複雑・ファジー小説

Re: ある国の話【敵キャラ大募集中!】 ( No.128 )
日時: 2016/03/05 18:51
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: Ib5HX0ru)

3-5 薬の作り手

今朝の件で、校長から話があった。

「知っている者もいるかも知れんが、今朝“反乱因子”が学校に侵入した。前から先生方と話し合っていたが、警備用ドロイドを配備する事にした」

みんなの頭には『?』マークが浮かんでいるかもしれない。でも私は職員室の前を通った時に『たまたま』聞いてしまって調べたから……知ってる。

何処かの工業技術の進んだ国で使われている、ロボット。ライズ王国は魔法技術が特に進んでいるから、機械を魔法で動かしている。「魔法で機械を動かせるならドロイドだって動かせるはずだ」と科学者たちがこぞって取り組んでいる事なんだそう。そこまで他の国の技術を取り込むのは意味がないと思うけど。

その日は、「危ないから」という理由で、帰ることになった。

Re: ある国の話【敵キャラ大募集中!】 ( No.129 )
日時: 2016/03/08 07:00
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: n/98eUHM)

寮に帰ろうとした瞬間、呼び止められる。ドロイドの起動を手伝ってほしいそうだ。
──子供は大人の、道具。


ドロイドは人型をしていたけど、金属の塊にしか見えない。背中側にある小さい扉を開けて、赤いボタンを押せ、と指示される。その通りにボタンを押す。ウィンウィンと音を鳴らしながら、校長の方を向く。

「ああ忘れてた。これだな。はい魔銃。君たちこれ持って向こうのドロイドたちを動かしてきてくれ」

2体のドロイドが並んでいた。そのうちの1体を起動させようとした時。

「ボタン押さなくて良いから!!」

ええぇぇぇ────!?あなた誰ですか!?

Re: ある国の話【敵キャラ大募集中!】 ( No.130 )
日時: 2016/03/12 16:44
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: LHB2R4qF)

「教えないよ〜だ♪」

イライラする喋り方だ。その人はこう言いながら、自分の持ち場へ向かっていった。

「きっとこれからきみたちにクレイジーなことが起きるよ。お楽しみにね☆」

意味が分からない。クレイジー?狂った?『狂ったこと』なんて楽しみに出来るはず無い。

これ以外、問題は特に無かった。

* * *

「あとちょっとで殺せたのに……。残念残念」

そいつはこう、私の隣で囁いた。
そいつは美人。背も高い。ちなみに私の身長は平均以下。
それは置いといて。『そいつ』の名前は『レジウェル・モーグ』。女子だ。
モーグが『殺せた』と言った事を考えると、【体力低下薬】を作ったのは多分彼女。体力が低下すれば、動けなくなって、衰えて、死ぬ。それを待っていたんだろう。

思わず杖を握る。見つけた先生に怒鳴られる。

「グロー!魔法薬学の授業では杖は使わないと一年生の最初の授業で言っただろう!今日の夜七時に罰則だ。この教室に来い!」

Re: ある国の話【敵キャラ大募集中!】 ( No.131 )
日時: 2016/03/28 15:40
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: FrSbz3kt)

「え」

やってしまった。これはわざとではないか……?という思考が生まれる。
後悔先に立たず。もう終わってしまったのだ。
今日の授業では【氷漬けの薬】を作っていたが、思ったようには出来なかった。

フォルは「大丈夫?」と心配してくれる。私は心配させたくないのか強がっているのか、「うん大丈夫」と笑顔で答える。もちろん大丈夫ではない。誰よりも早く次の授業、魔法生物学のクラスに行きたかった。

* * *

「さぁて授業を始めるわよ!今月は【プェスエル】について勉強していきます!ではまずプェスエルがどんな動物か知っている人、手を挙げて下さい……」

翼の無いペガサスの一種。ポニーみたいな動物なんだよね。でもここで手を挙げる気力は無い。

「あら今日は誰も手を挙げないのね」

ニーグラス先生はそう言うと、薬草学のミルネランス先生のような演説を始めた……

「プェスエルはポニーによく似た動物で、翼の無いペガサスの一種です。彼らは馬扱いされるのを嫌います。しかし人なつっこいので、ペットにする人もいます。
棲息地は主に森や林。五頭位の群れで暮らしています(以下略)」

演説を終えると、一つの群れを連れて来た。私たちのところにすり寄って来て、とても癒された。その後の実習でどんな事を好むか、撫でたり食べ物をあげたりした。

夢のような時間が終わる。次の授業は薬草学だ。危ないけれど面白い植物たちを教えてくれるミルネランス先生の授業は大好きだ。何を教えて下さるんだろう?楽しみだ。