複雑・ファジー小説

Re: スピリットワールド【合作】 ( No.17 )
日時: 2015/09/07 08:59
名前: 凜太郎 (ID: HTIJ/iaZ)

「俺と戦え」

 ラキのお父さんことグレンさんはそう言って二本の木刀を渡してきた。
 なんでこんなことになったんだ?
 今日はただ、入隊したばかりということで初めての訓練に緊張と期待を抱きながら城に来たばかりだというのに・・・。
 僕は溢れだす疑問に押しつぶされそうになった。

「あの・・・なんでこんなことを・・・・・・?」
「ん?いや、最近革命軍との戦いがひどくなってきていてな。ハッキリ言えば人員が足りない。だから、ひとまず俺と戦って、強いな〜と思った奴はそのまま戦地に向かってもらう」

 いやいやいや、それおかしいでしょ!?
 たしかに筋は通っているかもしれないけど、なんで僕までそうしないといけないんだよ!?
 明らかに周りの兵士さんは僕なんかより全然強そうですけど!?

「まぁ、軽い手合せってことでよろしく。それじゃあ、やろうか」

 そう言って木刀を構えた。
 僕はひとまず二本の木刀を彼に向けて構えた。
 直後、グレンさんとの距離は0になる。

「うわッ!?」

 咄嗟に左手で木刀をはじく。
 すると、それはグレンさんの右手ごと地面に叩きつけられた。
 何が起こったのか考えるよりも前に僕は右手の木刀を横なぎに振る。
 しかし、彼はその場にしゃがんでそれをかわした。
 僕はそこに左手の木刀をぶつけようとしたが、かわされた。

「・・・あれ・・・・・・?」

 僕はなぜか、ナニカを不思議に感じた。
 なんだか、世界が遅くなったような、僕だけ速くなったような・・・?
 そしてこの感覚は、今までどこかで求めてきたナニカな気がする。
 そんなことを考えながら、僕は彼に木刀を振り下ろす。
 その時、彼が持っていたはずの木刀は宙を舞った。
 僕は即座に彼の首元にトドメとして右手の木刀を突きつけた。

「え・・・?」

 しばらくの静寂。
 数瞬後、グレンさんは目元を緩めた。

「・・・参ったよ。負けた」

 僕は・・・勝ったのか・・・・・・?

「やったぁ!」

 僕は叫んだ。
 周りはざわつき始めた。

「それじゃあ、早速戦地に向かってもらおうか」

 グレンさんはそう言って地図と刀を渡した。
 そして、とある一ヶ所を指差して言った。

「今から、ここにある革命軍の拠点を潰してほしい」