複雑・ファジー小説
- Re: 神竜は白銀と浪に踊る。【キャラ募集中!】 ( No.18 )
- 日時: 2015/07/20 16:33
- 名前: 睡魔 (ID: EEo9oavq)
意外とこの砂漠は何も無い訳では無いようだ。
ゴーレムの案内で這い進むと、砂だけではなく角張ったでかい岩も転がっている場所があったり、魔物が生息していたような痕跡があったり、中には遺跡まであった。
「ココダ」
そして、着いた場所は蟻地獄のような巨大なすり鉢状の穴だった。
直径千メートル程の、俺が余裕で入れるサイズ。
穴はぐるぐると渦を巻いていて、見ていたら魂が吸い込まれそうになった。
「これは……サンドワームの巣ではないか?」
ミレーヌは訝しげにゴーレムを見て聞いた。
「ムカシハ、ソウダッタ。ダガ、イマハモウイナイ」
どうやら話によると、この巨大な穴は、かつてドラゴンの亜種型といわれたサンドワームの巣だったらしい。
サンドワームはこの砂漠全てを実力で支配し、辺りの魔物や人間を喰い荒らし。
調子に乗って砂漠の外まで支配しようと目論んだサンドワームは、呆気無く森に住む火竜に爪で引き裂かれて死んだ、とのこと。
いくらドラゴンの亜種型でも真のドラゴンには遠く及ばず、火竜は赤子の手をひねるようにサンドワームを殺したそうだ。
で、今となっては空き家になったサンドワームの巣ではあるが、今でもこの辺りの魔物は昔の恐怖を思い出して、ここに近付こうとしないらしい。
俺の前世の記憶が正しければ、ワームは確かギリシャかどっかの神話の、伝説の生物なんだっけか。
ドラゴンのような顔を持ち、脚を持たずに地を這いずりまわる蛇のような姿をした生物。
ロールプレイングゲームのボス戦では、経験値稼ぎで何度もお世話になった。
たぶん、聞いた感じだと、こっちの世界でも同じような姿をしていたに違いない。
俺に似てる気もしないではないが、俺には手がついてるから別物だ。
「ドラゴンナラ、サンドワームナンゾ、オソレタリシナイダロウ?」
適当にゴーレムはそう言った。
「曰くつきの物件だけどお前なら大丈夫だよな?」と言いたいのだろう。
「ああ、もちろん」
無論、心の広い俺はこの物件を受け入れた。