複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.149 )
日時: 2016/01/30 18:46
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

七里は話す。

「……私を殺して」

悪魔は話す。

「……ああ、願いを叶えたらな」

七里は話す。

「私の能力は、不老不死。もう、永遠と思える程、生きて来た。……だから、私を今すぐ殺して」

悪魔は話す。

「不老不死。……見た感じだと、恐らく、成長の途中で超能力に目覚めたのか」

七里は話す。

「何を言ってるの?早く、私を殺してよ!」

悪魔は喋る。

「おい、そんな勢いで決めて良いのかよ。家族とか友達とかどうすんだよ。いるのか分からないけど」

七里は話す。

「いるよ。家族同然の友達。……でも、一緒にいると辛い。彼はいずれ死ぬ。でも、私は死ねない」

悪魔は呟く。

「成程ね。そして、不老不死の少女は、孤独を求めると……」

七里は話す。

「でも、私は忘れたい。忘れなきゃ、死にたくなる気持ちが消えちゃうから」

悪魔は話す。

「あ〜分かった。願いは極力叶えてあげたい主義だからな。だがその前に1つ聞きたい事がある」

七里は話す。

「……何?」

悪魔は喋る。

「ある日、君の目の前の景色は戦場と化した。それは途轍もなく恐ろしい光景だった。何故なら、得体の知れない者達、つまり、我々の様な者が、この世界の全てを無くしたから。街も、建物も、山も、海も、夢も、希望も、絶望も、混沌も、秩序も、支配も、征服も、何もかも。そんな光景について、見覚えは?不老不死なら分かるかと」

七里は答える。

「……分からない。例え、覚えていても、私の記憶はただの人間と同じ能力。ずっと、数十年以上の前を覚えていない。……でも、そんな事ならトラウマになってそうだけど」

悪魔は話す。

「そうか。まあ良い。……それじゃ」

悪魔は七里の魂を取り出す。

七里は倒れる。

悪魔は話す。

「不老不死の魂なんて、食った事無いぞ……。もしかしたら、俺これ食ったら、俺が不老不死か!?おお!凄いな」

突如、魂が消滅する。そして、七里の心臓が再び動く。

悪魔は驚きながら呟く。

「……マジで、不老不死なのかよ。こんなの聞いてないよ」

七里は起き上がり、話す。

「悪魔に頼んで出来ないなんて……私の能力って……いや、これはもう呪いね」

七里は逃げだす。

悪魔は追いかけながら話す。

「おい!待ってくれよ!」



悪魔は七里を追い続けた。

悪魔は呟く。

「まずい。俺は願いを数日以内に叶えないと死んでしまう。不老不死少女の願いを叶えないと俺の魂が他の悪魔に喰われる。……オベルムントに頼むか」



悪魔は結界に入り、オベルムントを呼ぶ。

オベルムントは脚のジェットで高速で悪魔の元へ来て話す。

「ゼロさん!?今まで何処に行ってきたんですか?心配したんですよ!」

オベルムントは満面の笑みでゼロと言う名の悪魔に向ける。

ゼロは、遠くで凹んだ大地を見て話す。

「王様が、また暇つぶしにモンスター退治かよ」

オベルムントは続けて話す。

「今、王様は結界を破ろうとしたモンスターを倒そうとして、宇宙空間を漂っています」

ゼロは話す。

「おい、この世界と人間の世界の時空は違うからな。なるべく、手短に頼みたいが、人間の世界にいる七里 嘉の現在の居場所を教えてくれ」

オベルムントは話す。

「……もしかしてストーカーを?」

ゼロは呟く。

「その為に、王に脱走した事を何言われるか分からない此処へ戻って来る訳無いだろ。俺の命が掛かっている。あの娘が、俺の運命を握っているんだ」