複雑・ファジー小説
- Re: ジャンヌ・ダルクの晩餐 ( No.15 )
- 日時: 2018/12/26 20:32
- 名前: マルキ・ド・サド (ID: FWNZhYRN)
夕食を食べ終え香織は自分の部屋に戻った後、すぐに浴室に向かった。女子は清潔好きだから一番最初に風呂に入る。脱衣所でいつものように服や下着を脱ぎ裸体となる。腕の包帯は取らなかった。部屋に戻ったら取り外しアルコール消毒を施そう。傷はまだ痛む。痛みが引くのは1週間以上かかるかも知れない。浴槽に入る前に鏡を見た。
「・・・・・・」
目の前に映る自分の姿、どこにでもいそうな普通の女子高生。幸せそうにも不幸そうにも見えない。身体には今朝のいじめによってつけられた暴行の跡。友達もいなくなりまた孤独となってしまう。そん自分の姿を見ているうちに香織は泣きたくなっていた。
「こんな不幸な日々もいつかは終わるのかな・・・・・・?」
部屋に戻ると時計の針はまだ8時を指していた。この時間帯はほとんどの人間が起きている。香織は普段夜更かしなどをして深夜まで起きているのだが今日は何故か今までにない疲労感が身体を包み込む。香織はちょっと不安になった。
「明日は今日よりもマシな1日になりますように・・・・・・」
そう心の中で祈りリモコンで灯りを消す。ベッドに潜るとだんだんと意識がなくなり夢の中へ・・・・・・
「ねえ?またあのブスが学校に来ると思う?」
「・・・・・・!」
1人の少女が誰かと電話で会話をしていた。そいつは今日学校で香織をリンチしていた女子高生の1人だった。電話の相手も彼女の仲間の1人だろう。またよからぬ事を企んでいる最中のようだ。
「いい方法があるの。あいつの人生を灰にできてしかも大金を手に入れることもできるわよ。皆で山分けしましょ?」
「・・・・・・!?」
「それにはまず犠牲になってもらわなきゃいけない人がいるの。あいつよ。あのブスに好意を抱いてる底辺女。もう分かったでしょ?」
「・・・・・・?」
「そう!あいつよ。森川詩織。あいつを利用すれば・・・・・・」
「・・・・・・!・・・・・・?」
「心配いらないわ。私がこれ以上のない助っ人を用意しているから」
「・・・・・・!!」
「あはははははは!!」
恐ろしい陰謀が企てられていることを誰も知る由はなかった。