複雑・ファジー小説

Re: スピリットワールド【合作】 ( No.36 )
日時: 2015/11/23 20:51
名前: 凜太郎 (ID: 1Fvr9aUF)

「やぁ、よく来たね」

 翌日。朝早くにラキに叩き起こされ、何事かと思いきやなんと国王様からの呼び出しでした。
 ちゃんちゃん。

「えっと、一体何の用ですか?」

 僕はそう言いながら辺りを見渡す。
 豪華な造りの王室。
 言葉で表せないくらいに豪華。
 まさに絢爛豪華といったものだろうか?
 ごめん。同じ言葉重ねすぎかもしれないけど、この状況を表すには豪華としかいいようがないんだ。

「珍しいかい?僕は見飽きてしまったからね。おっと、用だったね。いや、一昨日の戦地では大活躍だったらしいじゃないか」
「大活躍なんて・・・僕は、ただ自分がやるべきことをしただけです」
「謙遜しないでくれ。まぁでも、自信を持ちすぎるよりかはマシかな」

 改めて見れば、国王もすごく、その・・・若すぎるのだ。
 どれだけ見積もっても20代前半。
 オレンジ色の髪に紫色の目の青年だった。

「それで、えっと・・・一昨日の戦いがどうかしましたか?」
「いやね?あの時の金を払っていなかったからね。ついでに雑談でもどうかなって」

 国王と雑談なんて、主に僕の精神ポイントが削れてしまう。
 正直、緊張で膝はガクガクしている状態なんだ。

「そういえば、まだ自己紹介していなかったね。僕の名前はクリス・ド・リチャード。って、知ってると思うけど」
「いえ、情報に疎いもので・・・。僕はソラです」
「あはは、知ってるよ。いやはや、同年代の知り合いなんて、いないものでね」
「センさんがいるじゃないですか」
「彼とは話が合わないのさ」

 あれ?意外と普通に喋れる。

「僕は、ずっと城で暮らしていたからね。友人なんてこれっぽっちも作ったことなんてなくってね」
「僕には、いたのかすらわかりませんけどね」
「記憶喪失だったっけ?大変だね。どうだい、僕と友達にならないかい?お互い、同年代の男児での知り合いなんていないだろう?」

 たしかに、ラキは女子だし、こうして考えると男子での友人なんて持ったことなかったな。
 ちなみにこの場合デントは例外だ。
 仮に彼が友人だったとしても今は敵同士だからな。

「いいですよ。今日から僕たちは、友達です」
「嬉しいよ。生まれて初めての友達だ」

 そう言って右手を差し出す。
 僕もそれを握ろうとした。
 直後、傷だらけの兵士が入ってきた。

「国王様!大変ですッ!革命軍が攻め込んできましたッ!」
「またか・・・ソラ君。悪いが、君も革命軍の殲滅に当たってほしい」
「当たり前ですよ」

 笑顔で応える。
 さて、新しくできた友人のためにも、戦いにいきましょうか。