複雑・ファジー小説

付喪神と守護する者 ( No.4 )
日時: 2015/11/12 19:39
名前: 希都 (ID: mNBn7X7Y)

朝、目を覚ましたら自分の体に違和感があるのに気づいた。

「なんだこれ。」

ふとさっき見た夢を思い出す。
まぁ所詮は夢だ。契約とかわけわからんもの本当になるわけがない。
最近疲れてたんだな。
そう自分に言い聞かせ学校に行こうとした時だった。

『クスクス。ゆめなんかじゃないよ?』

自分の体の中から声が聞こえる。

「夢じゃない?」

変な感じだ。自分が自分じゃないみたいな。
でも、あれが夢じゃないんだったら、

『もう湊は妖を倒す力を持っているよ?』

妖を倒すことができる。

俺はすぐに服に着替え、外に飛び出した。
妖を見て怯えなくなったし、妖も近づいてこなくなった。

「すげぇよ、これ。」

そう俺が呟くと巴月は言った。

『妖を倒してみたくない?』

その言葉に俺はひどく惹かれ気づけば

「倒してみてぇ。」

そう口を動かしていた。

『なら、思うままに、感じるままに呪文を言ってみて。』

無茶難題を言ってくるな。そう思ったがなぜか頭の中にスラスラと文字が流れてくる。

「我の中に入りし妖よ、契約のもとにて我に従いて我の力と化せ。」

まぶしい光が俺を包む。
包んだかと思ったら光は俺の右手に集まった。

『掴んでみて。』

言われるままにその光を掴むと風が吹き、手には大剣が握られている。