複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.203 )
- 日時: 2016/02/26 16:50
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
保健室で休んでいる神代の目の前に、教祖が立っている。
神代は呟く。
「……助けて」
教祖は話す。
「都合が良いな、君は。だが、救おう。欲望を求め続けた果ての世界を私は知りたいからな」
教祖は妖刀を神代に渡す。
教祖は話す。
「これで、殴った奴らを殺しまくれ。自分を蔑んだ奴らを殺しまくれ」
一方、音楽室では。
「あの、俺、そろそろ、部活に行かないといけないんですけど」
朽葉は霊犀に話す。
霊犀は反応する。
「あ、ゴメンゴメン!邪魔して悪かったね」
朽葉の隣には、男が一人立っていた。
「オカルト研究部、部長として、除霊を見れるなんて感激だよ!」
彼の名前は、羽柴 天(はしば たかし)
神代や三國と同じクラス。神代に苛められて自殺した生徒の親友。ゆえに、神代を憎んでいる。しかし、彼自身、霊犀の様に、神代を注意した訳ではなく、苛められていたのを、見ていただけだった。
突如、音楽室のドアが開かれる。
霊犀は話す。
「音楽室は現在立ち入り禁止だよ。ドアに立ち入り禁止の張り紙を貼ったんだけどな....」
ドアを開けた少女は話す。
「か、神代が!……暴走するわ!私の勘が当たる確率が80%と言う能力がそう示している!」
霊犀は話す。
「80%って微妙だね。何で、80%なの?すっごい気になるんだけど」
朽葉は話す。
「シリアス展開で、聞く質問じゃないぞ」
何処からか叫び声が聞こえる。
羽柴は話す。
「神代……!どこまでやれば気が済むんだよ!」
羽柴は音楽室から出て行き走る。
霊犀も羽柴についていこうとする。
朽葉は動かなかった。
霊犀は朽葉が動かない事に気付き話す。
「蓮君!早く、真央の所に行って真央を止めないと!」
朽葉は話す。
「……いやいや、逃げようよ。もうすぐ、先生もこの事態に気付いて駆けつけてくれると思うし。それに、助けたって……」
霊犀は話す。
「....誰にだって幸せになりたいと言う想いはある。真央だって、幸せになりたいはずだよ。望んで、悪い事なんてする人なんていないよ。....私は真央を止める。真央がこんな事を望んでしていない事を信じているから」
朽葉は話す。
「……随分とお節介だな。君は」
霊犀は話す。
「.....誰にだって人生を間違えちゃうんだよ。だって、人生長いんだから。でも、人生は何度だってやり直せるんだ」
そう言って霊犀は立ち去る。
朽葉は呟く。
「……人生か」
神代は校庭で暴れていた。
刀を振り回し、その刀からは、オーラ見たいなモノが身に纏っていた。
先生らしき人物が叫ぶ。
「……神代!何をしているんだ!」
神代は話す。
「……どうして、私の思い通りにならないんだ。私は、ただ、幸せに……なりたかったはずなのに……!」
神代は刀を先生に振る。
刀から黒い衝撃波が放たれ、先生に向かう。
霊犀が先生の前に現れ呟く。
「戊・勾陳!」
霊犀は自分の内臓である脾臓を触りながら地面を殴り、岩柱を隆起させて、先生から衝撃波を守る。
遅れて羽柴がやってくる。
羽柴は話す。
「霊犀さんって足速い……」
霊犀は神代に話す。
「真央!....貴方を救いに来たよ」
神代は叫ぶ。
「……!……救う気で、私の所に来たなら、私の為に死んで!」
羽柴は呟く。
「……君の知っている神代とはもう違う。……彼女はもう、化け物だよ」
霊犀は話す。
「.....そんな事無い」
羽柴は叫ぶ。
「俺の親友は、あいつに殺されたんだ。あの化け物に!」
羽柴は神代に向かって走る。
神代は男の声で話す。
羽柴は驚く。
神代は自殺した男の声を真似していた。
「何、言ってんだよ。俺は神代に殺されたんじゃないんだよ。……お前に、見捨てられたんだよ!」
神代は刀に向かって息をする。
刀を纏ったオーラが羽柴に取り付く。
霊犀は神代の所へ行く。
野次馬がどんどん、校庭に集まっている。
霊犀は話す。
「真央。貴方のやった事は許される訳じゃない。だけど、罪を償えば……」
神代は叫ぶ。
「もう、遅いよ。もう、駄目だよ。もう、無理だよ。もう、嫌だよ。……出来れば、最後まで私を止めようとした貴方だけは、敵に回したくなかった」
神代は霊犀に向かって刀を突き刺そうとする。
霊犀は内臓の肝に触れながら呟く。
「……庚・大陰!」
霊犀は金属装甲を身に纏い、刀を防ぐ。霊犀は刀を折る為に、刀を殴りつける。
刀からオーラが放たれ、霊犀を吹き飛ばす。
神代は呟く。
「私ハ、血ガ欲シイ。血!血!血!血ぃーーーーーー!」
神代は刀を羽柴の方に向けて刺そうとする。
霊犀は即座に立ち、肝臓を触り呟く。
「....もう、間違った道へ行かせない!乙・青龍!」
竜巻が神代の所に起き、上に飛ばされる。
霊犀は続けて地面を殴りながら話す。
「甲・大歳!」
校庭に大木が現れ神代を保護する。そして、蔓が神代を縛り動けないようにする。
野次馬は霊犀の活躍に歓喜した。
「やっと、悪魔が捕まった!」
「もう、学校に来るな!」
「やっと、この学校にも平和が来ましたな。霊犀さんには感謝しないと」
「……とりあえず、この件はすぐに隠蔽しろ。神代に親族はいない。つまり、神代がこんな事になっても、文句を言う奴はおらん。この後、生徒達には、色々言わないといけない事が……」
霊犀は、気まずい顔をして神代を見る。
羽柴は小さな声で呟く。
「……やっと、終わったのに。何かが、心の中で叫んでいる。……僕の親友は本当にこんな事を望んでいたのかな?あいつは……この光景を見て、笑っていられるかな?……僕には、分からない。だって僕は、親友を見捨てたんだから」
霊犀は神代に向かって話す。
「私は貴方を救う。例え、間違った道へ行っても。お節介って言われても。だから、ちゃんと罪を償って、人生をやり直そう。私が応援するから!」
神代は呟く。
「……死ぬ時って、何かを残したくなるもんだね」
神代は喋る。
「霊犀。三國と朽葉を呼んで私の机の中に、入っている物を渡して。……これが、せめてもの……私の償いだよ。……花霞」
妖刀は突如、神代の心臓に向かって刺す。
時が止まる。
「……実験終了。うむ、やはり、一般人の神代ではこの程度だろう」
刀を引きぬく。
「さて、暫く、この運命を見守るとしようか」