複雑・ファジー小説

Re: 魔王様と落ちこぼれサキュバス。【オリキャラ募集中】 ( No.6 )
日時: 2015/10/01 13:19
名前: ゐずみ (ID: d4ff9UDO)

どうしてこうなったのだろう。

目の前には銀髪赤眼の美形の男。
男の横にはオーガと見られる桃色の髪に蒼い瞳の小麦肌の少女と、種族はわからないが金髪に琥珀色の瞳の美少年が立っている。

「さて、始めようか?生徒会入会試験。」

私は思わず頬を引きつらせた。

***

さて、何故こうなったかの原因を振り返るとしよう。

私は、サキュバスだ。

魔族の中でも珍しい♀のみの種族。
その真骨頂は誘惑である。
♂を謎のフェロモンと抜群なスタイルにより誘惑し、生気を吸い取る。

実に厄介な種族だ。主に男に。

そんな種族の中でも私は特殊だ。

別に誘惑の術がすごいとかじゃない。むしろ逆だ。

そう、落ちこぼれなのだ!

サキュバス特有のナイスバディも謎のフェロモンもない。
あるのは唯一得意な幻術のみ。しかしサキュバスはもともと戦闘系魔族ではない。

サキュバスにとって誘惑ができないというのは死に瀕すこと。先ほども言ったが、戦闘系魔族ではないため身体能力はゼロといって等しいのだ。

そんな私は種族の中で冷遇されていた。

私は考えた。どうすれば認めてもらえるのか。

巨大な宮殿の中に入り、族長への面会を申し込む。
受付嬢は落ちこぼれの私を知っていたようで、嫌そうだったが自分の職種上拒否はできない。だがちょっとした嫌がらせはしてきたが。

「族長。いい加減私はこの状況から抜け出したいんです。」

キッ、と鋭い眼差しで宣言する。
そこで足を組む、族長ことカレンシア=ロギシティアはめんどくさそうにこちらを見る。
族長なだけあってその美貌は計り知れない。

「まあいいんじゃないかしら?」
「なら試験をくだざい!」

適当にあしらうつもりだったようで、そうはさせじと即答する。
私のようすにカレンシアは肩を竦め、足を組み替えた。

「そうねえ。魔王様みたいな大物を誘惑して自分のものにできたら族長の座を渡してもいいわよ?」

カレンシアはニンマリと笑い、「どうせできないだろうけど。」と言った。

挑発に乗りやすい私は、無論受けた。

「学園で大物落としてきてやりますよ!魔王様でもなんでも!」

後ろでカレンシアがけらけらと笑っているのに気付かずに。