複雑・ファジー小説

Re: 付喪神と守護する者 ( No.7 )
日時: 2015/11/17 20:36
名前: 希都 (ID: yLYdLExj)


「大、剣。」

自分の手に握られている大剣に驚きを隠せずに目を見開く。

『これは私と湊の力の形。』

「巴月と俺の、力の形…。」

手に感じる重みは嘘じゃない。

『あ、そうだ。湊がそれを出しているときは普通の人からは湊のことが見えなくなってるから、いつでも妖を倒せるよ?』

「いつでも。」

『そう、今も。』

巴月がそう呟いたときにふと見えた黒い影。

『ほら、試してみたら?』

よく見ると黒い影は犬の形をしていて牙は鋭くいかにも妖らしい姿をしていた。

…恐怖心はない。

ガウッ

とびかかってくる犬に大剣を思いっきり振る。

「おらぁぁぁぁぁぁっ!」

振った大剣は犬を真っ二つに切り裂いた。

血が頬に飛んでくる。

『楽しいでしょ?湊。』

「……あぁ。すごくな。」

途端に集まりだした妖を手当たり次第に真っ二つに切っていく。



そんな時だった。

「付喪神のにおいと妖の血の匂いがすると思ったら、」

「なーんか暴れてる奴がいるねぇ。」

「「ちょっと迷惑かな。」」

リンッ

鈴の音と二人の少女の声が聞こえたのは。