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複雑・ファジー小説
- Re: スピリットワールド【合作】 ( No.12 )
- 日時: 2015/09/01 17:46
- 名前: 日瑠音 ◆Dq9HMgSTac (ID: QSygN.Tt)
「そうだ、俺国に戻らねーと!」
センさんはガバッと立ち上がると、そう叫んだ。
「センさん…?どうかしたの…?」
「さん、はいらねーよ。って、それよりも!」
セン…は、あたふたとそこらを動き回っている。
「俺、任務が終わったとこなんだ!明日中には帰らねえと…!」
「クビにされちまったらどーしよう!?」
すごいあわてっぷり。
「…セン、落ち着きなさいよ。状況を整理すれば、答えは見えるわ」
それを聞いたセンはハッと我に返ったようだ。
「そうだな…。今日ダッシュで泊まる予定の村へ行って、そうすれば…」
「おー、さんきゅー椿!お前も一緒に来いよ!」
そう言うとセンは、私の手もがっちり掴み、ダッシュをスタートしていた。
…ん?これ私も行くの?
一時間程の休むことのないダッシュが終わると、そこは小さな村だった。
「セン…貴方、足が速すぎないかしら…」
普通なら車で三時間はかかりそうな距離だったような。
「そうか?それより、早く村長に顔だしに行こーぜ!」
他の家より大きめの建物の中に入ると、一人の老人の姿があった。
「村長!今日は一晩お世話になります、国王軍所属、センと申します」
え、国王軍?
「おお、これはこれは、国王軍さん。ようこそ…おや、そちらのお嬢さんは?」
「こいつは私の友人の椿です」
とりあえず私は頭を下げた。
「見事な別嬪だ。では、もう一つ部屋を開けておくということで?」
「はい、お願いします」
私の頭は混乱していた。
そして二人になった部屋で、私はセンを問い詰めようとした。
「お前分からないような顔してるから、教えておく」
と思いきや、センの方から口を開いた。
「この国は戦争中で、俺は国王軍に所属している」
あまりに突然で、私は驚くしかなかった。
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