複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.107 )
- 日時: 2016/01/15 20:11
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
俺は、その後病院へ行き警視総監の元へ向かった。
そして、そこには、葛城 充一に関しての資料が置かれていた。ちなみに、警視総監の病室は一人部屋だ。
俺は能力を使い真実を見たが、全部本物だった。俺の能力に狂いは無い。
では、俺の目に狂いが生じたと言う事か……。
刑事の勘とやらも当たらないモノだな。
と言うのも、俺は今回の暗殺部隊再構成の前の職業は刑事だった。犯人を能力で見極める俺には、刑事と言う仕事は天職だった。あ、言っておくが俺自身は刑事をしていない。別のクローンの俺が大活躍していたのを、受け継いだ記憶で確認していた。そんな彼の表情は輝いていた。同じ存在のはずの俺と違って……。そして、同じ存在だった照山に好意を抱いていた別の俺にその表情は似ていた。
自我か……。今だから思うが、我々クローンにも個性と言うモノがあったのではないかと考える。
勿論、私も個性と言う自己同一性、即ちアイデンティティが存在しているのではないかと疑問に思っている。
まあ、答え等は無い。何故なら、どう考えてもクローンはクローン。存在が明らかになれば、未確認生命体の様に化け物扱いされてしまう。
……ふと、花霞 叶多と言う女子の事を思い出した。
彼女は、肉体が花霞 叶多でありながら、精神が全くの別人と言う、科学では証明不可のオカルトだ。だから、我々で保護しようと考えていた。
彼女はどうだったのだろうか。
絶対に個性を隠さずに生きるのは不可能だ。クローンはともかく、普通の人間ならば……。
……彼女だって、オカルトで不完全で未解明で不気味な存在だが、個性や自己同一性が絶対にあったはずだ。
我々は、それを奪い、普通の人間が手に入れられる自由を強制的に縛ろうとしていたのか……?
私は、暗殺部隊のやり方に少しばかりの疑問が浮かんだ。
そして、私は考える。違法サイボーグやアンドロイド、未確認生命体の個性、自己同一性を……。