複雑・ファジー小説
- Re: 子供と大人の闘い【オリキャラ募集中】 ( No.1 )
- 日時: 2015/10/12 13:44
- 名前: モンブラン博士 (ID: 7KvZCID9)
この世には、二種類の人間がいる。
天才とそうでない人間だ。
スターアカデミーは、格闘技術に秀でた者を世界各国からスカウトし、世界の平和を守るためのヒーローに育成する機関だ。
校長であるスター=アーナツメルツは、生徒のひとりである、マイケル=マロン少年を、校長室へ呼び出した。
マロンは、その名の通り栗色の髪と目を持つ、大変可愛らしい外見をした少年である。
「校長先生、お呼びでしょうか」
彼が部屋に入ってくると、スターは顔いっぱいに笑みを浮かべる。
「やあやあ、マロン君! よく来てくれたね! 実は君にとっても大事なお話があるのだよ」
柔らかな白のソファに腰かけるよう勧めると、彼は行儀よく足を揃えて腰を下ろした。
スターは座るなり、ニコニコ顔でこんなことを言った。
「君は退学だよ」
「えっ……!?」
突然告げられた言葉に、マロンは大きく目を見開いた。
自分は退学されるような素行をした覚えはない。
授業態度も成績も、常にトップクラスだったじゃないか。
少なくとも、タバコを吸ったりお酒を飲んだりした記憶はないし、深夜まで街中を歩いていた記憶はない。
なのに、どうして退学をさせられる必要があるのか。
彼は、納得がいなかった。
「校長先生、どうして僕が退学にならなきゃいけないんですか!?」
校長は笑みを絶やす事なく、話を続けた。
「だって、きみは練習試合のときに対戦相手の子を気絶しているにも関わらず痛めつけて、さんざん見下した言動を取ったじゃないか」
「それは——」
「たとえどんなに学業や戦闘力が優秀でも、他人を慈しむ心がなければ、真のヒーローにはなれない。お分かりかな?」
「……はい」
俯き、小さな声で返事をするマロン。
「という訳で、君は退学。さようなら〜」
目の前でバイバイと手を振るスター。
そのお茶目な態度に、内心マロンは憤りを感じていた。
本当ならば今すぐにでも殴り倒したい衝動に駆られたが、相手はスターアカデミーで最強の実力を誇る校長。ここで手を出してしまえば、確実に原子分解されて消滅されてしまうのは、目に見えていた。
「今まで、お世話になりました」
決して裏の感情を悟られないように、涙をためて悲しさを演出し、アカデミーを去る。
しかしながら、彼の胸の奥には復讐の野望が燃えていた。
いまに見てろよ、スターアカデミー。
僕を退学にさせたことを、心の底から後悔させてやる。