複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.133 )
- 日時: 2016/01/25 16:52
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
扠武澤はクロエに話す。
「姫哭の復讐って何だ。教えてくれ」
クロエは語る。
「……特別に話すね。何か、隠しても流努が騒いできそうだし。簡単に言うと、姫哭は、両親を事故で死んだと思っていたらしいけど実は警察と犯罪組織によって殺されていたの。そして、姫哭は両親を殺した警官達と犯罪組織に復讐を誓い、真実を追っている。まあ、犯罪組織の方は姫哭は分かったらしいけど」
扠武澤は話す。
「成程。矢城は元暗殺部隊。警察には関係していた人物だからな。それに、矢城は警察が関係している病院に勤めていたはずだしな。何か裏を知っている可能性はある」
クロエは話す。
「……流努ってさ。陸田組にどれくらい関わっているのかな?」
一方、姫哭は……。
矢城は姫哭のわき腹を狙い斬りかかろうとする。
姫哭はそれを片方の刀で受け止め、もう片方の刀で矢城の首を狙い斬ろうとする。
矢城は姫哭に向かって刃を滑らしながら近づく。姫哭は刀を持ちかえ矢城の方向に剣の向きを変えて刺そうとする。
矢城は姫哭の刀を持ちかえた片腕を殴る。姫哭は同時に矢城の腹を蹴り飛ばす。
矢城は飛ばされ倒れる。姫哭は片腕を抱える。
矢城は持っている刀を姫哭に向けて呟く。
「良い蹴りだ。迷いが無い。しかし、言っておくが警察を恨んでいるのは、君だけじゃない。私も警察を恨んでいる。だから、辞めたんだよ、暗殺部隊を」
姫哭は話す。
「.....そうか。だが、私はお前を殺すのを躊躇うつもりは無い」
矢城は呟く。
「……そう、それで良い。殺したいなら殺せ。私は十分、姫哭さんとの戦闘を楽しんだよ」
姫哭は沈黙する。
矢城は話す。
「昔の話をしよう。まだ、この貧民層街の秩序が無かった時くらいの時だ。私は、暗殺部隊にスカウトされた。この能力を買われたんだ。私は嬉しかったよ。親とか友人とか呼べる者もおらず、一人でこの世界を漂っていたからね。しかし、今思うとね。警察に利用されていたんだよ。私は……。それでも、居場所を求めた者達は暗殺部隊を辞める事は無かった。そして、私はその一人だった。
しかしね。警察は政府や犯罪組織、他の同盟国に我々を利用しようとしたんだ。つまり、超能力者のレンタルだよ。私達は物では無い。商品では無いんだよ」
姫哭は話す。
「だから、暗殺部隊を辞めたのか.....」
矢城は話す。
「そうだ。さあ、私を殺すんだ。そして君の偉大なる復讐の礎に私はなるのだよ」
姫哭は刀を矢城の首に当てる。
その時、クロエと一緒にいた扠武澤が姫哭に叫ぶ。
「姫哭!やっぱり殺す気だったな」
姫哭は扠武澤に刀を向けて話す。
「あんたには関係ない。黙っていろ」
扠武澤は話す。
「姫哭。今、矢城を殺したら、お前の両親を殺した警官達と一緒だぞ」
姫哭は話す。
「扠武澤、何でその事を知ってんだよ.....まさか、クロエが」
扠武澤は叫ぶ。
「復讐についてはクロエから聞いただけで真実かどうか分かんねーだから何も言えないけどよ。俺が今、現在、言える事は、犯罪者になんか成り下がんじゃねーよ!死んだ両親が浮かばれないぞ!」
姫哭は叫ぶ。
「あんたに.....あんたに何が分かるんだよ!この辛み、痛み、憎しみ、悲しみを!」
矢城は叫ぶ。
「邪魔をするな。扠武澤君……。姫哭さん、ここから逃げた方が良い。私は今から影の存在を元に戻します。恐らく、私は糸状の影に体を突き刺され死にます。そして、貴方の邪魔になっている扠武澤君も。さあ、早く!早く、姫哭さん、僕を殺したまえ」
クロエが喋る。
「守備の霧」
クロエから霧が発生する。
姫哭は矢城を斬る。
矢城は呟く。
「……峰打ちだ……と」
糸状の影が途端に現れるが、クロエが発生している霧が起こっている所には影が入って来ない。
姫哭は黙って、倒れて気絶した扠武澤と峰打ちをされた矢城を運びクロエと共に何処かへ連れて行く。