複雑・ファジー小説

Re: スピリットワールド【合作】 ( No.4 )
日時: 2015/08/18 01:12
名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: 3NlWBChu)

広々とした部屋の中、ペンの走る音だけが響いている。
私はカリカリと、ただひたすら夏休みの課題を片付けていた。
どうしてか、今日はまったくもって予定がない。
いつもはピアノの稽古やら、塾やらでろくに本も読めていないのに。


「なんだか、今日は退屈だわ」
私はぐいっとのびをして、一休みしようとした。


すると、机に置いてあるスマホが着信音を鳴らしてきた。
「…?あら、伝斗さんから?」


『今から近所の研究所に侵入しようと思うんだけど、どう?』


胸が少し、高鳴った。
『みんなが行くなら行きます』
なんて返したけど、内心は行く気満々である。
私はすぐに日傘とバッグを用意すると、てくてくと歩きだした。



ーーー


どうやら、このフェンスを乗り越えなければいけないようね。
スポーツ何かはテニスぐらいしかやらないので、ちょっと無理がある。
「おい、椿ーーー」
伝斗が手をさしだそうとしてきた。
案外優しいところがあるわね、そう思った瞬間。


伝斗がバランスを崩した。
同時に私もふらっとしてしまった、その時。


目の前が、カッと光った。


そして私は意識を失った。