複雑・ファジー小説
- Re: ある国の話【オリキャラ募集中!】 ( No.165 )
- 日時: 2018/01/03 18:04
- 名前: バラバラ ◆wD3p6RHHU6 (ID: jx1peQyr)
「ねぇ」
1日の授業が終わり、寮へ帰ろうとするロザリアの背中に声が掛かった。
「……誰?」
誰もいない──?不思議に思ったのもつかの間、ロザリアの体は何かに引き寄せられルように勝手に動いていた。足が床から離れ、それなりのスピードで教室のドアの方へ向かって行く。ぶつかると思い目を閉じるが、彼女はドアにぶつからず、目を開けると教室の中にいた。
「アナタを待っていたよ、『最強の魔法使い』さん。ぼくはフェル・レーバティン。別名『狂気の少女』。
まあ、座ってよ」
フェルは机をトントンと叩き、座るように促す。
神妙な顔つきでロザリアはフェルの言う通りにした。
「ぼくは"反乱因子"の1人。ぼくたちはネスパーナをこっちに引き入れようとおもってるんだ」
フェルはロザリアが座るとすぐに話し始めた。良く分かっていない様なロザリアを見ると、「ぼくの話をきいてくれる?」と言った。ロザリアは頷いたのでフェルはまた続けた。
「ネスパーナ1人じゃ色々たいへんだとおもうんだ。だからアナタにもいっしょに来て欲しい。ほら、フォルくんはぼくたちのこと嫌いだから。
アナタが、ネスの力になって欲しいんだ」
何となく、フォルにした話と似ているとロザリアは感じた。
「……聞いてたの?」
「なんのこと?ぼくは……ただアナタに協力して欲しいってだけなんだけど」
(上手いことはぐらかされた気がする……)
もしフェルがロザリアとフォルの会話を聞いていたとしても、彼女には関係なかった。彼女が考えているのは、ロザリアがネスを支え、ネスが国を混乱させようとしている犯人を罰する事だけだった。
「時間がたったら、また来るよ。その時に返事をきかせてね」
そう言ってフェルは立ち上がり、教室から出て行った。
「……空き教室にあたしが1人でいたら先生に何言われるか分かんないな……。早く帰らなきゃ」