複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.159 )
- 日時: 2016/02/04 15:21
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第十七章 名も無き沈丁花
七里は話す。
「私の願いは……光成の所へ帰る事」
悪魔は話す。
「そうか。それじゃ、目を閉じろ。次に目を開いた時は目の前に五十嵐 光成がいる」
七里は目を閉じる。
五十嵐はルルディがアルベルトによって壊されそうな光景を見る。
アルベルトは、ルルディの張ったバリアーを斬り、刃こぼれした包丁でルルディの頭を斬ろうとしていた。
五十嵐は咄嗟にアルベルトに向かって、殴りかかる。
博士もエリアスもアルベルトも予想だにしないことで、反応出来なかった。
アルベルトは、倒れこむ。
ルルディは話す。
「五十嵐さん.....ワタシのせいで....」
五十嵐はフラフラになりながらも、ルルディを見て、笑顔を保っている。
アルベルトは話す。
「……君には、銃弾は良く効くはずだ」
バンッ!
銃声が鳴り響く。
五十嵐は倒れる。
同時に、七里が現れる。
七里は目の前の光景を見て呟く。
「……え?」
エリアスは話す。
「アルベルトさんは、今、何をしたんですか?人を殺したんですか?」
博士は話す。
「撃ったのは、脚だよ。僕の目に間違いは無い。だけど、次は、必ず殺すと思うねー」
エリアスは話す。
「もう、アルベルトを止めた方が良いです。こんな事を普通の人間がやって良いはずがありません」
博士は呟く。
「うん、普通ならねー。でも、僕等って普通かな……?エリアスなら、分かるよね!」
アルベルトは五十嵐に銃口を向ける。
アルベルトは話す。
「貴方との距離は少しありますが、私は確実に貴方の頭を撃ち抜きます。……名も無き勇者よ。いや、名も無き愚者よ。此処で死んでもらいます」
バンッ!
七里は五十嵐の銃弾を受けようとするが、距離があり間に合わない。
ルルディは、片脚を破損され、素早く動くが出来ない。
博士とエリアスは、静かに傍観していた。
銃弾は風を突き抜け、五十嵐の頭を目掛けて進んでいる。
五十嵐は呟く。
「……どうして?……母さん」
銃弾は、五十嵐の母が体を張って受け止めていた。
遠くでは、陸田がその様子を見ていた。
陸田は呟く。
「屋島がこんな行動をするとは……」
五十嵐の母は倒れる。
七里は五十嵐の母の元に行く。
アルベルトは話す。
「……蠅が多いですね。全部、潰しましょうか」
ルルディがアルベルトに話す。
「目標補足、排除します」
10本のスラッシュワイヤーがアルベルトに向かって飛ぶ。
アルベルトは包丁では無く、銃を持っていた為、斬る事が即座に出来ない。
アルベルトは、捕縛して切り刻まれた。
アルベルトは呟く。
「……私……は、ゲームオーバーの……様です……ね。実に……腹立たし……いで…………す」
ルルディはスラッシュワイヤーを元に戻し、五十嵐の母の所へ片脚でゆっくり向かう。
五十嵐は叫ぶ。
「母さん!」
五十嵐の母は話す。
「私は酷い事をたくさんしたのに……私の事を、母さんって呼んでくれるの?」
七里は五十嵐の母に駆け寄り話す。
「とりあえず、もうすぐ警察や救急車が来ると思います。それまで、頑張ってください」
五十嵐の母は七里に話す。
「貴方は、光成が好きそうなタイプの人ね。……光成を宜しくね」
五十嵐の母は永遠に目を閉じる。
五十嵐は叫ぶ。
「母さん!母さん!……起きてくれよ!」
しばらくして、ルルディが合流。五十嵐は涙ながらに、ルルディの事を七里に説明。
アルベルトの元には、陸田が立っていた。
アルベルトに駆け寄っていた博士はルルディを運ぶ予定だったラサークルにアルベルトを運ばせエリアスと共に去ろうとする。
陸田は話す。
「お前ら、何者だ?」
博士は答える。
「言っておくが、決して大空に羽ばたく鳥は、自由とは限らない。人間の物差しで生命なんて判断しちゃいけない。さて質問に答えよう。僕は、餌の取り方を知らない鳥達に餌の取り方を教えてあげる者だよ」
陸田は話す。
「何、意味分からない事を言ってんだ?ちゃんと、質問に答えろよ」
博士とエリアスとラサークルは無言で何処かへ行く。
その後、警察や救急車等が出動し、五十嵐や七里は事情を説明した。直、ルルディの存在は、警察にバレると厄介なので、陸田がルルディを連れだす。
警察は捜査をしようとしたが、同盟国が関連していると聞いた途端に、顔色を変え、この出来事を無理やり五十嵐の母が起こした自爆テロと結論を出した。