複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.141 )
日時: 2016/01/28 18:39
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

奏雲は歌う。


「籠の中の鳥達は、飛ぶ事すら許されぬ。

籠の中の鳥達は、願う事すら許されぬ。

重い鎖を解き放ち、支配から、逃れよう。

籠の中の鳥達は、名乗る事すら許されぬ。

籠の中の鳥達は、生きる事すら許されぬ。

涙を浮かべても、待っているのは死のみ。

例え、飛ぶ事が自由では無くても。

いつか、幸せと呼べる日まで。

籠の外の鳥達は、幸せとは限られぬ。

籠の外の鳥達でも、死は免れぬ」




ドアは開かれる。

奏雲の目の前には、津田が立っていた。

「どうも、やっと初めてお会いしましたね。津田です。それでは、行きましょうか」

奏雲達は外に出て、少し遠くへ移動する。




ブライアンは話す。

「え〜と、今いるのは、大神さんと、星空と、奏雲さんと、ダイラタンシーと、津田さんと俺か?」

大神は話す。

「遂に、外に出られた。……さて、早速私は……」

突如、声が聞こえる。

「脱獄者はこいつ等か。全く、花霞の様子を見ていたかったが、しょうがない」

奏雲は話す。

「目の前に誰かいる……」


星空は呟く。

「……僕の搭載されているプログラムから検知。彼は元暗殺部隊、武藤 定信……」

武藤は話す。

「元じゃない。私は暗殺部隊に復帰した。後、警視総監に提案するんだが、暗殺部隊より、アンノウンと言う組織の名前の方が良いと思う。君達はどう思っている?」

ダイラタンシーは話す。

「敵の我々にその様な質問を投げかけるとは……なめられたモノですね」

大神は津田を連れて話す。

「……こんな所で、足止めを喰らっている場合じゃないんだ。武藤は君達に任せよう」

大神は津田を連れて逃走する。

ブライアンは叫ぶ。

「お、おい。何言っているんだよ!」

武藤は話す。

「大神と津田等、どうでも良い。俺は、人間がアンドロイドを造られたと言う、タブーを犯した奴らの象徴、H−3と、奇跡を起こせる能力を持つ女医、奏雲 梨琉を確実に捕まえる。他の奴らである、其処ら辺のアンドロイドと……雑魚キャラはどうでも良い。逃げたければ、逃げろ。腰ぬけ共」

ブライアンは話す。

「逃げると言われて、逃げる馬鹿はいないな。……人間一人で、この人数に勝てると思うな」

ブライアンは武藤の方へ走る。同時に、星空がレーザーを武藤の方へ向ける。ダイラタンシーは、奏雲を守る為に、壁みたいに物質を変化させる。

奏雲は、能力を使い過ぎて、疲れてしまっている。

武藤は、レーザーをかわし、ブライアンの機械むき出しの胴体へ素早く、蹴りを入れる。

ダイラタンシーは呟く。

「……かなり素早いですね。アンドロイドの、攻撃を予測すると言うシステムすら認識出来ない程の速さ。これは、強化人間でも不可の領域のはずでは」

武藤は話す。

「この程度か。やはり、住む地域、環境が違うと、アンドロイドの戦闘能力に差が出ている。……実に、人間らしい設計にされているな」

星空は話す。

「お前……。よくも、僕の友達を……!」

星空はミサイルを武藤に向ける。

武藤は話す。

「人間に、ミサイルを向けるとは。俺じゃ無かったら、死んでいたな」

星空は叫ぶ。

「……同じ暗殺部隊のメンバーでも、貴方は黒獅子さんとは違う。……う、うああああああ!!!!!」

無数のミサイルが、武藤を襲う。

武藤は、ミサイルを避ける。

星空は、休む事無く、武藤に無数のミサイルを発射する。

そして、ミサイルは武藤を何回も直撃する。

星空は話す。

「僕は……人を殺してしまった。彼女と、どの面下げて会いに行けばいいのだろうか。こんな犯罪者のアンドロイドに……」






血まみれの武藤が立ち上がり話す。

「アンドロイドに、殺人罪は適応されない。まず、私は死んでいない」

奏雲は呟く。

「どうして、あれだけの攻撃を受けて……」

ダイラタンシーは話す。

「執念……としか言いようが有りませんね。今のところは……」

星空は構えながら話す。

「武藤……貴方には申し訳ありませんが、この場は貴方には気絶させていただきます」

武藤は話す。

「私を殺さないのか。なら、私も君を破壊するのは止めよう。互いの肉体のみで戦おうじゃないか」

奏雲は呟く。

「状況は、星空さんの方が有利なのに、武藤の方が、血まみれなのに堂々としている……」

ダイラタンシーは話す。

「おかしい……人間の強度じゃ、武藤は確実に木端微塵のはずですがね……」