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複雑・ファジー小説
- Re: 蒼穹のゼロ〜天空警察捜査第一課事件記録〜 ( No.17 )
- 日時: 2015/07/11 22:41
- 名前: みすず ◆5k4Bd86fvo (ID: 5PvEL/lW)
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「だから、ジュリは知りませんよ。ジュリ達が見える人間がいるなんて」
シヴァを誘き出すために囮に蒼太を置いた路地の入り口。ジュリアは耳に手を当てて喋っていた
一人言のように見えるが、耳の奥からは賢そうな女性の声が聞こえる。本部と通信をしているのだ
女性からの返答にジュリアは口を開く
「だから、本当ですって。……え ? シヴァの事ですか ? 何かさっきからやってるですけど物音一つしないんですよねー……ジュリの耳は健康です。バリバリです ! ! ………………っ、すみません、切ります」
ジュリアは耳から手を離すと手元に能力、言霊射主の発動アイテムである銃を召喚する
人の耳には聞こえず、天界の者の大半が察知できない能力発動に発せられる微妙な力の波動を感じ取ったのだ
頭からぴょこりと生えたアホ毛が反応するようにぴこぴこと揺れた
隠蔽しているようだが大天使の子孫であるジュリアには察知は容易だった
「大天使……嘗めてもらったら困ります」
銃を両手で構えたまま一歩と路地に歩を進める。今も力の波動は発せられ続けている
路地の入り口の前でピタリと制止する
うっ、と口を押さえる。指の間から血が垂れた
(これは、毒の能力。しかも、かなり強力なやつですね)
ジュリアは目の前に《通信操作盤》アーカイブを展開させると手早くボタンを連打する。そして、アーカイブ閉じた
意を決して路地に飛び込む
「蒼太さんっ ! ! ! 」
そこには、シヴァに押し倒され心臓の辺りを血まみれにした蒼太がいた
「やっと、出たな。天使」
シヴァはこちらを見ると不気味に笑った
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