複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.202 )
日時: 2016/02/25 17:50
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第二十二章 名も無き閼逢あつぼう


教祖はある空間にいた。

其処には、神代 真央が叫んでいた。

「助けて!……助けて!……助けて!」

教祖は黙って見ている。

教祖は呟く。

「人の欲望程、醜いモノであり、美しいモノは無い。私には、欲が無い」






学校では、先生が授業しようとしている。

「なあ、朽葉。白樺が無断欠席をしている。何か知らないか?」

朽葉は話す。

「……え?別に僕は、白樺と仲良くありませんよ?」


学校では、白樺は不登校の扱いになっていた。

花霞の事は、皆忘れてしまっている。

神代の事は、皆、忘れようとしている。

神代は、異常だった。

自分が全て正しいと常に考え、行動していた神代は躊躇いも無く、人を傷つけ、一人の生徒を自殺に追い込んだ。

先生は沈黙を続け、明後日の方向を見て、目の前の惨劇を知らんふりする。



しかし、そんな神代のいない教室は、平和であった。

空席の机には、沢山の落書きがあったが、消えていた。

集合写真には、画鋲が一人の顔に刺さっていたが、取れていた。



その中にいた三國は呟く。

「……そういえば、誰かが死ぬたび、思いつめてた娘がいたな。……確か、あの娘は……姫哭と同じクラスだったはず」



勿論、この学校は、普通の学校である。神代以外のクラスは、とても愉快なクラスだ。




姫哭は誰かに話しかける。

「相変わらず、このクラスは雰囲気が良いわね。霊犀 結香」

霊犀と呼ばれた女性は話す。

「闇莉も、これくらい雰囲気だったらもっと可愛いのに!」

姫哭は話す。

「....お世辞でも嬉しくないよ」

霊犀は話す。

「いやいや、お世辞じゃないよ。.....あれ?そういえば、神代さんって最近見ないけど、何かあったっけ?」

その教室の空気が、凍りついた。

クラスメイトが話す。

「結香!……あのさ、少し相談事があるんだ!」

霊犀は話す。

「前も同じ事言われた気がするな.....ねえ、結構悩んでるよ君.....!うんうん、高校生らしいけどさ」

そう言って、霊犀はクラスメイトと話しこむ。


神代は、他のクラスでは禁句。霊犀は、神代の卑劣な行為には気付いており、度々注意をしていた。しかし、止まらない神代の暴走によって自殺した事を聞くと思いつめてしまう時もあった。

霊犀 結香は少なくとも、周りから見れば正義であった。



別のクラスメイトが姫哭に話しかける。

「姫哭さんって、この前、扠武澤さんと言う男の人と一緒にいましたよね!あの、扠武澤さんってどんな人なんですか?」

姫哭は話す。

「扠武澤とは、そんなに会ってない。と言うか、どうでも良い......」

クラスメイトは話す。

「姫哭さん、扠武澤さんと関わらない方が良いって。私、この前、扠武澤さんがあの貧民層街でチンピラみたいな人と喧嘩していたの。姫哭さんも、あんな野蛮な人とは一緒にいない方が良いよ」

姫哭は話す。

「.....扠武澤は、素直すぎる馬鹿なだけ。....だから何処に行っても大体の場所は分かるはずなのに.....」



扠武澤は現在、行方不明である。








午後の授業も、平和が続くはずだと誰もが思っていた。


三國は突然、開かれた教室のドアを見つめて、話す。

「神代……」

すると、一人のクラスメイトが叫ぶ。

「……!お前なんか……お前なんか……学校に来るんじゃねーよっ!」

先生は沈黙する。


先生は、授業を放棄してその場を立ち去る。

一人ぼっちの神代は、皆に屋上に連れていかれて、ボコボコにされました。


「……ハハッ!ざまーみろ!」



神代は放課後まで、屋上で意識を失っていました。

神代の元に霊犀がいる。

「真央!?.....酷い怪我。早く、保健室に行かないと!でも、一人じゃ運べない....う〜ん、闇莉は、とっくに帰っちゃったし.....」

屋上に、朽葉が現れる。

霊犀は話す。

「あ!其処の陸上部の君!真央を一緒に運んで!」

朽葉は話す。

「……真央って、まさか、神代?!」

霊犀は話す。

「ほら、口を動かす暇があるなら、真央を運ぶ!」



神代は保健室へ運ばれる。


朽葉は霊犀に話しかける。

「しかし、噂には聞いていたが実際、神代を見たのは初めてだな。……しっかし本当に性格悪そうな顔をしているな」

霊犀は話す。

「本当の真央は.....良い子のはずだよ。見た目で判断しちゃダメだよ」



神代は数か月前まで、普通の少女だった。霊犀とも、交流があり、仲も普通に良かった。

朽葉は話題を変える為、霊犀に話しかける。

「……そう言えば、霊犀さんって陰陽師一族の分家なんですよね?あの、最近、この学校で幽霊が出るみたいなんですよ。何か、除霊とか出来ません?」

霊犀は話す。

「えっ!....ああ、問題無いよ。それで、どんな幽霊なの?」

朽葉は話す。

「幽霊って言っても、ポルターガイストですね。何か、誰もいない音楽室の楽器が、勝手に動くとかです。俺は、超能力だと思いますけどね」


この世界では、陰陽師は当たり前。幽霊なんて当たり前。幽霊が出てくれば高い金を払って排除。

なので、幽霊なんて怖がっている人はあまりいない。



「何!?幽霊だと!」

幽霊と言う単語に誰かが反応する。

霊犀は話す。

「ビックリした〜!誰....?」