複雑・ファジー小説
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.147 )
- 日時: 2016/06/15 20:00
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: ySW5EIo2)
3-6 Go to Newworld
次の朝、手紙が届いた。フェルからだった。
「通信機」という物が入っていた。
耳につけると、フェルと話が出来るらしい。
『あっ!読んでくれたんだ!
コレ、いつもつけててほしいんだ』
ふぅん……
邪魔でも無いから、別にいいけど。
━━━*━━━
時は流れて七月のある日。
突然だった。
『──来た。
建物が焼け落ちるまで、ぜったいに学校の味方にいること。
わかった?』
分かっていますとも!
校長達も気付いた様で、生徒を集めていた。
反乱因子達は、強力な武器でドロイドを壊していた。
その中で真っ先に突入したのは、王国警護隊。
同学年の花咲真くん、始業式の日に会った先輩のシュナイディンさんもいた。
「突撃ー……」
「王国警護隊副隊長、貴方は馬鹿ですか?」
気のない突撃命令。いつも通りだ。
『警護隊と反乱因子が戦闘をはじめたら、えんごだよ』
ちなみに私は壁際にひそんでいる。
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.148 )
- 日時: 2016/06/19 19:59
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: ySW5EIo2)
攻撃を仕掛けたのは、反乱因子。
大きな剣が空間を切り裂いた。
『さ、えんごえんご!
……ってちょっとまって?校長があんたと話したそうだよ?あんたをさがしてる』
何となく、予想はついていた。
「校長先生。捜してましたか?」
「あ、ああ。
君に話したい事がある。
ついて来て」
ここでフェルが真剣な様子で話してきた。
今までの少し間の抜けた感じではなかった。
『いい?これから僕の言うことを校長に言うんだよ?要するに繰り返して!』
しばらく何も話さず校長について行く。
入った部屋は、校長室だった。
実際私は入った事はない。
「すまない。単刀直入に言おう。
君は両親の事を知っているかね?
どんな人だったか、どんな最期だったのかを」
──どんな人だったかは、知りません。
でも、最期なら知っています。
狂気の少女……フェル・レーバティンから聞きました。
「……あの情報通か」
──へえ情報通だったんですか。
この学校の先生には彼女の事を教えて頂きました。
でも、『或る神話』は何故お話してもらえなかったのですか?
【追加設定載せとくつもりです】
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.149 )
- 日時: 2016/07/10 09:08
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: KVMT5Kt8)
「やはり、その質問か。
『或る神話』の主人公二人には誰もが憧れる。特に、『或る神話』の出来事が現実世界に起こってからは。
君には信じて欲しく無かった。自分が〝其れ〟だと気付かれるのが怖かったのだ。すまない」
──つまり、私が授業をサボると?
そんなの、今の私には関係ありません。ごめんなさい、校長先生。この戦いの結果がどうであれ、私は学校を裏切りますから。
校長先生は「そうか」と短く返事をした。少し悲しそうな表情だった。
部屋の扉が開くと、私は逃げる様に走り出した。
怖かった。「狂気の少女」は怖かった。自分自身も怖かった。もう、何もかもが……
外に出ると、ほとんどの人が戦っていた。爆発音が鳴り響き、様々な色の閃光が弾け飛んでいた。
その中に、私は衝撃的な物を見つけた。
フォルが、檻に閉じ込められていた。
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.150 )
- 日時: 2016/09/17 10:58
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: FqCQxaZS)
私は檻の方へ走っていった。
そこには灰色のおかっぱ頭の少女がいた。
少女はまるで私が来る事を分かっていたかの様に話し始めた。
「初めましてぇ。私はねぇ、ノルアだよぉ。やっぱり来たんだねぇ?フォル君を『実験台』にするために閉じ込めたんだけどねぇ、彼、拒否してるんだぁ。『実験台にされるなら死んだ方がマシだ』ってねぇ」
うなだれた様子のフォルは「死」を覚悟しているように見えた。事実、槍を構えた人物が遠くに立っている。
「殺っていいよ」
ノルアの一言で槍が放たれる。それと同時に私の体が動いた。
気付けば檻の中にいるフォルに微笑んでいた。
──槍が刺さる。
でも、私の体から血が吹き出すことは無かった。
槍は、消えていたから。
「足がすくんで動けないと思ったのにぃ……折角作ったフォル君人形が台無しだよぉ」
ふ……フォル君……人形……?
突然「人形」と言い出すから驚いた。
うなだれていたのは人形だったから?
えっじゃあ本人は?
「なに……これ?ぶっ飛んだ……ドッキリ?」
「ドッキリじゃないよぉ、私たちは本気で魔法学校を潰すつもりだったし。
“技術役”がアナタを白の隊──“反乱因子”に入れるって言うからねぇ。
本人はここだよぉ、フォル君ー!さっきのどうだったぁ?」
「別に……何とも思わない」
目は憎悪に燃えていたが顔が赤くなるのが見えた。
「あらら、こんなに恨まれてたら困るなぁ〜、私たちが見えない所に連れて行こうかぁ〜。
例えば……スィンク皇国、なんてどうかなぁ?」
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.151 )
- 日時: 2016/10/09 13:37
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: FqCQxaZS)
絞り出すように、低い声でフォルは言う。
「言っただろう、死んだ方がマシだと」
「私の妹はねぇ、魔法学校に殺されたんだぁ。こんな風に、恨むようになったのは武器のせいなんだけどねぇ。
つまり、誰かの大切な人がいなくなると、恨んで恨まれて、争いが起きるって言いたいんだぁ。
スィンク皇国なら、会えるでしょ?」
ノルアは視線を地面に向けて話した。そしてフェルに目配せをした。
フェルの銃の形をした杖から魔弾が放たれる。
「……転送用魔法陣か」
フォルがそう言った時、一瞬魔法陣が光った。光が消えると、フォルの姿は無かった。
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.152 )
- 日時: 2017/04/23 00:18
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: tDifp7KY)
「じゃあ、行こうかぁ」
「どこに……行くんですか」
純粋な疑問だった。このあと何が起きるのか、それを知っておかないと不安だった。
私の質問にノルアは簡単な答えを出した。
「観光だよぉ」
てっきりすぐに反乱因子の拠点に連れて行かれると思っていたけれど、まさか観光だとは思わなかった。
ノルアは私とは行かないと言い、フェルと行けとの命令だ。
「あなたと技術役は、良い友達になれるだろうからねぇ」
私は外の世界を見ることになった。
──いざ、新世界へ。