複雑・ファジー小説
- Re: イノチノツバサ 【オリキャラ募集中】 ( No.15 )
- 日時: 2015/09/09 21:36
- 名前: えみりあ (ID: TeOl6ZPi)
+ + +
「柊〜〜〜!!ちょっと聞いた!?参謀局の方がお見えになるんだって」
「うるさいな、莉亜。聞いてたよ」
翌日、四兵団本部。九条班の班員たちは、参謀局からの呼び出しで、とある会議室に押し込められていた。四兵団のVIPと対面できるということで、皆浮足立っているようだ。
ざわざわと班員たちが騒ぐ中、その扉は開かれた。
「こちらです」
という九条の声に続き
「へぇ、感じのいいヤツらだな」
入ってきたのは、颯天。
班員たちは、一斉に口をつぐんだ。当然だろう。参謀局と聞いて、どんなベテラン兵士が来るのかと思ったら、こんな若造が入ってきたのだから。
「どうも、参謀局から任務依頼に来ました〜。俺のことは、気軽に颯天って呼んでくれ」
そう言って笑みを浮かべる颯天。周りの者らも、つられたように微笑みを浮かべた。
班員たちの緊張は、ほぐれていないようだ。困ったような表情を浮かべながら、颯天は皆に語りかける。
「えーっと、君ら俺と年近いんだからさ、もっとフレンドリーにやっていこうや。んじゃあ、早速任務内容を説明するな」
颯天は少し空気を和ませつつ、手荷物から大きな紙を取りだした。裏面にマグネットが付いている紙で、颯天はそれを、室内にあるホワイトボードに張り付ける。
広げてみると、それは地図だった。
「今回、みんなには、日ごろお世話になっている薬課の皆さんへ感謝をこめて、感染者のサンプル採取をしてもらいます」
まるでボランティア活動でも呼び掛けるかのように、颯天は述べる。
「薬課の人たちが、日ごろから新薬を開発してくれているのはみんな知っているだろ?けど、やっぱり薬だから、臨床実験が必要なんだ。各兵団、任務がてらにサンプルを持って帰ってくれるけど、それでも足りなくて……つう訳で、君らにはできるだけ多くのサンプルを持って帰ってきてもらいたいんだ。もちろん、俺も同行する」
そう話しながら、颯天はペンを取りだした。そのペンで、地図上の一点に印をつける。
「ここが第一昇降口だ。ここから南西に進み……」
口で話しながら、今度は地図上に線を引く。
「ここにバリケードの出入り口があって、外に出られるようになっている。白虎団の調査では、比較的危険の少ないエリアだから大丈夫だ。ここでサンプルを集める」
颯天はそういうと、ペンのキャップを閉めた。
「確かに危険な任務だけど、君らの初任務の成果は俺たちも耳にしている。君らなら、大丈夫だろう。当てにしてるぜ」
颯天は親指を突きたて、ニカッと笑って見せた。その笑顔に励まされたように、班員たちは次々と笑顔を浮かべる。
頼もしそうな彼らの表情を見まわし、颯天はあることを思った。
———バランスのよさそうな班だな……