になる。
「おーい、ここに茹でダコがいっるぞ〜!」
「班長!このっ・・・・・・!!」
「デルタさん少し落ち着いてくださいぃぃ!あと班長は無自覚なんだか知りませんがデルタさんを挑発しないでくださいぃぃ!!」
「茹でダコ茹でダコ茹でダコ茹(ry」
ラピスが真っ赤になったデルタをからかうと同時にデルタが怒り、ミズホが止めようとする。しかも全員大声で。一つ言っておくが、三人は現在道のど真ん中。周囲の人々にめちゃくちゃ注目されてしまっている(のに気づいてほしい)のだ。
ようやく大騒ぎも落ち着き、アメリカ支部を出たラピスたち。
「いやぁ〜まさかみんなに見られてたとは」
「恥ずかしかったです・・・・・・」
ラピスは全く動じず、ミズホはずっと赤面状態であり、デルタは不機嫌になっていた。異星人の基地まではunlimited braveの戦闘員に配布される端末のマップ機能を手がかりにして進む。そして、しばらく歩いたころ
「あ、班長。基地が近いようで「ミズホ、ストップ」・・・・・・ひゃっ!」
ミズホの言葉を遮るようにラピスの手と言葉が出てきた。ミズホは端末を見ながら歩いていたため、勢いよくラピスの腕にぶつかった。ミズホが驚いてデルタの方を見ると、デルタは立ち止まり戦闘をいつでもできるような状態になっていた。最後に前を見ると、探していた猫を異星人三人が追い詰めている光景が入ってきた。
「タベモノダ、カイシュウスルゾ」
「イッピキジャタリナイ、モットクイタイ」
「ナラ、コノマエツカマエタ『ニンゲン』ヲタベレバイイ」
この会話を物陰で聞いたラピスたちは小声で会話を始めた。
「今、人間って言いませんでした!?」
「誰か捕まっているなんて話は誰からも聞いてなかったけど・・・・・・」
「始めるか?戦闘」
そう言ってデルタが前に一歩進んだその時、
パキッ!!!
小枝が折れる音がした。その音に気づいた異星人たちが振り向く。
「・・・・・・!!ダレダ、オマエラハ!!」
「アイツラモ『ニンゲン』ダ、ツカマエロ!」
「あ〜・・・・・・見つかったね、とりあえず倒して捕まってる人の情報聞き出そうか」
「賛成です!」
「久々の戦闘か」
ラピスはナイフ、ミズホは銃、デルタは剣をそれぞれ抜いた。
同様に異星人も武器を出した。
「ミズホ、デルタ、行くよっ!!!」
「はいっ!!」
「ああ!!」