複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.148 )
日時: 2016/04/01 07:13
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

静かな喫茶店でニュースが流れる。


「速報です。違法サイボーグの部品の提供者が逮捕されました。容疑者等の詳しい情報は、警察からの発表は今のところ無い為、まだ把握出来ていません。詳しい情報が入り次第、お伝えします。さて、続いては、穴を高速で掘れる超能力を持つ大学生を筆頭に活動しているサークルについて密着取材しました」

陸田はテレビを見つめる。

客が話す。

「遂に、逮捕されたのね。それで、陸田。返事はどう?土田は、喜んでいた。白咲は、大神さんを裏切るのかって言っていたけどね」

陸田は話す。

「……お前に返事は出さん。返事を出すなら教祖様に直接、お願いする。五十嵐」

五十嵐と呼ばれた女性は話す。

「今は、屋島 咲良(やしま さら)。……あの子は元気?」

陸田は話す。

「まだ、母親面しているのか。その嘘臭い演技は止めろ。本当はあいつの事なんて何も思っていないんだろ?だから、あいつを捨てた。五十嵐 光成の事を」

屋島は話す。

「全ては、教祖様の為よ。金と実力さえあれば、あの、カルト教団の幹部にのし上がって信者から金を根こそぎ奪って、私の生活は前と違って豊かになれるのよ。後、七里 嘉についてはどうするの?」

屋島は呟く。

「勿論、彼女は教祖様に与えるさ。あんな素晴らしい能力を教祖様に見せたら俺は大出世だよ」

屋島は叫ぶ。

「……そうね。だけど、貴方が大神を裏切るとは驚きね」

陸田は話す。

「俺とあいつは、幼馴染だ。だが、あいつは高校の時に変わったんだ。あいつが、俺を高校の時に裏切ったんだよ。まあ、何があったなんて、知った事じゃないんだけどな」


五十嵐と七里の声が聞こえてくる。

屋島は話す。

「それじゃ、返事まってるね。あの宗教を乗っ取ると言う計画を……」

陸田は話す。

「……君の選択に、神の御加護があらんことを」

屋島は聞く。

「え?何か言った?もしかして、一緒に協力を……!」

喫茶店に入った五十嵐は話す。

「……母さん?」

屋島は驚き、全力で逃げる。

七里はきょとんと、その場を見つめている。

五十嵐は後を追いかけようとするが、足を滑らせ転び、気を失う。

陸田は呟く。

「運、悪いな。お前」



その日の夜、七里は一人で外に出た。

七里は呟く。

「……今、この日、この時、凄く楽しい。でも、五十嵐だって、一之瀬だって、見境だって、大人になる。そして、いつかは死んでしまう。ずっとずっと、一緒にいられなくなる。……この世界は残酷だよ」



一人のフードの者が七里に話しかける。

「ここは、自殺スポット。お前、死にたいのか?」

七里は話す。

「……こんな所で死ねたらどれだけ楽だったか」

フードの者は話す。

「……お前の願い事を1つだけ叶えてやる。報酬は、その自分自身の魂だ」

七里は話す。

「貴方は何者なの?」

フードの者は話す。

「俺は悪魔。人の魂を食らう事で生きている。さあ、願いを答えよ」


一方、喫茶店では。

陸田は呟く。

「五十嵐よ。……お前は良い奴だったよ。七里の心も開いてくれたし。……母親と言う人物を起きたら教えてやるよ。しかし、辛いだろうな。親が、学生時代に、イジメをして、そしていじめられっ子を、ナイフで右目を刺し、行方不明にさせたなんてな……。今、思うと俺達にも出来た事はいっぱいあったんだろうな」