複雑・ファジー小説

Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.156 )
日時: 2017/07/11 16:30
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: jd737JEz)

放課後座談会①【セリフ多めになります】

「──これは?」

ローザとロザリアはとあるカフェの席で向かい合っていた。テーブルの上には2杯のコーヒーと、可愛らしい1冊の日記帳の様なものが置かれている。ちょうどローザがこの日記帳について質問しているところだった。

「これは……日記、みたいなものなんですけど、あの、相談に乗ってもらえるならと思って書いてきたんです」

「あっはは、いい子だね、私1人じゃ心配だから相談員を連れて来たんだ」

そう言ってローザは自分の前──向こう側に手招きした。

出てきたのは、

ライト・エターニア
カティ・シーケット
ラム・エミルア

の3人だ。

「相談員の皆さん、これ。ロザリアの日記。相談したいことが書いてあるから読んでって」

なんとなく軽い感じのローザ。
ロザリアは日記を見られるのを不思議と恥ずかしいとは思わなかった。

カフェは開店中だ。普通の人に聞かれては困る内容も話すかも知れない。だから壁に囲われた個室で話し合う事になった。

「じゃあ最初のお悩み事だね。『杖の在処』かな?」

「はい。起きたら杖が無くなっていたんです」

「盗られたってことなのか?」

カティがしっぽをふるふるさせながら聞いた。

「そう考えていいんだろうな」

同じ1年生のラムが返す。ライトは少し考え込んでいるようだ。

「そう考えると誰が何のために盗んだのかを話し合う必要がありますね……」

このやり取りを見ているうち、ローザは自分が居なくても話し合いが進むであろう、と感じた。店の手伝いをするから──と言って彼女はこの場から抜けた。



「杖が無ければただの一般人……か」

ラムは静かに言った。
この一言が引き金となったのか、ライトがポンと手を打った。

「杖無しでも大きな力を発する事が出来るかも知れませんね。では……試しにこの日記帳を浮かせてみましょうか」

ロザリアはうなずき、手を日記帳の前にかざす。

「……フリィエン〔浮遊〕」

浮遊呪文を呟くが日記帳は浮く気配が無い。ライトはそれを見かねて、

「杖を持っているつもりで呪文を唱えればどうでしょう?」

とアドバイスした。
ロザリアは架空の杖を握りもう一度唱える。
日記帳は浮いた。しかし──

「にゃに?これだけの魔力を持っていにゃがら普通レベル……にゃのか?」

杖無しでの彼女な魔法は、普通と同じだったのだ。

杖が無ければ強い力は使えない──そこでまた、ライトは思い付いたのだ。

「分かりました。杖は魔力の器。この器は力を大きくするのです。自分の持つ魔力をストレートに伝えられる道具なのではないのでしょうか。
……ここまで言えば分かりますか?ロザリアさん?」


「今は、学校を壊せるほどの魔力を伝えられるように杖を改造しているのですか……。
杖が無ければ一般人。改造が終わり次第私に杖を渡して壊そうという計画、これで……いいですか?」

うなずく3人の相談員。しばらくしてローザが戻って来た。

「じゃあ、これで1つ目のお悩み事は解決、かな?お開きにしよう。また相談に乗るからね!」

日記帳をローザに預け、ロザリアはカフェを出て行った。

放課後座談会① 終わり

Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.157 )
日時: 2017/07/16 17:50
名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: f2y8EREE)

放課後座談会②

ロザリアは、2つ目の“お悩み解決”のためにローザに呼ばれていた──。


「今回はこの3人だよ」

そう言われ個室に入ると、

リンネ・ニーグラス
ケイル・ニーグラス
ルミカ・シュバルト

がいた。

「じゃあ今日は『睡眠魔法だけが効いた理由』だね。
私は店の手伝いをするからじゃあね
そうだ、日記は読んでもらったから」

ローザはお題だけ発表してスタッフのスペースに行ってしまった。

━━━*

「えっと……私が最初に発言するなんておこがましいのですけど……その……眠りの魔法に弱いのではないのですか?

「確かに、そうかも知れないな……」

頷くケイルにリンネは反論する。

「でも兄さん、それなら……“兵器”としては意味がないんじゃ?
ごめんなさい、ロザリアさん、こんな事を言ってしまって」

「リンネ。得意不得意というものがあるんだ。
──スリプレン〔睡眠〕」

突然立ち上がると、剣のような形をした杖をロザリアに向け、睡眠魔法を放った。

寝るところまでは行かなかったものの、ロザリアはウトウトしている。

「ね、眠い……」

「ひええええ予想がぁ……当たっちゃいました……」

ルミカは恐怖の表情でテーブルに置かれた紅茶のグラスを両手で握っていた。

「でも、ロザリアさんはまだ寝ていない。他に原因があるはず」

リンネの一言で4人は考え始めた。


(そう言えば、あたしは目覚めた時ネグリジェだった……
あの人の部屋に居たのはあたしが逃げないようにするため。杖を奪うため。
……だけどあの人の目はあたしを見ていた……)

「あのっ、何かあったのですかっ?」

おどおどしながらルミカはロザリアに尋ねた。

「ちょっと、思い当たる節があって」

「思い当たる節?」

リンネが聞き返す。

「あー……凄く言いにくいんですけど、ランスウェインに“いかがわしいコト”をされたんじゃないかと……」

しばしの沈黙。この沈黙を破ったのはケイルだった。

「……きっと、それで疲れたんだろう」

ロザリアは悩んだ顔をしていたが、ほっとしたような、また呆れたような表情になった。

「なんだ。そんな簡単な理由だったんだ……あたしは睡眠魔法に弱くて、それもあって疲れて寝ちゃったんだ……」


戻った彼女の記憶が、彼女を助けた。2つの“お悩み事”は解決したように思われたが……


「解決したかい?」

ローザは微笑みながら聞いた。

「はい!解決しました。本当にありがとうございました。せっかく素敵なカフェで相談できたと言うのに、2つだけで申し訳ない気持ちです」

ロザリアは笑顔で答えた。彼女はローザに見送られながら寮へ帰って行った。



放課後座談会② 終わり