複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.150 )
- 日時: 2016/02/01 18:22
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
七里の目の前に、悪魔が再び現れる。
悪魔は話す。
「不老不死少女よ。随分探したぞ」
七里は話す。
「……私を殺してくれるの?」
悪魔は笑いながら話す。
「七里 嘉。お前の願いを叶えられない。……この俺の力でも、君の不老不死の能力を無視する事は出来なかった。しかし、君の願いに応える事は出来る。つまり、君をこれから、消す」
オベルムントが七里の目の前に現れて言う。
「……ゼロさん。これで良いんですか?」
悪魔は話す。
「おい、早く消さないと、王にバレるぞ。例え、高速で移動しても。まあ、王は現在、お人形さんの説得をしているから、しばらくは問題は無いと思うけど」
七里は戸惑いながら話す。
「……何をするの?」
悪魔は話す。
「君をこの世から消す。永遠に」
オベルムントは七里を光のロープで縛り付ける。
七里は苦しそうに話す。
「……痛い!」
悪魔は呟く。
「さて、君の身体は、徐々に消える。苦しいが、耐えるんだ。そうすれば、君はこの世界から、この時間から、この運命から抜け出す事が出来るのだからな」
七里は涙を浮かべる。
彼女の世界が突如、変わる。
七里は、戦場と化した世界を見つめる。
空、陸、海、色んな物が崩壊を始める。七里の隣でずっと走っている少女が、突如、止まる。
七里は後ろを向いて少女を見る。
少女は口を開く。
「私は、生まれ変わっても、君と一緒にいたい。何度でも、何度でも、君の世界にいたいよ……!」
少女は倒れた。
彼女の世界は再び、変わる。
自分の部屋からの景色が見える。
自分の部屋には、孤独と言う得体の知れないモノが、七里の部屋に住みついていた。
想い出の写真のアルバムを懐かしみながら見る。
七里は呟く。
「色んな人がいた……。色んな人が、生きていた……。だけども、皆、死んでいった」
突然、声が聞こえる。
「嘉さん、ご飯です」
声の主は、五十嵐だった。
七里は、泣きながら話す。
「死ねないんだよ。ずっと、不老不死なんて要らなかった。そんなもの!要らなかった!」
五十嵐は七里に向かって話す。
「……嘉さん。死ぬ事ばっか考えていても、気持ちが暗くなるだけだよ。今、死ななくてもいいと思う。それとも、俺や、陸田さんがもう嫌になったとか……?」
七里は話す。
「そんな事無いけど……。貴方達はいずれ死ぬ。私はもう、大切な人の死を見たくない!」
五十嵐は話す。
「……そうか。でも、俺も大切な人が死ぬなんて耐えきれない。君が死ぬなんて……」