複雑・ファジー小説

Re: 誰かの奇行黙示録 なんちて【短編集】 ( No.3 )
日時: 2015/07/07 21:19
名前: 蛇後 とよ ◆5SnftrlJNA (ID: FEOD1KUJ)

:メロンソーダはお好きですか? Part3


 相の変わらずゴミクズの目は、くまのぬいぐるみの円な瞳の様に死んでいる。つまりは、暗く淀み腐っているのだ。
 一見、人相が悪いと言われれば認めざる負えない所がある。

 まあ、くまのぬいぐるみだからと言ってもあんな可愛らしい物では無いのが妥当だ。
 寧ろ、円な瞳とか言った私が間違いだ。
 目の前に居るゴミクズはそこそこのルックスを有している。切れ長な目をしているのだ。
 
 正直言ってタイp……すまん。
 私のプライドがこの最高の褒め言葉を言わせようとしない様だ。

 しかし、だ。想像して頂きたい。
 身長は…そうだな、170はあるだろうか。細マッチョ。いや……敢えて、痩せ型と言おうか。
 脂のこびり着いた黒髪は、天然パーマなのだろうか。少し跳ねている。
 随分と着古しているのであろうVネックTシャツに、社会の扉全開のジーパンである。
 風呂にも入って居ないのだろう…。部屋全体に悪臭が漂っている。

 アレだ。このゴミクズは、遠くから見たら最悪だけど、微視的に見ると結構モテる奴なのだ。
 しかし、それを自分で台無しにしていると言う事だ。


 私が守屋宗次の存在を知ったのは小学校の入学式だった。

 この小学校の生徒殆どが、周りにあまり学校が無い所為か近所の顔見知りだったり、同じ保育園や幼稚園に通っていた人間が多かった。
 故、入学以前から仲が良いという事が普通で。
 当時、幼稚園卒業を機に引っ越してきた私は当然ぼっち状態であった。
 そして、彼もぼっちであった。




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