複雑・ファジー小説
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.1 )
- 日時: 2016/12/10 20:26
- 名前: 波坂 (ID: SA0HbW.N)
2045年。人類は劇的な進化を遂げる薬を開発した。
それはそれはとてもビックリな薬で飲んだだけであらビックリ! なんと超能力者になったじゃないですかー! おまけで髪の毛の色も変わっちゃう訳で。
でもですよ。それには才能って奴が必要なんですよ。お陰で私はこんな変な能力ついちゃったし。
あー! こんな能力よりももっと普通の能力が欲しい! 発電する能力とか! 発熱する能力とか! 風を起こす能力とか!
でも私についた能力は微妙。だって相手にさわらないと使えないし。
だいたい能力の種類が多い中でなんでこの能力かなー。なんて思っちゃう訳だよ。
別に無い人よりはマシだけどさ! 噂では時を止める能力なんてのもあるらしいじゃないですかー!
この前テレビでスターが空気を固める能力で空中散歩してたしー。あれ格好よかったなー。
え? 私の能力? まああれだよ。全くスマートじゃないよ。どっちかって言うとゲスい能力だよ。
で、だいぶ話は脱線したけど、この薬は飲んで7年後に効果が完全に出るんですよー。私は今十五だけど飲んだのは5才の時だしさ。
で、そんな超能力なんて者があったら110年ほど前にあったらしいアニメみたいな展開も起こる訳ですよ。
で、私こと平野平子にもそんな展開が起こっちゃう訳ですよ。
「ちょっと俺とあそばね〜か〜?」
「俺たち優しいからさ〜」
ああもう鬱陶しい。なんなのよこいつらー!
「白い髪って珍しいね〜。超能力?」
うるさぁーい! 私だってこんな白い髪になりたくてなった訳じゃないわ!
だいたい政府が薬の摂取を義務にしたのが悪いだけだー! 超能力は金になるって魂胆丸見えだよ! だけどみんなも超能力使えるしって放っておくし! でも能力使えるのは子供が八割で大人が2割程度でしょー! 超能力って想像力を創造力に変える機能を頭に付けて、脳が無意識に能力を固定するから想像力豊富な小さい頃に飲むのが一番らしい。でもゆとりの私は昔の事なんて分かんないって訳ですよー。
「じゃあこっちこいよ!」
パシッ! って私の手が握られる。うわぁ。私の肌に触っちゃったよ。ドンマイ。
「へっへっへ!」
あ、この人も私の肌触っちゃった。まあ能力がなくなる訳じゃないから大丈夫って訳ですよ。あ、言葉にしないと駄目か。でも言葉にする義理なんてないしいっかー。
「やめて下さい! 気持ちがよくないです!」
ゴスッ。あ、つい顔面殴っちゃったわ。まあセクハラの代金と思って。
「このクソアマ!」
その男は手に炎を纏わせていた。ちょとー私はか弱い(はず)の女の子ですよー? せっかく伸ばした髪が燃えないといいなぁ。
なーんて思いつつも私は自分の能力と言うのを発動しちゃう訳ですよ。挙動はこれだけ。
パーン! と手を合掌。
するとまあ私は驚かないけど相手は驚くんですよ。まぁ自分の能力で発生させた炎が急に消えたんだし当たり前ですよねー。
でも能力使えるって言っても私は護身術を習っていただけのか弱い女子なんで先制攻撃するんですよ。
顔面に。
そしてさっき当たった所に筋肉をフル活用したパンチが男の顔面に炸裂して私は見事に(相手を)壁ドン(と叩き付ける)を決めちゃった訳ですよ。
「ゴラァァァ!」
で、もう一人も怒って能力で攻撃して来るってはずだけど既に手は打ってあるんですよ。これが。
「なっ! 俺の能力が! 発火を起こす能力が!」
最近は噛ませ犬に発火兼発炎能力を起こす能力が多いなぁなんて思いながら容赦なく股間に股金を決めて悶絶している間に回し蹴りで壁ドンをもう一発決めましたよ。こちとら容赦なんてしてられないんですよ。
で、私は見事に路地裏から「デデンデンデデンデン!」とか言いながらエスケープに成功したんですよ。
で、ここらで自己紹介でもして起きましょうか。
私は平野平子。薬のせいで髪が白くて、髪はかなり長い。
得意科目は数学と理科で、苦手科目は地理と英語。趣味はまぁ色々。特技は護身術。
私にしてはずいぶん落ち着いた自己紹介だったんですけど常識的にはこれが普通の自己紹介らしいんですよ。
あ、忘れていたけど超能力者です。
使える超能力は[相手と自分を平等にする能力]です。
使うには相手の肌をさわる。そして顔を頭に浮かべて合掌。最大三人まで。
あ、絶対に弱そうと思ってるんでしょう。ええ、わかりますよ。私も最初はそう思いました。ですがね。この能力を簡単に言うとですね。
この能力を掛けられると掛けられた人は私の使えない超能力は使えない上に運動神経が私と同等になるんですよ!
これ凄くないですか! 触ればどんな超能力者と戦っても絶対にガチの殴り合いですよ。
殴り合いは自信ありますよ。でも強いとは認めはしません。
だって私! か弱い乙女ですから!
結論から言うと私が噛ませ犬のチンピラどもを壁ドンした後私は家へかえったんですよ。
え? 部活? ああ、あの戦場の事ですか?
いやいや、あんなのただのバーサーカーたちの巣窟ですよ。スポーツでも能力の使用か認められちゃってからはもうスポーツは強い超能力が使える人の戦場と化した訳ですよ。
サッカーなんて見てくださいよ。ボールが砲弾みたいな速度で飛んで行ってますよ。そしてそれをキーパーが触らずに弾く訳ですよ。
どこのアニメだって突っ込みたいですけどこれはリアル、そう! 現実なんですよ!
こんな戦場の中に殴り合いの能力をどう使えと? 使えねー。て訳で私は一年前までは護身術をやっていたんですよ。
やめた理由なんて筋肉の付きすぎ以外の何でもないですけどね。
で、護身術を習う理由は簡単ですよ。なぜなら、私の親はそのトレーナーだからですよ。
超能力の事件が出始めてからこれをしだしたらしいですけどこれがもう繁盛しちゃって繁盛しちゃって。
で、私はタダで通えるからって理由でやりはじめたんです。
ま、三年続きましたけど。
とか私の過去編を漁ってたらいつの間にか家に到着って訳で。
私の家はこの時代らしいマンション……ではなく木造の一件家なんですよ。ま、なんだかんだで便利ですけどね。階段も無いし。
「ただいまー」
私は帰りを知らせるためにいったんだけど家には誰もいないんですよ。これが。
で、私は一人で渋々部屋で宿題をする訳ですよ。
この時代の宿題はタブレットに送りこまれてくるんですよ。それをさっさとやろうと思ったらまぁ! なんと言う事でしょう! 地理の問題でいっぱいではありませんか! 私が地理を苦手として敢えてやっているのかってついつい疑いつつも私はきちんと教科書を見ながら少しずつやっていくんですよ。
面倒臭くない? とか思いますか? 面倒臭いですよー。でも真面目にやらないと地理は成績がヤバいんですよー。
だって私。理系ですから。
ピピピピピピ……ドガァーン!
「うるさーい!」
この最初の五秒は普通なのにそれを過ぎると爆発音がするという目覚まし時計のスイッチを切って私は体を起こします。うーん、だるい。
なーんて学校に対して憂鬱な考えを抱きながら身支度をしているといつの間にか、いってきまーす。と言っていたんですよ。
通学は自転車を使いますよー。但し電動自転車ですけど。
私が学校につくとクラスメイト兼友達の姿も見えた。私って目はいいんですよ。
「おはよー! 紡美ちゃん! 緋奈子ちゃん!」
私は手を振っておーいとか言いながら走って近づきます。
「おはよう。平ちゃん」
「おはようございます。平さん」
先に挨拶を返したのは紡美ちゃん。フルネームは古都紡美。私とはそこそこな付き合いですよ。能力は持っていないから黒髪で、身長は低め。あ、私は高い方ですよ。
そして後から挨拶を返したのは鋼城緋奈子。私とは一度衝突があったけど今は友達。超能力があって、[物を移動させる能力]。髪は青紫って珍しい色で、私と違って大人びた雰囲気をまとっている。ぐぬぬぬぬ。胸の大きさは強大って訳ですよ。
まあ別に私は貧乳という訳ではないんですよ。
だって私。Cですから!
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.2 )
- 日時: 2015/10/22 20:52
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
「んーっ!」
はぁー! やっと退屈な学校が終わりましたよ。ええ本当に面倒くさい。
「平ちゃーん!」
おお、紡美ちゃんじゃないですか。どうしたのー?
「いやぁ、ちょっと怖い噂があってさー」
ふーん。どんな噂?
私は少々興味が出ました。超能力の噂はとても好物ですから。
「何でもね……乾電池を爆発させる能力ってのがあるらしいんだ!」
へぇー。それは面白いね。興味がもっと出てきたよ。
因みに最近の乾電池はとても効率がよくて、電力も150年前……今が2165年だから2015年前の乾電池の二倍はあるんです。
それにしても爆弾ですか。ちょっと怖いですね。あんな即死系の武器は厄介ですから。
「だけどねー。中々情報が入らないんだよ」
ま、入ったら私に教えてよ。
「うん! じゃーねー」
そういって紡美ちゃんは帰って行きました。
にしても乾電池を爆弾にねぇ……。
危険な能力ですね。と思いながら私は家に帰ったって訳ですよ。
「あー。テレビのリモコンの電池が切れてる」
リモコンのスイッチを押しても電源が入りません。そして私が買いに行くって訳でした。
それは唐突な始まりでしたねー。
最初は店内に無数の乾電池が転がってて店員さんのミスかなーって思ったんですけど急に爆発音が聞こえたんですよ。
そして私の近くのも爆発しました。私は何とか逃げましたけど。
ドガァン! ドヵァン! と爆発音は鳴ります。騒音で訴えられてもおかしくないですけどこれ。
そして全ての爆発が終わった時、そこは焼け野原になってましたよ。野原じゃ無いですが。
で、犯人は見つからないんですよ。
困った事に客の数が多すぎて、候補が多すぎるんです。
結局犯人は見つからずに家に帰されました。私は家に乾電池が無いのでテレビが見られませんが、諦める事にしました。
そして二日後、私は乾電池を買いに別の電気屋に行きました。
さあ、どれにしようかな何て思って乾電池を手にとります。
するとびっくりな事が起こりました。
乾電池から、電気がバヂッと弾けました。とっさに投げたから良かったですが、その乾電池は爆発しました。
そして、再び乾電池が床を転がってて来ます。私はたまらず必死に爆発を避けながら何とか脱出に成功した訳です。
そして犯人はやはり見つけ……られなかったんですね。はい。
ただ、今回分かったのは、乾電池は爆発の前にだいたいチリっと電気が弾けるって事だけでした。
これで犯人? わかる訳ないでしょ。
だって私、探偵じゃなくて普通の高校生ですから。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.3 )
- 日時: 2015/10/23 22:00
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
流石に三度目の正直って訳で私はようやく乾電池を手に入れた訳ですよ。
で、今はテレビをぐーたらしながら見ているんですが、また例の事件が起こったらしいんですよこれが。
何でもこれで5件目だそうです。て事は私は5分の2の確率で事件に遭遇する訳ですか? 嫌ですよ。命の危機ですよ。だいたい描写が甘いからわかんないかも知れないけど私は死にそうだったんですよ。ええ、死ぬかと思いました。
話が逸れましたが、警察は金属を爆裂させる類いの能力と踏んでいるみたいですねー。ま、私からすると何かひっかかるんですけど。
仮に金属を爆裂させるなら、店内にもめちゃめちゃあるじゃないですか?
それなら乾電池を使う意味何てないし。
ま、何とかなるでしょうって私は他人事のように語るって訳ですよ。
今、私は紡美ちゃんと緋奈子ちゃんと買い物に来ていまーす。
えー。正確には、買い物に行く道中ですね。はい。
で、私達が歩いていると、前にラジコンカーが走って行きました。
そこまでは良かったんですが……そのラジコンカーは車の下に潜り混んだあと…………爆発しました。
当然車は誘爆。タイヤ等が吹っ飛びます。
一枚ドアがこっちに飛んで来ましたが、緋奈子ちゃんの能力によって何処かへ飛んで行きました。ナイスです緋奈子先輩。
周囲の人はわあああ! とか言いながら散って行きますが、私達はそうも行きません。
何故ならラジコン4台に囲まれているからです。いやー。困ったって訳ですよ。
で、ラジコンに付いてるのはバッテリーでしょうか? 兎に角黒い物体が付いてます。
「……あそこに変な人がいますね」
え? 何処? と聞くと、あそこですよ。と言われ、そちらに顔を向けました。
すると壁際に誰かがこちらを覗いていました。気持ち悪いですね。
「私があっちにラジコンを飛ばすので、そのあと無力化してください」
私は、わかったよ。ってシリアスな雰囲気をかもしだしながら言います。あ、シリアスなシリアルってダシャレどうですか。……あっ。はい。すいません。
すると、行きなりラジコンが、物理的に無理な軌道で壁まで飛びました。
その人は逃げましたが、私は既に追いかけ始めていたので、捕まりそうです。
と、言う訳で鬼ごっこが始まり始まり〜。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.4 )
- 日時: 2015/10/25 10:28
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
待ってくださーい。
って私は目の前を走っている彼(恐らく事件の犯人)に呼び掛けてみます。
「ひぃ! くっくく来るなぁ!」
あんた何いってんですか。私は別に殺したりしませんし食べたりもしませんよ?
「ば、馬鹿なぁ!」
そう言って路地裏を走っているとまあびっくり。なんと行き止まりです。
大人しくしててくださいよー。特殊警察が来るまででいいですからー。
あ、特殊警察と言うのは超能力を持った人達で組まれ対犯罪用組織の事で学生でも入れるんです。と言うか学生が半分ですね。あ、私は入って無いです。
「こ、これでも喰らえ!」
そして彼がこちらに放って来たのは……バッテリー?
なんて思案している場合ではありません。兎に角ポケットから折り畳み式のスタンバトンを取り出して上に打ち返します。
そしたら次の瞬間。また電気がバチッと弾けて爆発が起きました。
……危ないわ!
ちょっと待って下さいよ。爆発が乾電池の比じゃ無いですよ。あれ間違いなく殺傷性がありました。つーか当たったら即ゲームオーバーだった訳ですよ。
酷いですよ。当たったらどうするんですか?
「うるさぁい! あいつが悪いんだ!」
何の事言ってるんだか分かんないんですけど。
「お前には関係無い!」
いや、だったら尚更止めて下さいよ。と私は言葉に出さずに思いました。
取り合えずスタンバトンのスイッチを入れてその人を気絶させようと思いました。
ですが。
なんとびっくり。スタンバトンが彼に近づいた途端に破裂してしまいました。痛い! 痛い! 尋常じゃない痛みが私を襲いました。スタンバトンを持ってた私は左手が無くなりはしないもののかなりの怪我をおったって訳ですよ。
「はは! どうだ? 俺の能力は!」
……つーかおかしいですね。スタンバトンの方が明らかにバッテリーよりも金属の量が多いんですけどバトンは爆発まで届かずに破裂に止まりました。
……私のスタンバトンって実は少ししか電気が残って無かったんですよ。携帯で言う残りが赤色になってる感じです。
……貴方の能力は金属を利用する類いではありませんね?
「そうだよ! 俺の能力は[電気を爆発のエネルギーに変換する能力]だよ!」
……成る程。だから電気量の多くて軽い乾電池やバッテリーを使ってたんですか。
それさえ分かれば。私は一気に彼と差を詰めます。
彼は驚いて乾電池を取り出しました。が、使えないでしょう。
爆発と言うのは範囲が広くて殺傷性が高いですが、範囲が広いと言うことは自分の近くでは使えない。と言う訳です。
私は一年前程に作った技(?)を繰り出します。
まず左足を踏み込み、左足の指で地面を掴むように力を入れ、右足で地面を思いきり蹴る様に力を込め、左腕を思いきり引いて(この時めっちゃ痛かったです)右腕を伸ばす。これらを全て、ジャストのタイミングで行います。これは普通のパンチと同じフォームですか、一つ一つの動作に力を込め、タイミングを合わせる事で普通の拳よりも強い打撃が生み出せます。
これを私は容赦なく顔面に打ち込みます。
人の鼻の骨とはそこそこ脆い物で、私の必殺技(必ず殺さないよう殴る技)を受けるとゴキッ! と嫌な音を立てて折れました。
彼は倒れた後、よろよろと私から離れて、
「この俺を! よくも! よくも! 殺してやる!」
そういって乾電池を十本程の投げて来ました。
能力を使ってない私にとっては一つ一つがダイナマイトの様な物ですが、肌に接触した私からすれば。
パーン。合掌。
ただの乾電池です。
乾電池たちは音をたてて地面にカランカランと落ちました。彼の顔は驚きで埋めつくされていました。
貴方の能力を無効にしました。
「ば、馬鹿な!」
嘘では無いです。どちらにしろ、貴方には選択肢は二つです。
「な、なんだよ!」
私と殴り合いをするか、大人しく自首するかです。
彼は少し黙った後。
「う、うわぁあぁ!」
私に殴り掛かって来たって訳ですよ。
私はすっと横にずって足をかけました。これってかなりゲスいですよね。
彼は見事に引っ掛かり、音をたてて盛大に転びました。やったー。成功ですよ。
その後私は彼を引きずって路地裏を出ました。彼を特殊警察に渡した後、紡美ちゃんがこう言ってました。
『あの人、私にストーカーしてた人だ。この前振ったんだけど』
彼が言ってたあいつって紡美ちゃんの事だったって訳ですね。
で、私はその後病院に行きました。
私、これでも左腕が切り傷と火傷でボロボロなんですよ? だから病院に行かないと駄目じゃ無いですか。
だって私、一般人ですから。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.5 )
- 日時: 2015/10/27 01:05
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
実は私こと波坂は……能力ネタに困っております。はい。
て訳で能力のアイデア募集中です。最強の能力、使い方しだいの能力等を募集中です。みんなー。オラにアイデアを分けてくれー。
続きです。
乾電池爆発事件が終わって既に1週間がたった頃です。
私はとても面倒な事に巻き込まれました。
「おい! 此方には人質がいるんだぞ!」
「大人しく道を開けろ!」
そう、銀行強盗って奴ですよ。で、私は人質になっちゃった訳ですよ。
相手は防護服を着ているから肌の露出が少なくて中々肌にさわれません。
で、この二人、髪が青い色の痩せた男と髪が緑の此方は痩せではなく引き締まっている感じの男。青い方は電気を飛ばす能力で、緑の方は速度を加速させる能力……の、筈ですね。
ま、結局、みんな自分の命が惜しいって訳ですよ。だいたい私だってそう。人の為に命を投げ出せるなんて、よっぽどの命知らずかお人好しだけ。
で、私はそのお人好しの命知らずに出会っちゃった訳ですよ。
「おい! 止めろ!」
……駄目だ……。
声を出したのは、黒髪の大学生だろうか? そこそこな美形な顔をしている。体は一見普通だが、シャツから覗ける筋肉はかなり強そうだ。
だが、黒髪と言うことは、つまり能力がない。
能力のあるものと無いものの差は歴然としている。ちょっと電気を使う能力でも、アドバンテージとしては大きい。
「おいおい、ヒーロー気取りかよ」
「ならお前は悪役気取りか? はっ! そんなのは悪役とは言わん! 噛ませ犬だ!」
挑発を受けるが堂々と挑発を返したその黒髪の男は、直線で青い方に突っ込む。
バチバチっ! 電気の走る音がした。電気の槍が発射された。
だが男は、地面を蹴り、天井を蹴って避けた。
……………は?
いや、ちょっと待って下さいよ。おかしいですよ? 彼は能力が無いんでしょ?
そんな私を置いて行って、彼は近づくが、かなりの至近距離で電気の槍を発射された。
私は電気で焼かれる姿が思い浮かんだが、彼はそれを避けた。偶然でなく。
そして彼の攻撃の筈だか……彼は動かない。
が、突如、轟音とともに男が吹っ飛ぶ。見てみると黒髪の彼は殴った後のモーションになっていた。
見えないほどの速度。はたしてどうやったのか。
もう一人の、緑の方は鉄の塊を投げつけた。能力の影響で、170キロは出ているだろう。
だが、黒髪の彼はそれを、右手で弾く。
……………はぁ?
なんか軽いデジャウを感じましたが放っておきます。
そして。再び轟音。そしてまた、彼は殴った後のモーション。
全くを持って、理解不能な彼と私の出会いはここからだった。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.6 )
- 日時: 2015/10/27 08:12
- 名前: 彩都 (ID: Ga5FD7ZE)
波坂さん、能力ネタなら彩都にお任せあれ。
って言う事で書いていいですか?
実はこの作品に目をつけておりまして、募集ねーかなーと思ってた所なんですよ。
一応、複雑・ファジーで『セカイ戦記』を執筆しておりますので暇だったらお読み下さい、感想待ってます!
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.7 )
- 日時: 2015/10/27 22:57
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
彩都さんコメントありがとうございます。
『セカイ戦記』読みました。面白いですね。
あ、能力の募集については募集中なのは以下の
1.最強(弱点はあった方がいい。無くても良いですが)の能力。
2.使い方次第で強さが変わる能力。
3.主人公と相性最悪の能力。
4.その他。
締め切り的には1以外は特に決まっていません。1には後数話で締め切ろうと思っています。
……仮に一票も無かったら自分でアイデア捻り出します。
因みに能力の強弱は
〜〜〜をする能力
↓
〜〜〜を操る能力
↓
〜〜〜を司る能力
の順で強くなります。
続きです。
あの後、特殊警察の人達が来て銀行強盗を行っていた二人は逮捕されました。
で、私は今、お人好しの命知らずの彼とファミレスにいます。
私がナンパされたのではなくいわゆる逆ナンって訳ですよ。
あ、冗談ですよ。単にお礼の為ですよ。
「え〜っと……君名前は?」
平野平子と言います。漢字は平野に平たい子供でひらのひらこ。あ、先に言いますけど敬語は無しでいいです。
「分かった。俺は十橋時雨。十に橋にときさめって書いてしぐれ。えっと……なんて呼べばいい?」
私は時雨さんと呼びますよ。別にお好きなように。
「じゃあ呼びやすく平子で」
まじすか。いきなり名前呼びっすか。まじぱねぇって訳ですよ。つーかこの口調はキャラが違うんで止めます。
ま、助けてもらったのは私ですし私からお礼を言った方がいいですよね。
先程はどうもありがとうございました。
「どういたしまして……ってそんなに気を使わなくてもいいよ。見返り目的でやった訳じゃないし。単に銀行が使えないから邪魔だっただけだ」
この人凄いなぁと思いながら私はこの人を論破しようと口を開きます。
いえ、それは無いですよ。貴方は銀行強盗が始まって少し経ってから来ました。でも邪魔だと言うならはじめからしているでしょう。おまけに事件の後銀行使わなかったじゃないですか。
「……全く。少しは格好つけさせろよ」
ようやく砕けた感じになりましたね。
「全く。平子は空気が読めんな」
それは誉め言葉ですか? 命知らずのお人好しさん。
そして、私と時雨さんはお互いに目を合わせて、アハハハハとお互いに笑いました。
その後、しばらく世間話をしているとふとこんな事を聞かれました。
「そう言えば平子の能力ってなんだ?」
むむむむ、これって言って大丈夫ですかね? ま、正確には言わないでおきましょう。
ま、戦闘に向いてはいませんねー。
あ、これ嘘じゃ無いですよ。言って置きますが私の能力は戦闘に向いてるんじゃないんです。ただ、私には護身術と言う名の格闘技術があるから返り討ちにできるって訳ですよ。
「ふーん」
そう言えばその能力ってどうしたんですか?
私は先程から疑問に思っていた事を言います。
至近距離の回避は兎に角、あの地面と天井の跳躍(しかも縦横一回ずつ捻りを入れている)と鉄の剛速球は説明が付きませんよ。
「? 俺は見ての通り無能力だが?」
え?
ええええええええ!
「そんなに驚くかよ」
私は驚きつつも時雨さんに質問の弾幕を浴びせます。
じゃああれは全部運動神経ですか!?
「うん」
どうやったらあんな事になるんですか!
「小学校四年生から今の高校三年までずっと努力した」
……どんな?
「うーん。あんまり覚えてないけど電気サポートとか使ったり薬とかを時々飲んで、後は思い出すのも嫌な地獄トレーニング。それを毎日」
あ、もういいです。
私はとんでもない人と出会ってしまいました。
きっとこの人なら、並みの超能力程度なら簡単に潰すでしょう。
私は少し戦慄しました。が、時雨さんにそんな感じが今はしなくて、自分がバカみたいに感じました。
そしてその後に電話番号とメアド交換しました。いやー。男の人とメアド交換って久しぶりって訳でしたよ。
この超能力には段階がある。
まず〜〜〜する、させる能力。これが能力の原点である。
この段階では、強いものと弱いものの差が激しい。
次の段階は〜〜〜を操る能力。これは簡単に言うと応用が効くという能力である。
次の段階は〜〜〜を司る能力。これはもはやそれを支配下に置いていると言ってすら過言では無いほどの能力。
そして、司る能力を持った者はこの世界。と言うより超能力が使えるのは日本だけだから日本では10人程度と言われている。
そして平野平子は一番下の段階だが、発動さえすれば全ての能力を自分と平等にしてしまう。そんな恐ろしくもあり非常に優れた能力だ。
が、どんな能力にも弱点がある。それは平野平子で言えば武器である。
彼女の能力は運動神経にすら干渉する。彼女の運動神経と同等になれば、なった方は馴れない体を動かす羽目になるため運動神経を75%程度しか発揮できない。彼女の能力はそのアドバンテージがある。
が、彼女も、武器までは平等にできない。
だが、この世代では武器を持つとかダセーという考え方が主流である為武器を所持してない者がほとんどてある。
と、なると彼女は肌にさわると言う弱点以外が無い。
つまり、何が言いたいのかと言うと、どれだけ運動神経が良かろうが、彼女の能力が発動されれば武器を持ってなければ出遅れのと言う訳である。
事実。今、彼女の前に時雨が倒れている。あの運動神経最強の時雨が。無論。倒したのは彼女だが。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.8 )
- 日時: 2015/10/28 00:22
- 名前: せあら (ID: UgGJOVu5)
>>06
シリアス板でもやってましたよね?そういう宣伝。
参照数上げたい、自分の小説をみてほしい、というのはわかります。
ですが、それは巧みに包み込みましょう。さりげなく、という言葉が相応しいでしょうね。
私は、そういう見え見えの精神が嫌いです。
また、カキコ内の複ファのルールとして、宣伝レスは最小限に抑える、というのがあります(詳しくは『書き方・ルール』にてご覧ください)。最小限、とは付いていますが、あまり好ましくないことは、お分かりでしょう。
複ファでは、さらにそれが顕著です。
読んだ感想も書かれれば、なお良いと思いますよ。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.9 )
- 日時: 2015/10/28 06:08
- 名前: 彩都 (ID: HPUPQ/yK)
これはどうなります?
五分だけ音速を使える能力
『音速一番(ガンショット)』
ただし一日三回が限度。
これはどんな種類に分類されるか…
せあらさん、最小限に押さえたのですが…
出来ていなかったらすみません。
キャラもお作りしますがどうでしょう?
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.10 )
- 日時: 2015/10/28 07:37
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
せあらさんご指摘ありがとうございます。私はそういった類いの事はあまり知らないので今後もご指摘頂けると助かります。
彩都さんアイデアありがとうございます! これは多分2か4になると思います。必要があれば一部設定変更します。
機会があれば使わせて頂きます。
コメントありがとうございました。
これは少し前の出来事ですね。
私がふらりふらりとコンビニまでコーヒーと牛乳を買いに行った時でした。
私がコーヒーを買った後に店を出た時です。
ウゥゥゥーンと音を少しだけ出したバイクが私の横を通り抜けました。
すると……まぁ! なんと言うことでしょう! コーヒーと牛乳が潰れて私の服にかかっているではありませんか。
……待てえぇぇぇぇ!
するとバイク男はこつちまで来て、バイクから降り、ヘルメットを取りました。
そこにいたのは時雨さん。よーし。知り合いなら大丈夫だ。
まあ普通にやったら勝ち目0ですけど私の能力さえ使えれば……グヘヘ。
あ、別に変な妄想した訳では無いって訳ですよ。
とりあえず……。
先制攻撃だ!
なんか最後に『べ』を付けたく思いましたが私とはキャラが違うのでやめました。
私の顔面ぶん殴り攻撃を受けてもしらっとしている時雨さん。ふっ。余裕ぶっこいてるのも今の内だ。
パーン! と合掌。
「あ、あれ?」
すると時雨さんはフラフラし始めました。体重と力があって無いですね。
私はその後に思う存分殴りましたが倒れるだけで傷らしい傷ができないとかどんだけ頑丈なんですか。
「悪かったって」
もういいですよ。
「そう思ってるやつはコーヒーと牛乳買ってこいとか言わん」
そう言いつつ時雨さんは買ってきてくれました。サンキュー。
あ、さっき時雨さんに本当の能力の意味を教えました。でもこの能力頑丈さとか集中力とかまでは干渉できないんですよね。
つーか学校行ってますか?
「行ってない。スタントマンと時々力仕事やってる」
マジすか時雨先輩。スタントマンってあれでしょ? いわゆる不死身(笑)のことでしょ?
「別に不死身じゃねぇよ」
まぁ体の頑丈さヤバイですものねー。
「あのな。スタントマンは怪我しないようにちゃんと何かしらしてんだぞ。バカ正直にやってたら首折って死ぬわ」
いや、そんなことで稼ぐとか勇気ありすぎでしょ。と思ったのは私だけですか。
そのあと私は家に無事帰りつきました。別に私は毎度のごとく事件に巻き込まれてはいませんよ?
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.11 )
- 日時: 2016/01/01 16:43
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
第一章、雨と音速と絶対的平等
これは7月の事でした。(コーヒー牛乳の件から数日)
ある事件が起こりました。いえ、現在進行形で起こっています。
いわゆる誘拐事件と言う奴です。
そして狙われているのは、黒髪の学生達。つまり超能力がない人達。
そして、私の親友である。紡美ちゃんも、学校に来ていません。
「紡美さんどうしたのでしょう……」
心配そうな顔をしているのは、緋奈子ちゃん。
大丈夫だよ。とかそんな事は言えません。事実最近は黒髪が狙われた事件が数件起こっているって訳ですよ。
私が顔を逸らして窓を覗き込むと、空はしとしとと水を巻いていました。
雨の中、私は傘を差してとぼとぼと道を歩きます。何だかとてもどんよりした空気です。まだ梅雨が開けて無いのでしょうか?
私は日常の事を考えていました。そう、この時まで。
ですが、日常の終わりはいつも突然の事って訳です。
突然、地面が隆起しました。
そして地面からは、黒いパーカーを羽織った人が二人出てきました。
ここから先は非日常。常識が狂い乱れる時間。
そして私はまたも、非日常の中にいた。
平野は逃げようとそーっと距離をとる。
だが、平野が動いた瞬間に一人は平野の方を向き、何かを操る様に手を横に無造作に振った。
次の瞬間、平野に大量の雨粒が降り注いだ。いや、相手が雨水を操って平野に当てているのだが。
平野はさっと顔を防御した。それは正解だった。
次の瞬間、大量の雨粒が平野に当たった。雨粒は予想以上に威力があり、平野は身体中に痛みが走った。眼球に当たればシャレにならなかっただろう。
たまらずに走ってそこを脱出する。
するともう一人の相手も平野の方を向いていた。
そして相手は手を出して音を鳴らした。つまり指パッチンをした。
そして指パッチンとは思えない程の轟音が鼓膜を叩いた。
鼓膜は、何とか破れなかったもののこれはいささか状況がまずい。平野は遠距離が苦手なのだ。
だが幸いなのは、相手が連携をしない事だ。
平野は決死の覚悟で相手に突っ込む。
(安心するんです。まず相手は水操作と音声拡張の能力ですかね。それなら大丈夫です。どれだけ受けても死にはしませんから)
雨の弾丸が平野に殺到するが、平野は目をつぶり、耳を押さえただけで無視する。痛みが身体中を走るがそれも無視する。
(距離と方向は分かってます。後はタイミングだけって訳ですよ)
そして目を開いて目の前にいた方をぶん殴った。相手はよろよろとよろめいて雨の弾丸が無くなる。
そしてもう一人もぶん殴った。肌を触る事を忘れずに。
そして、一旦距離を置いてパーンと合掌した。
相手は能力は無くなる。が、戦闘は終わっていなかった。
平野が一息ついたときだった。
地面から、ケーブルの様な物が這って平野の両足にぐるぐると巻き付いた。
平野はケーブルに引っ張られて転倒する。が、引きずられないように新品のスタンバトンを取り出して、隆起した時の亀裂にさしこんだ。
動きは止まったものの、まだケーブルは引っ張ってくる。新品のはずのスタンバトンがミシミシと嫌な音をたてた。
もう折れるかと思った時だった。
急に、足に引っ張られる力が消えた。
疑問を持った平野はケーブルの先を見た。
そこにはケーブルを持った時雨がいた。手に持ったケーブルは引きちぎられている。
「時雨さん?! どうしてここに?!」
「いや、お前が大変そうだったから」
「いや、あいつらは?」
能力を消したとは言え邪魔になるだろうと平野は考えていた。が、
「いや、ケーブルを引きちぎったら短くなったケーブルがさらっていった」
平野はちっと舌打ちをする。
平野の能力は集中が逸れると簡単に無くなるのだ。
つまり、逃げられたのだ。
「それより……どうにかしてくれ」
「? 何をでしょう?」
平野はわかっていないが平野の今の服は夏服で、水でビシャビシャに濡れている。
つまり、服が透けているのだ。
「その……服とか」
そして平野は自分の服を見た直後、滅多に見せない赤の入った顔をしながら、助けてくれたので軽いお礼……と言う名の全力ビンタをかました。
「なんだよ……」
が、この男。全力でビンタをされてもしれっとしていた。
「ひどいです! 乙女の心を踏みにじられました〜!」
平野が時雨に訴えていると、パトカーのサイレンが二人の耳に届いた。
「我々は特殊警察だ! 大人しくしろ!」
と、特殊警察の現場を指揮する者、桟橋火麗は二人ひあに向かって言った。
二人はへ? と言う表情だが特殊警察はお構い無しに二人に手錠をかけた。
そして、二人は強引に、ほぼ強制的にパトカーに乗せられ連行された。
どうも波坂です。
今回はだいぶ真面目な感じで書いてみました。
そして一応解説しておきますが二人は何もしていません。ただ、謎の相手が壊すだけ壊して帰って、地面等がボロボロの状態で二人がその場にいたので二人は犯人と勘違いされました。
これからも更新頑張りまーす。
あ、数話をまとめて出すのと少しずつ毎日出すのはどっちがいいんでしょうか?
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.12 )
- 日時: 2015/10/29 21:24
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
もう何なんですか!
と言いながら私はゴン! と壁を叩きます。痛いですね。
「ま、落ち着けよ」
これが落ち着いていられますかー!
と私は怒声で声に出します。
ここは拘留所。分かりやすく言うと牢獄のレベルを下げた感じの所です。
私と時雨さんはあのあと何故か手錠をかけられ、何故か車に乗せられ、何故か拘留所に入れられている。数日後には私の処分があるそうだ。
もっかい言います。
ぶざけんなあぁぁぁ!
あのローブの奴ら! 次あったら顔の原型がわかんなくなる位にボコボコにしてやるって訳ですよ。
「平子ー。今何時だー?」
えーと。
私は自分の腕時計(今でも需要はある)を見ます。
六時半ですね。
「……仕方ないか……」
そう言うと時雨さんは鉄格子の前に立ち。
ゴキャァ! と粘土細工の様に鉄格子を曲げて無理矢理開けました。
……時雨さん。本当に超能力が無いんですか?
「じゃ、脱獄するか」
ちょ、時雨さん? あんた何言ってるんですか?
でも鉄格子を壊した辺り本気で言っているのだろう。今も鉄格子を一本曲げないように引きちぎって手に持ってるし、やる気満々って訳ですよ。
……もうやるしか無いのかぁ。
すみません。お父さんお母さん。私悪い子になりました。
「さっさと行くぞ」
時雨さん。少しは気を遣ってつかぁさい。
私達は脱獄して今どうしているかと言うと……。
ぱ行の音が羅列されると言うパトカーの奏でるBGMの中自転車を時雨さんが全力でこいでいます。私は時雨さんの後ろから抱きついてます。
『無駄な抵抗はやめなさーい』
うるさぁい! 抵抗なんぞしてないわ! つーか私は時雨さんの行動に巻き込まれただけだー!
し、時雨さぁん。
私の声がこんなに弱々しいのもこの人のせいだ。まさか。
自転車で車と互角のおいかけっこする羽目になるとは思ってなかったって訳ですよ。これ60kmくらい出てないですか? つーかそれより速いですよね?
「はぁはぁはぁはぁ」
いや立ちこぎ無しでこんなに回してよく息の乱れだけで済みますね! 私だったら即酸欠って訳ですよ!
するといきなり車体が急カーブしました。
キャアアア! ちょっと! 危ないです!
「安心しろ! 銃弾は飛んでこない!」
そういう問題じゃ無いですよー!
もうやだ……帰りたい……と私は思いました。
そして期待を裏切る出来事が起こしました。
バババン! ババン! と火薬が弾けたような。いや弾けた音がしました。
後ろを振り替えるとパーティーのクラッカーよろしく特殊警察が銃器を構えていました。
銃器! ちょっと銃弾飛んで来てます!
と私が言ったのは同時だった。
自転車が、パンクするのと。
「やべっ」
時雨さんはバランスを崩して自転車が転倒しました。が、私は時雨さんに抱きついていたので時雨さんが私とアスファルトの間に入ってくれたので怪我は無かったって訳です。
すると、パトカーから特殊警察が降りて来て。
「あー。無駄な抵抗はしないように!」
……もう無理じゃん。
だけど時雨さんは背中から鉄格子の棒を取りだして(以後鉄の棒と称す)足を思いきり地面に叩き付けました。。
ドン! という大きな音とバキッという小さな音が混じって聞こえた。何がしたかったんだと思っていると。
ボゴッ! と時雨さんは地面からアスファルトの破片を取ってそれを自分の前に数個置きました。あんた本当に人間か。
「これでも……喰らえぇ!」
と言いながら思いきりアスファルトの破片をゴルフのスイングの様に鉄の棒で叩いていきます。
砕けたアスファルトの破片達は特殊警察の足とパトカーのタイヤを攻撃しました。
特殊警察はぐああとか呻き声を出し、タイヤはパンクしてプシューと間抜けな音を立てたって訳ですよ。
もう一回言います。あんた人間ですか。
「駄目押しだ!」
と言って今度は自転車を直接手でぶん投げました。投げられた自転車は山なりの軌道を描いてパトカー群の中に落下し数台のスクラップを作り出しました。
「逃げるぞ!」
私は時雨さんに手を引かれて(もの凄い速度で)その場から離れて行きました。
設定……特殊警察は必要時以外は能力ではなく武器を使う。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.13 )
- 日時: 2015/10/31 15:19
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
すいません。何か書いたのが消えたので少ししか投稿できません。
すいませんでした。
……ここって何処ですか……。
「あ、目が覚めたか」
私の無意識の問いに対して違う答えが飛んできたのはどうでもいいですが……。
何で時雨さんの声が物凄く近くから聞こえるんでしょう? で、何で足が動いてないのに揺れてるんですか?
私が目を開けると時雨さんの顔がすぐ上にありました。
……はぁ。
……は?
……はぁ?!
……はぁぁぁぁ?!
ちよっ! し、時雨さん! これ!
「あーすまん。鉄の棒が邪魔で背負えなかったからこの運び方にした」
……私をお姫様だっこは鉄の棒ごときに負ける事だったんですか……。
……なんかそれを聞いたらどうでもよくなった気がし始めたって訳ですよ。
私はしばらくそのままでした。
「……何だこれ」
「……何か研究所みたいです……」
私たちがしばらく歩いていると研究所のような物に繋がっていました。
聞くの忘れてましたがここ何処の地下ですか?
「あのローブたちが来た所の中。あいつら地面から出てきただろ? だからその穴を逆から通っていけば会えるかと思ってさ」
……つまりあれって敵のアジト(?)ですか。
「そうだな……ま、話は早い」
早い?
「……殴り込みだ!」
あんた、本当にその自信はどこから沸いてくるんだ。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.14 )
- 日時: 2015/10/31 23:19
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
彩都さんだいぶ遅れた返事ですかキャラには今のところは大丈夫です……今のところは。
その内募集するかも知れません。
続きです。
「……扉が開かない……だと」
当たり前ですよ。
私はとても当たり前の事を「何故だ……」とか言ってる時雨さんにツッコミをいれました。
ここの研究所? の入り口にいるんですけど扉が開かないようです。ま、こんな「犯罪臭がプンプンするぜぇ!」見たいないかにもボスがいる所が何も侵入者とか不審者の対策をしてないわけないですよねー。
「……力ずくで」
駄目ですよ。
「まだ途中までしか言ってねぇよ」
いや、時雨さん絶対「力ずくで壊す」とか言いそうですもん。
「壊すんじゃない!」
時雨さんは私にビシッ! と指を指して(失礼なのでやめましょう)こう言いました。
「スクラップにして」
アウト。
「最後まで言わせてくれよ」
いや、もういいです。兎に角それは最終手段って事で。
「分かったよ」
いや、なんで私が悪い見たいな感じで見るんですか? 何でですか?
思えば時雨さんはいろんな意味でぶっ飛んでる人です。新人類です。
地面を蹴った後に天井蹴ったり。
時速170や180は出てるんじゃ無いかと思う位スピードが出てるの鉄の塊を素手で弾いたり。
私の能力をかけられた上で殴られまくっても無傷だったり。
頑丈そうなそこそこ太いケーブル素手で引きちぎったり。
拘留所の鉄格子を素手で曲げたりして脱獄して、折って武器にしたり。
自転車でパトカーといい勝負したり。
アスファルトを割り砕いて取り出したり、それを使って特殊警察を殲滅したり。
パンクした自転車でパトカーをスクラップにしたり。
……あれ? 時雨さんって超能力が無いんですよね? なんか超能力者よりも人間辞めてる気がします。もうこの台詞何回いったんでしょうか?
「……やっべ」
時雨さん?
私の問いは一つの音にかきけされました。
ドゴォン! と言う音に。
気づけば私の目の前には幾つもの鉄骨が刺さっていました。
……あっぶねー!
死ぬかと思ったって訳ですよ!
と、思うのも束の間。今度はケーブルが地面を這って来ました。あ、あの時のか。
私は一つ、重要な事に気がつきました。
……スタンバトンが無いって訳ですよ。
私はその事に少しがっかりしつつも張ってくるケーブルを避けてそのままケーブルの這ってきた方まで走ります。
そこにいたのは、あの時のローブを羽織った奴と同じローブを羽織った人がいた。
なるほど。こいつが穴の中から援護してたって訳ですか。
私が近づいたのを察したのか、ケーブルが相手の前に来ました。あのケーブルは念動系の能力で操ってるんでしょうか。
と、思っていたら。後ろから風切り音が聞こえました。後ろを振り替えるとそこには、高速で飛んでくる鉄骨。
すかさず地面に伏せてそれらをかわしました。が、服に擦って生乾きの制服が少し破れました。
……どーやら結構面倒臭そうな相手って訳ですよ。
私がそう考えている間も、相手は待ってくれません。当たり前ですが。
一本一本の鉄骨が私に向かって飛んできます。私はそれをかわす……と言っても走り回って少しヤバイのはしゃがんだり全力で走ったりするだけですが。
それでも、こういう物を飛ばしたりする[曖昧な力]は目標に向かって飛んで行かない事が多いです。
[曖昧な力]は主に念動系の能力や電気を発生させる等の目に見えない効果を生み出したり応用が広く効きすぎるものを指しています。
ですから、普通は方目を瞑ったり手をかざす、または何か道具を使ったりして能力を自ら制限する事で空間把握能力がつくまではそうしていないとあんまり精度は上がらないって訳ですよ。
そして、相手は標準を合わせる動作をしている様には見えない(目は見えませんが)からこうして当たらないと確信を持って動ける訳ですよ。
すると相手は考えたのか、ケーブルを放ってくるのではなく、ケーブルで鉄骨を持って当てようとしてきます。巨大な6本の腕がバットを持って攻撃してくる感じですね。
……これはなかなか不味いですね……そもそも相手の能力って何でしょうか。
念動……少なくとも万物を動かせる訳ではないですね……それなら周りの土で挟んで終わりですし……まあ金属位かな?
しかし、私にそんなに考えている時間はあまり無かったって訳ですよ。
ブゥゥン! と音をたてて鉄骨がバットのように振られます。
それを避けたのはいいですが……私は避ける為にしゃがんでしまいました。
それは、選択ミスだってたって訳ですよ。
敵から、何か小さなな物が、雨粒の様に振って来ます。それは、大量のボルトやナッド。
私はとっさに立ち上がって、それに背を向けるようにして走りました。ですが、背中に何発かボルトやナッドが当たりました。
ぐっ。と声が漏れたのも束の間。次々と鉄骨が飛んで来ました。スイングじゃあ当たらないと思って数打ちゃあたる戦法に出てきましたか。
ですが、それはかなり効果的な戦法。
私に向かって飛んできた鉄骨はギリギリ私に当たっていません。まだツキはあります。ん?
なんか鉄骨にナッドが張り付いて……直ぐに落ちました。……そういうことですか。
私が納得しているとケーブルも大量に飛んで来ました。そして、鉄骨で上がった土煙も合わさって、私の一帯は土煙に覆われたって訳ですよ。
私は、そこでチャンスと思って一本のケーブル右手で持って、そして左手には……うわ!
突如ケーブルに引っ張られ驚きつつもケーブルをしっかり握り、離れないようにします。ここで離れたらもう勝てないかもしれないって訳ですよ。
そして土煙が無くなり、ケーブルが相手の近くに行った時。ケーブルを掴んでいた私はその相手とかなり距離が近かったって訳ですよ。
そして私は左手からあるものを放りました。
それは、私に当てられたボルトとナッド。
これは放っただけでは重力に従い地面に落ちて行きますが……私の放ったボルトとナッドは相手に向かって行き、そのまま相手に当たりました。当たった相手は能力を止めてしまったのか、地面に落ちていきました。
私の掴んでいたケーブルも落ちて行ったので離し、起き上がろうとする相手の顔面に容赦なく膝蹴りを入れ、唯一肌の出ている手を触り、そして。
パーン! と合唱。もうこれで相手は能力が無い。
さあ。お返しですよ。
そう言い放ちフラリと相手が立ち上がった所で鳩尾に必殺パンチを繰り出しました。
相手は土の壁まで飛んでいって、激突し、ずるずるとずり落ちて行きましたが……。
おまけの餞別です。
と言いながら近付いて頭を鷲掴みにして土の壁にゴン! とぶつけました。
相手はどうやら気絶した様です。
しかし……まさか[磁力を操る能力]とは思ってなかったって訳ですよ。分かったのは……たしか金属しか動いていなかったのと……鉄骨に少しボルトがついて、直ぐに落ちたあたりですかね……。
て言うか結構危険な賭けでしたって訳ですよ。
あれは鉄骨を反発の磁力で飛ばして少しだけ磁力をかけて方向を修正してる……って仮定して、なら回収するのは強力な引き寄せる磁力だろうと思ってそれなら軽くてスピードの付きそうな鉄のナッドとかを投げたら、引き寄せる磁力がスピードを上げてくれて倒せるんじゃ……とか思いついたんですけど……ほぼ賭けでしたね。
……そういえばローブの中って……。
ふと思い付き、興味本意で取ってみると、そこには予想外の色がありました。
能力がありながら黒い髪と言うことに。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.15 )
- 日時: 2015/11/04 20:57
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
あー。何か平子が戦ってんな。
と、俺こと十橋時雨は他人事の様に言った。
あー。面倒くせぇし加勢しに行くか。何て事を考えていた矢先だ。
右から、何かが近づくのを感じた。
咄嗟にそこからバックステップして避ける。
次の瞬間。
ベシャア! と俺の居たところに大量の水が……いや熱湯がかかった。湯気がででいるし何より沸騰している。
熱湯が飛んできた方向を見てみると黒いローブを羽織った人間がいた。何か今日見たやつみたいだな。
と、考えているとそのローブの後ろからゆらゆらと水が出てきた。そして何故か沸騰している。
きっと水を操る能力だと思いつつ背中にあたかも野球部がバットを肩にかけている様に持っている鉄の棒を構える。
相手は何の予告も無しに水を操作し始めた。
水が幾つか丸い塊となってこちらに飛んできた。とりあえず全て最小限の移動でかわす。
地面に落ちた水はジュワッ! と音をたてて全て蒸発し、水蒸気となってローブの回りに集まり、再び水に戻った。そして謎の沸騰現象が発生。
水の温度も操れるのか? まあ問題ない。
一撃。一撃だ。
相手は今度は水がかまいたちの様な形に形成して飛ばしてきた。
そんなの効くか。
鉄の棒をなぎ払う。
鉄の棒は熱湯のかまいたちと衝突し、かまいたちをバシャア! と吹き飛ばした。
そのまま鉄の棒を手離し足に力を少し込めて跳躍する。もっとも、跳躍といってもかなり低い軌道だが。
そして相手のすぐそば。俺の絶対的キリングレンジ0.65mに相手が入った瞬間。足を地面に付け速度を落とし拳を相手の腹部めがけて放った。
その拳は相手を確実に仕留め研究所に叩き付けた。(もっとも時雨のパンチは他人には見えませんが)
気絶したのか辺りにゆらりら浮かんでいた熱湯は地面に落ち、少ししか蒸発せず地面に吸い込まれていった。
さーてどうするかなと思い鉄の棒を手に取る。ドゴォン! とか聞こえるのであ、平子。と思ったが、目の前に鉄骨が飛んできたからいけなくなった。
別に鉄骨が動かせないという訳ではない。ただ、その前にこの鉄の扉を開けた方が良いと思っただけなのだ。
試しに45%程度の力で扉を蹴った。
ドゴッ! とは鳴るものの7、8センチ程度陥没しただけだったので(この扉は車に激突されても折れるだけですむ程硬いのだが)今度は60%くらいで殴った。
ドガァァン! と爆発の様に凄まじい音が炸裂した。もう聞き慣れたわ。
扉は二つにくのに字折れていてそのまま扉の向かいの通路に突き刺さっていた。あ、邪魔だ。と気付いて少し折り曲げ通路が使える様にしておいた。
ここはT字路になっていて右か左かの別れ道になっている。……まあさっきとどめに使ったのが右手だったし右でいいやと思いながら俺は平子を待つことにした。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.16 )
- 日時: 2015/11/03 11:41
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
私はなんとか敵を倒して時雨さんがさっきいた辺りまで戻りました。
すると、まぁ! 何という事でしょう! 扉が無くなっているではありませんか!
……絶対時雨さんだ。間違いない。
と私は戦慄しながらも研究所の様な施設に入ろうとした時でした。
グッ。と何かを踏んだ感触がありました。下を見るととても驚いたって訳ですよ。
なんで黒いローブの人が転がってるんですか。……そういえば中は……。
無理矢理ローブをはぎとると今度は予想の通りの色でした。
先程と同じ様に、髪が黒い。
……やっぱ変ですね。黒い髪で超能力が使える人なんて居ないはず……若干一名新人類がいますけど。
……もしかして最近の誘拐事件はコイツらも絡んでるんでしょうか?
ま、こんな所で質疑をしていても仕方ないので研究所に入ろうとします。
……………。(←くの字に曲がった鉄の扉が壁に刺さっている。そして側で時雨が壁に背を預けている)
時雨さん。
「ああ、平子か。大丈夫か?」
大丈夫ですけど……時雨さん。
「何だよ? さっきから」
貴方って実はサイボーグだったりします?
「違うわ。つーか何げにひどいぞそれ」
……私が間違っているのか。いや、違います。あり得ないって訳ですよ。
……さっさと行きましょうサイボーグさん。
「だからサイボーグじゃねぇ!」
ドゴォン!
……壁に拳で穴を作りながら言っても説得力ゼロって訳ですよ……。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.17 )
- 日時: 2015/11/04 21:39
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
……何かいかにも研究所みたいな造りですね。
「……そうだな」
私と時雨さんは研究所に侵入し、今内部を探っているのだが……。
困りましたよ。中々首謀者が見つかりません。
「当たり前だな……」
時雨さんは言い終わると急に振り返り、足を止めました。
どうしたんでしょう……何かあったんでしょうかねぇ?
「平子」
「はい?」
返答すると同時に、私は時雨さんに突き飛ばされたって訳ですよ。
何するんですか! と言おうとした時だった。
私がさっきまで立っていた所に燃えている何かが飛んできた。それは……人型……消火装置火が消えたので見ると、あのローブを羽織っていた。
恐る恐る時雨さんの前を見ると、そこに立って居たのは……一人の女性。
超能力があるのか、髪の毛はセミロング辺りの長さで色はオレンジ。鋭い目付きをしていた。身長は女性としては高身長で、特殊警察の制服を着ています。
「……久しぶりです。桟橋先……いや火麗先輩」
……えっ?
先輩? なぜ? 時雨さんはこの人を知っているの?
「十橋時雨……貴様は!」
ただ、女性の態度を見ると仲は良くないようだ。
「火麗先輩……あの時はすいませんでした」
「言い訳など聞きたくない。とっとと拳を構えろ。なんなら正当防衛の理由を作ってやる」
すると女性はいきなり炎の玉を出現させた。でも警官相手なら正当防衛じゃない気がする。
「それは……ありがたいです」
時雨さんも鉄の棒を構えた。
正直、二人が何を言い争っているのか私には分からない。
だが、今分かるのは、桟橋さん。もしくは火麗と名乗った女性は強い能力を保持している。
「……燃えろ!」
時雨さんの元に火球が押し寄せる。対して時雨さんは鉄の棒を振り回し火球を散り散りにした。
「熱っ!」
しかし振り回した鉄の棒は温度が急激に上昇した様でぐにゃりと曲がってしまい、時雨さんは熱さに驚き手放してしまった。
「……鉄の棒の空気摩擦をいじりましたね」
時雨さんはどうやら彼女の能力を知っている様だった。でも……空気摩擦?
「お前の空気摩擦を私がいじる前に投降しろ。火傷するぞ」
彼女は再び火球を作り出した。
時雨さんは、
「……じゃ、本気で行きます」
と指をバキバキと鳴らしました。かっくいー。
そして、彼女から火球が放たれた。時雨さんはそれをずっと、ずっと顔を剃らさずに目視して、地面を蹴って壁に向かい数発避けました。ですが、炎の弾幕は終わっていません。そのまま壁に手を付いた時雨さんはそのまま壁に掌打を叩き込み爆発的な推力を生み出して更に回避しました。
しかし、時雨さんの体が炎を上げてた。冗談ではないですよ。
時雨さんはどんどん炎に包まれて行く。私はえ? と思う事しかできなかった。
炎に包まれた時雨さんの体はゆっくりと前傾していた。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.18 )
- 日時: 2015/11/05 22:24
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
私は何処かで思っていました。
時雨さんは負けないだろう。と。
ですが、彼は今、炎に包まれたままゆっくりと前傾しています。
……時雨さんが……負けた?
あり得ないと思いました。ですが……時雨さんは炎に包まれて倒れた……。
と思っていた次の瞬間でした。
燃えている時雨さんの体が、急に動きました。床を蹴って、直線上には……彼女がいます。
「チィッ! しぶとい奴だ!」
しかし彼女は体を捻ってかわした。やはり特殊警察だけあって運動能力もあるって訳ですよ。
時雨さんは、そのまま壁に突っ込んだ……と思いきや赤い何かを取ってから壁に突っ込む。
赤い何か、それから謎の白い煙が噴出される。
時雨さんを白い煙が包んでいき、その煙がはれた頃には、時雨さんにまとわりついていた火は無くなっていた。
時雨さんが手に持っていた物。それは……消火器だった。
「危ない危ない。燃え尽きるところだった」
と言っているが彼は腕などに少しの火傷を負っていました。服も黒焦げになってる部分がありますね。
「火麗先輩! すいません!」
と言いながら彼は持っていた消火器を彼女に投げつけました。
彼女は逃げようとしていた。だけど……時雨さんの投げたスピードがかなり速くて逃げられなかったって訳ですよ。
それを悟った彼女は火球を消火器にぶつけました。
そして次の瞬間、ちょっとした爆発が起きた。
「逃げるぞ。分が悪い」
私は爆発の反動で全く回りのことがわからなかったが時雨さんの声を聞き、黙ってついて行った。
……彼女とどんな関係なんですか?
そう時雨さんに質問してみました。
「……簡単に言ったら、俺が先輩の復讐の邪魔をした……彼女の名前は桟橋火麗。昔の事は今は話さない……でいいか?」
……別にいいですよ。人には一つや二つくらい隠し事があるものです。
「すまないな」
……………。
「……………」
私と時雨さんを、気まずい空気が包み込む。何か話し掛けづらいって訳ですよ。
ここは、いわゆる研究所の最深部。
その中で、一人の男がモニターを見ながら憤慨していた。
「クソッ! あのガキ共……そして特殊警察……許せん!」
その男がガン! と椅子を蹴る。転がって行った椅子は何個かの精密機器に衝突して止まる。
彼の容姿はある意味では異様だった。
ネズミ色の髪の毛はめちゃくちゃに伸びておりボサボサと不健康な感じを出している。
メガネに白衣の姿は研究員といった感じである。
「……やはり再開発品<リサイクル品>では所詮無能といった所か……」
そして男はブツブツと何かを呟き始めた。が、男は急にハッとなる。
モニターの、時雨と平子が既に、同じフロアに居た。しかもかなり近くにだ。
男はその部屋から出て別の部屋に行く。
行った先はいわゆる……監禁室。
この男の研究には、能力が無い黒い髪の者が必要だったのだ。
この男の能力は誘拐にはそこそこ適していたため、特殊警察に尻尾を捕まれる事は無かった。
そのため今でもまだ再開発<リサイクル>していない人が十人程度いた。彼ら彼女らはみな牢屋に監禁されている。
そして幸運な事に、男が拐ってきた中には人質として使える者もいた。
その名は風折雪歌。ある能力者の妹である。容姿は整っていて髪型は長いポニーテール。
男は雪歌の牢屋を開け中に入りの彼女のポニーテールを容赦なく引っ張った。
「来い!」
「キャッ! 痛い! 痛いです!」
男はその言葉を無視して監禁室を後にし、モニタールームに戻った。
そして床の扉を開けて雪歌に入るよう命令する。彼女には大人しく従う事しかできなかった。
彼女が入り、その扉の鍵を閉め、再びモニターを眺めようとした時だった。男はその必要が無いと悟った。
何故なら、ノックも無しにドアが蹴り開けられたからだ。
そして、登場したのは時雨……ではなく平子一人だった。
「おい平子」
はい?
急に時雨さんが話し掛けてきました。どうしたんでしょうか?
「悪いけど……この先は一人で行ってくれ」
どうしてですか。と問おうとした時だった。私と時雨さんを分けるように火柱が昇った。
「時雨! お前は逃がさん!」
「火麗先輩……もう止めましょうよ」
「黙れ! 気安く名前を呼ぶな!」
時雨さん……大丈夫ですか?
「俺は大丈夫。早く行け。そして首謀者見つけて無実を証明するんだ」
わかりました。頑張って来ます。
私の言葉を聞いた時雨さんは頷くと彼女に向き合いました。
私は、振り返らずに走りました。
少し走った辺りで、扉がありました。そこの扉は鍵が掛かっています。当然か……時雨さんならこうするんですかね。
と思いながら全力で扉を蹴った。
すると鍵が脆くなっていたのか扉がすんなりと開き、中には一人の男がいた。
白衣を羽織り、ネズミ色の不健康そうな髪をめちゃくちゃに伸ばし、眼鏡を掛けている。
貴方が、首謀者さんですか?
私の問いは、広くもなく狭くもない部屋の中に響いた。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.19 )
- 日時: 2015/11/07 15:42
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
「いかにも」
男はそう答えた。
男は眼鏡を外して白衣のポケットにしまう。そしてこう続けた。
「私の名は里見甲人。研究者だ」
里見は左手をポケットに突っ込み電子タバコを取り出し口に加えた。
「そうですか。……貴方の目的とは何でしょうか?」
「答える訳が無いだろう。と言いたいがどのみち君は消えるのだから教えよう。私の目的は能力の無い者、黒髪を再開発<リサイクル>する事だよ」
里見は電子タバコを一旦口から外して淡々と述べる。が、平子には理解できない一文があった。
「能力の無い人を……リサイクル?」
平子はその部分を繰り返す。
(リサイクル……能力……黒髪……)
頭の中で複数の単語がぐるぐると回る。
そして里見は衝撃的な事実を吐きだした。
「つまり、能の改造だ」
平子は、頭をハンマーで殴られた様な気分になった。
「脳を改造……まさか能力が無い人の脳をいじって……強制的に能力をつけ、た?」
平子はできればこの推測が当たって欲しく無いと願っていた。が、これが最もしっくりくるのもまた事実だった。
そして平子の推測は、どまん中で的中していた。
「その通り。私が行ったのは脳の書き換え。ま、改造した人間は感情を失い寿命も2年持つかどうかといったレベル。ま、所詮無能力の奴なんて文字通り無能だよ」
里見は明らかに能力の無い者を見下していた。しかし、それはある意味では当然の事かもしれない。
才能のある人間はどんどん登っていく。高い所まで。それは凡人では超が何個も付くような努力をしないとたどり着けない所まで。
スポーツでも、学問でも、才能というものがある。そして、超能力も例外では無い。
事実、日本の学生の中で能力の使える人は、5割に満たないのだ。
だから、超能力者が無能力の人を見下すのは仕方ない事かもしれない。
そんな事は平子にも分かっている。仕方ないとは分かってはいるのだ。ただ、里見の発言に対して平子は怒りの感情を覚えずにはいられなかったのだ。
親友である紡美と、先程まで一緒にいた時雨をバカにされた気分、いや、バカにされたのだから。
「……っかいしろ」
平子は小さな声で呟く。誰にも聞こえないような声で。
「ん? なんだい?」
「さっきの発言を……無能力の人が無能たって言った事を……撤回しろって言ってんですよぉ!」
平子は滅多に出さない様な怒声を吐き出した。
「……君は超能力者だろう。なぜあんな無能に同情しているんだ? 理解に苦しむ」
里見の視線は平子の雪の様な白い髪に向いている。黒以外の髪の色。それは超能力者の証でもある。
「だから撤回しろって言ってるんですよぉ! 理解に苦しむ? 貴方、いやお前に理解されるなんてこっちから願い下げですよぉ!」
平子は里見の事などどうでもいいとばかりに食いかかる。
「……やれやれ、子供は大人が大人しくしているとすぐつけ上がる」
「大人は子供が思い通りにならないとすぐに腹を立てますねぇ」
里見の言葉にいつに無く、早く鋭く切り返す平子。
里見も頭に血が上った様だった。
「いいだろう。そこまで言うからには死にたがっているんだろう。だからとっとと終わらせてやる」
電子タバコを白衣に入れ、左手をポケットから出した。
「お前もよっぽど制裁を受けたい様ですねぇ。いいですよぉ。ボコボコにしてやりますよぉ!」
戦いの火蓋が切って落とされた。
平子はずっと目を里見を見ていた。
そう、ずっとだ。
だか、里見は急に視界から消え去った。何処だとキョロキョロしながら探していると、背後から強い衝撃を感じた。
(はぁ?! どういうことですかぁ!)
なすすべ無く平子はそのまま壁に直撃……するはずだった。
壁に激突する直前、平子の前に里見が一瞬で現れた。そして平子に向かって右ストレートを放つ。
平子はそれをかわす事ができなかった。里見のパンチはそれほどまでに速かったのだ。
パンチは平子の右腹部にクリーンヒットした。そのまま平子はふっとんで行く。
壁に背中から叩き付けられた平子は空気を吐き出す。
しかし里見の攻撃は止まらない。またもや平子の目の前に出現し、今度は蹴りを平子の華奢な身体に叩き込んだ。
「ぐぅっ!」
平子はなすすべも無くろくに掃除がされていないであろう床を転がる。
だが、平子は立ち上がる。負けられないのだ。絶対にあの発言を撤回させるまでは、倒れる訳にはいかないのだ。
目の前に、また里見が現れた。
平子は必殺技を里見の顔面を狙って放つ。
そう、絶対に避ける事なんてできない距離。里見と平子の間は1mも開いていないのだから。
しかし、平子の手は空気を殴った。
「とっとと諦めれば良いものを」
背後から、またもや里見の声が聞こえる。後ろに振り向こうとした瞬間に足払いを受ける。
正直平子から見れば、里見の格闘は付け焼き刃だ。かわすこともできる。が、それができない理由がある。
それは速度だ。異常に速い。時雨まではいかないものの過程を知覚した時には既に結果になっている。足払いを受けたと思った頃には既に転んでいた。
「……まさか一回目で終わらないとは思わなかった」
何を言っているのか、床から見上げる平子には理解できなかった。
「おおっと。立つなよ」
グッ。と足が背中に乗せられる。
それは徐々に力を強めていくが……。
(あれぇ? さっきより全然力が無いですよぉ?)
「ずいぶんと強力な超能力をお持ちの様ですねぇ。宝の持ち腐れって訳ですよぉ」
するとまた踏みつける力が強くなる。流石に苦しくなってぐっ。と声を出してしまう。
「ついでだから冥土の土産に教えよう。この超能力は[音速で行動できる能力]、自分では音速一番<ガンショット>って呼んでいる」
(ガンショット……ねぇ。……待って下さいよぉ)
平子は少し血が上ったままの頭で冷静になりつつ考える。
(音速を出すなら何で今も出さないんでしょうかねぇ? 踏みつけるのも音速で行った方がいいでしょうにぃ。
……そもそも人間が常時音速で行動なんてしたらぁ……消費カロリーが尋常じゃないしぃ、筋肉に掛かる負担も大きすぎって訳ですよぉ。
それにガンショットって名前ぇ……ガン=銃でいいんですよねぇ。ショットはぁ……発砲でいいのかなぁ? じゃあ……銃を発砲って意味になるけどぉ……意味が分かんないですねぇ。
……そー言えばさっき言ってましたねぇ。『一回目で終わらないとは』ってぇ……何か引っ掛かるぅ。
そもそも銃の由来……でも銃なんて速いと火薬と弾と……弾?)
平子は里見の超能力が分かった気がした。最も予想の範囲だが。
(……もうこの作戦しか無いって訳ですよぉ)
そして、平子はまず。背中に乗せられている足を、両手で挟む様にして殴る。
一瞬、圧力が弱まった瞬間に平子はその拘束から脱出し、そのまま立ち上がる。
そして殴ろうと踏み込んだ瞬間でした。
再び、里見が音速を出して回避し、反撃に出た。
そして平子はこう言った。
「何ですかぁ? やっぱりお前は女の顔も殴れない様な奴なんですかねぇ?」
これは挑発、しかしこんな挑発に乗るとは私も考えてなどいない。
里見は黙って、平子を攻撃し続けた。
だが、平子は倒れなかった。
この際顔面を殴ってしまおうかと考えた里見だったが止めた。理由は簡単な話。平子の挑発に乗ればきっと自分が損をすると踏んでいたからだ。
だが、それは違った。
実は平子は、わざとあんな分かりやすい挑発をしたのだ。
確かに平子は顔を殴られれば平子の能力の対象となる。が、考えて見てほしい。
音速で顔面を殴られて気絶しないという確証等あるだろうか。
答えは否。
つまり平子は顔面を殴られない様に挑発したのだ。
が、里見はそんな事に気づくはずもない。
結局、里見は二回目の内に平子を倒す事ができなかった。
「ちっ。しぶといな」
「あらあら。まさか弾切れですかぁ?
肝心な時に使えない能力ですねぇ!」
この里見の能力は、一日に三回までしか使えない。だからガンショットと言う名前にしたのだ。限りある弾数の中で人を殺す銃の様にと思って。
だから、里見はその事を見抜かれて動揺した。そして、同時に挑発に乗ってしまった。
里見はとても能力に関してはプライドが高い。だからこそ、プライドを汚す発言をされて黙ってはいられなかった。
とは言うものの、三回目は非常用で逃走に使うもの。そもそも五分と言う短い時間を三回だけ音速で行動するこの能力は非常に能力が使いづらいのだ。
だから、里見は能力を使わなかった。ボコボコにした相手なら、能力などいらないと思って。
そして里見は拳を放つ。
そして、グシャ! と音を立てて拳が顔面に突き刺さった。
里見の顔面に、だ。
気がつけば、里見はカウンターで殴られていた。
そして、平子は今、肌に触れた。
パーン! と合掌する。里見には意味が分からないが、体から力が抜ける感覚に陥った。
そして、平子の唇の端が少し釣り上がった。
はいどうも波坂です。
書いているうちに長くなったのでここで切りました。
そして彩都さんのアイデア、使わせていただきました。ですが作品ではかなりの自己解釈が含まれております。そこはお見逃し頂けると助かります。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.20 )
- 日時: 2015/11/08 15:35
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
平子はその狂気的な笑みを浮かべながら里見に一歩一歩近づく。
その足はかなり遅い。が、里見は金縛りを受けた様に動けなかった。狂気的な笑みから顔を背ける事もできなかった。
ただ、里見には、平子の表情は悪魔の笑みに見えていた。
「……止めろ」
一歩、また一歩と平子が近付く。
「……来るな」
ただ声を出すことしか、里見にはできない。が、その声を平子が聞き入れるはずもなかった。
そして、平子が腕を引いた時、里見は能力を使おうとする。
しかし、能力は使えなかった。何故なら平子の能力、[相手と自分を平等にする能力]が発動しているからだ。
だが、里見は平子の能力どころか能力が使われた事さえ知らない。
バキィ!
再び、拳が里見の顔面に突き刺さる。
さっきの速度を重視した様な攻撃ではなくしっかりと力を込めた拳は強く衝撃を与えた。
里見は少しフラつきこけそうになる。
その隙を平子は見逃さない。
顎にアッパーを入れ、顔が上を向いた瞬間に股間を蹴りあげる。
里見は悶絶する暇もなく、無様に床に倒れる。
「どうですかぁ? 無能力になった気分はぁ? 無能さぁん?」
なんだと、と発声しようとした里見の声は平子の声にかきけされた。
「私の能力でお前を無能力に引きずり落としてやったんですよぉ!」
その言葉に、里見は呆然とする。
里見は、珍しくもない人種である。 能力を理由に無能力を見下している様な人間。今やこんな人間は珍しくもない。
能力の無い人間で、期待を持たれる者など現に一割程しかいないのだ。
だから、見下す事により自分の価値を勝手に決め、蔑む事により自分はこんなのと違うと格差を付ける。
そんな事をしていた人間に、いきなり無能力に引きずり落とした。と言えばどうなるだろうか。
自分は見下していた人間になった。
自分は蔑まれ、格差の違いを思い知らされる人間になった。
「うあああああああ!」
そんなこと、耐えられるはずもない。
「うるさいんですよぉ!」
平子は躊躇いもなく里見の頭を踏みつける。
「お前は見下し過ぎたんですよぉ! 黒髪の人だってぇ! 無能力の人だってぇ! 必死に生きてぇ! 誇れる自分になろうと努力してるんだぁ!」
「そんなの綺麗事だろうが! 無能はどうやっても無能だ! 0に何をかけようが0にしかならない!」
里見は怒りをあらわにして叫ぶ。
だが平子は止まらない。
「0に何をかけても0ぉ? だったら足せばいいだけでしょうがぁ! 綺麗事ですかぁ?! でも私は綺麗事すら語れない様な人間にはなりたくないってぇ!」
平子は里見の頭から足をあげ、
「訳!」
その頭を鷲掴みにし、
「です!」
その頭をモニターに、
「よぉ!」
思いきり力を込めて叩き付けた。
バギィィィン!
モニターがひび割れ、少し里見の顔が埋まり、里見は気絶した。
緊張から解放された平子ははぁはぁと息を吸う。そもそもこんな事は人生で初めてだったのだ。乾電池爆発事件の時は確かに死にかけたりしたし怪我もしたが、相手の能力の使い方もなってなかった。(電線を爆発させたらきっと大事件だ)
平子が安堵していた時、先程蹴り破ったドアから一人の人間が出てきた。
それは……服が6割以上燃えてなくなっている時雨だった。
「大丈夫かー。……本当に大丈夫か?」
平子を見て急に真剣に問う時雨。心配しているのだが、時雨だってそこそこ火傷を負っている。
「時雨さぁん……ちょっと頼み事が……」
「どうした?」
「……ちょっと眠たいから仮眠とっていいですか」
「……ま、いいだろ」
「じゃあ……手出ししないでくださいよ」
「しねぇよ!」
平子は仮眠……と言って完全に寝た。
- Re: 超能力者と絶対に殴り合う能力 ( No.21 )
- 日時: 2015/11/08 23:28
- 名前: 波坂 (ID: DJvXcT4Z)
第一章雨と音速と絶対的平等エピローグ
この雨のしとしとと降る梅雨に起こった事件は少しの間で幕を閉じました。
えー。いろいろありましたけど要点をかいつまんで説明しましょうか。
まず、あの事件は黒髪の誘拐事件と絡んでいて、実際に誘拐された人が一人を除いて見つかっているそうです。
ですが、アイツ……里見甲人は見つかっていません……現在進行形で捜索が続いています。
あ、紡美ちゃんは見つかりました。紡美ちゃん曰く『気がついたら牢屋にいた』そうです。音速で誘拐されたんでしょう。
そして、私と時雨さんについてですが(ほぼ時雨さんですが)特殊警察としては最初から誤認逮捕の件に対しては無かった事の様に取り扱っています。
お陰で私と時雨さんについては一切の報道もなく、ついでに色々な弁償とかも(鉄格子、アスファルト、スクラップにされたパトカー、置き引きした自転車)無くなりました。自転車ェ……。
逮捕されたのは、脳を改造されたあの三人(私に倒された[磁力を操る能力]の人、時雨さんがボコった時雨さん曰く[水を操る能力]の人、あと恐らく桟橋火麗さんに焼かれた人(能力については知らん)の三人)だけで、他は改造を受けてはいないらしい。ただ、三人とも寿命も短く感情を失っているため扱いには色々な意見がある様です。
と、まぁ事件についてはこれくらいですかね。
さあ事件が終わった所でこの季節がやって来ました。
要約、夏休みです。
で、私が今何をしているのか、と言うと。
「平さん、ここの地名間違ってます。あとヒマラヤ山脈のロッキー山脈が反対になってますよ。これ中学レベル……」
ああ〜! もうどうでもいいよ〜。地名なんて知った事かー!
「どうでもいいじゃ無いですよ! ほら頑張って下さい!」
緋奈子ちゃんと紡美ちゃんとで夏休みの宿題に取り組んでいた。
「あははー。やっぱり地理は苦手なんだねー」
とか言ってる紡美ちゃんは全教科で中の上もしくは上の下辺りの点数を取っている。
ふっふっふ。私なんて理科と数学なら順位は一桁だぞー! ……国語と歴史はいいけど英語がなぁ……地理? なにそれ美味しいんですか?
↑的な訳で私は紡美ちゃんの少し下辺りの順位です。
「英語も……何でbreakの意味にブレークって書いてるんですか! そのままじゃないですか!」
いいよ。あってるんだし。
それよりそこの方程式違ってるよ。
「そんなはず……あっ!」
緋奈子ちゃんは急いで計算式を解き直す。
え〜っと……ロッキーとヒマラヤが反対だっけ?
私も頑張って苦手な地理に取り組んだ。
あとがき+説明等
時雨「あー。ここでは小説内の事について説明していくからな」
平子「気になった事があったら後で質問して下さいね」
時雨「では行くが……これはまず、平子の友人の……」
平子「紡美ちゃんです」
時雨「あー。その人が誘拐される所から始まる。その後で平子が謎の地面から出てきた奴等から襲われる……んだったな」
平子「考えてみればあのとき私が狙われたのって偶然以外の何でも無いって訳ですよ」
時雨「ちなみに俺が現れたのも偶然だ。都合が良すぎるが目をつむってくれ」
平子「で、私達しかあの場に居なかったから誤認逮捕されましたね」
時雨「俺達は悪くない」
平子「そのあと時雨さんが脱獄して……」
時雨「小説内では薄い描写だったが、あれは、平子が地面から出てきた奴等に襲われる所であいつらは地面から穴を掘って出てきたんだ」
平子「あー。時雨さんはあの時の穴の中に入ったんですか」
時雨「平子は俺が手を引いて走っていたら気絶してたけどな」
平子(あんなの耐えられるか)
時雨「で、中に入って色々敵と遭遇した訳だが」
平子「そう言えばあのオレンジ色のセミロングの髪の人は」
時雨「桟橋火麗先輩な。その人については後程話すつもりだ」
平子「それまで失踪しないといいですね」
時雨「それで俺達は内部に到達したが……」
平子「えーっと。誰ですか? この……風折雪花……さん?」
時雨「そいつに至ってはネタバレになるが……今から出てくる……はずの「○○○○○○を○○○る能力を使う○○○○って奴の妹だ」
平子「伏せ字ばっかで文章になってない……」
時雨「まぁ後は特に説明することはないな」
平子「あ、能力の募集ですが1を締め切る事になりました。……自分で捻り出しましたよ……」
時雨「まあこうなると思って考えてたから良かったな」
平子「そして能力の募集に応じてくれた彩都さんありがとうございました。あの能力なかなか手強かったですよ」
時雨「一応まだ捕まってないし今後もでるかもしれないな」
平子「これから能力の募集は以下の様に変えます。
1.主人公と相性最悪の能力。
2.使い方次第で強さが変わる能力。(具体的には[距離を縮める能力]など)
3.チート。この小説のパワーバランスぶっ壊す程でも可。
4.その他。
時雨「ちなみに彩都さんの提供してくれた能力は2だ」
平子「私にとっては1なんて作者の嫌がらせにしか思えないって訳ですよ」
時雨「仕方ないだろ。お前の場合触れたらほぼ勝ちなんだから」
平子「ま、それはおいといて……次の更新は……金曜日になるかな?」
時雨「しかも金曜日に更新する確証もない。もしかしたらそれ以上かかるかもしれないな」
平子「と、言う訳ですから次回予告と言った感じでセリフをかいつまんでみます。あ、必ずこうなるとはわかりませんよ?
ネタバレがアレな人は見ない事をお勧め。
「あのガキを殺せ!さもなくば……」
「オマエを殺す事なんて、オレからすれば蟻を潰すことと同義だ」
「貴方は可哀想な人って訳ですよ……」
「貴方はそれでいいんですか!」
「兄さん!」
次回! 第二章季節外れの暴風と絶対的平等お楽しみに!