複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.128 )
日時: 2016/01/23 17:53
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

クロエは話す。

「でも、両親とかが、暴力団関係者とかの人ならむしろ嬉しいかもしれないのかも!?」

扠武澤は話す。

「いや、親は子に自分の組とかの後を継いで欲しいはずだ。だから、結果的には悲しむはずだし、反対すると思う」

クロエは納得したように話す。

「ああ!そうだね!」

小木が叫ぶ。

「……お前ら、俺の事なめてんだろ?こんにゃろ!死ね!」

小木が驚くべきスピードで拳を扠武澤に振るう。


拳は扠武澤に当たる。

扠武澤は話す。

「やっと、俺のパンチが届く距離に顔が出てくれたな!」

扠武澤は右手で小木の頭を掴み、左手で思いっきり小木の顔面を殴る。


小木は倒れる。

扠武澤は、口から血反吐を出しながら話す。

「おい……矢城の居場所を教えろ。……グフッ!」

クロエは扠武澤を抱えこの場から去ろうとする。

扠武澤は話す。

「何をしている……。折角、情報を聞き出そうとしたのに……」

クロエは話す。

「恐らく、今の騒ぎで警察が動いているはず。警察の厄介になるのは、私は嫌だし、矢城の場所ならさっき姫哭が見つけたよ!」

クロエ達は警察に見つからないように、ホテルの廊下の突き当たりにある非常階段で逃げようとする。

廊下に小木が立っている。

クロエは話す。

「まさか、またボールを……?」

小木は野球ボールを持つ。



小木はある記憶を思い出していた……。

記憶。

「小木!お前、また超能力使ったろ!少年野球でも超能力はルールで禁止されているんだ!何度言ったら分かるんだよ!!」

別の記憶。

「卑怯者が!……ふざけるな!どうして、こんなにも努力した俺達よりも、お前みたいなインチキ野郎に負けるんだ……!野球なんか辞めてやる……」

また別の記憶。

「お前の母親。超能力を使って罪を犯したんだろ?やっぱり、血かな!親もクズなら子もクズだ!あーはっはっはっは!」


俺だって努力しているんだ。俺だってこんな能力欲しくなかった。俺だって……俺だって……。






「修一郎。母さん、あなたを守る事が出来なくなっちゃった。今ね貴方を育ててくれるおばあちゃんには連絡しているんだけど電話に出てくれない……。

修一郎。ごめんね……ごめんね……貴方はこれから誰かに何を言われようが私は貴方がいっぱい努力していた事を、そして貴方の苦悩も知っているから……。困った事があったらいつでも……」


「うるせえ……。犯罪者に頼る息子がいるかってーの……」


母さんはその後、刑務所に入獄した。俺は母さんと話をしていない。









母さん。どうやら俺は能力に縛られていたみたいだな……。

母さん。ごめんよ……。ごめんよ……。母さんを守ってあげられなくて。


小木はクロエ達に向けてボールを投げる。

クロエ達とはまったく別の方向へ向かったそのボールは超能力を使っていない為か、とても歪である。しかし、彼が投げたどのボールよりも生き生きしていた。