複雑・ファジー小説

Re: スピリットワールド【合作】 ( No.11 )
日時: 2015/08/28 21:02
名前: 雅 ◆zeLg4BMHgs (ID: .HkLA/wn)

もうダメ。歩けない。
ふらふらになりながらも何とか気合とど根性で歩いていると、向こう側から同じくらいの年の少年が歩いてきた。
黒髪、いやよく見ると毛先が赤いが特に気にすることもないだろう。
ラッキー、これで少なくとも道が聞ける。

「すみませーん、ここ……」
「危ない!」

少年が叫んだ。
次の瞬間、爆音のような音がして目の前の木が一本倒れていった。
……。
えーっと?

「ストックだ、使え」

少年は大きなマシンガンを俺に差し出した。
え? これストックしてんの? ストックって言うサイズじゃないけど?

「待て待て待てって、俺使い方知らねぇよ!?」
「引き金を引け!」

説明適当! それは俺でもわかるよ!? って言うかこれ使っていいの!?
そう思っている間に少年はパッと走っていった。
ちくしょう、道聞き損ねた。
そして、目の前に落ちる数個の爆弾的な何か。
死ぬ! マジやばい! あれがマジ物の爆弾なら!
思わずマシンガンさえも投げ出してうずくまる。

「くそったれ!」

巨人のように背の高い男が現れて爆弾を拾ってはどこかへ投げた。
そして俺のマシンガンも一緒に。
……。

「俺の武器いいいい!」
「お、いたのか少年よ」

少年よじゃねええ! 俺の武器が! お前のせいでどこかに飛んでった!
俺、絶体絶命のピンチ!
そのとき、急に影が俺の前に立ちはだかった。
大きな黒い胴体、赤い翼。
一言で言うならば、ドラゴン。

「……」

神よ、俺にこの状況を説明してください。今だけ信じるから。
神でも仏でも魔物でもいいから! 誰か助けてくれ!

「そこの誰か! 早くこっちに!」

声の主は白い翼の生えたヒト。
もう何がなんだかわからない。とりあえず、おぼれる俺わらも掴む。
その鳥人につれられるまま森を駆けた。

それにしてもあのマシンガンはいずこに……。