複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.22 )
日時: 2016/12/10 17:21
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

「私は、アンドロイドだ。それにしても、さっき君は呪いと言っていたが、超能力とは違うのか?」

「超能力は意図的に発動出来るでしょ。だけど、呪いは条件さえ満たせば勝手に発動してしまうの。私の目のせいで、何人の人々が右目を……ねえ、私、人と話すの久々なの。何でも話すから質問いっぱいして良いよ。マイブームとか?好きな食べ物とか?」

思ったより、普通の少女だった。幽霊を期待した私は失望した。しかし、私は何かをまだ期待してしまい質問した。

「自分以外の人間をどう思っているんだい?特に、この屋敷に入って来る人間の事を……」

ヒトミは話す。

「彼らは、死を理解していないの。自分は永遠だと思っている。決して何処にも永遠という言葉は無い。だけど、彼らに罪は無い」

私は話す。

「君自身、罪を感じていないのか?自分がかかった呪いのせいで人々が右目を失われる事に。見た限りだと、罪を感じているように見えないのだが」

ヒトミは、怒った顔をして話す。

「私が罪を感じていない!?この部屋を……開けてみて!」

私は、ヒトミの狂気的なオーラの様なモノに負けてしまいドアを開けた。

そこには、夥しい数の眼球が腐る事無く保存されていた。

「夥しい数の眼球を私はもらった。辛かった。私は此処に居る事を恨んだ。だけど、恨めば恨む程、なりたかった私から遠くなっていく。身体は腐らないのに、心が腐っていくのが分かる。だから、不謹慎かもしれないけど、身勝手かもしれないけど、私はなりたかった普通の自分になりきろうと思った……」

「君にとって、この世界はどう映っているんだ?」

ヒトミは話す。

「え?……いつか……また話すよ!だから、毎日この場所へ来てね。ブライアンしか話相手がいないんだから……」

私は少女の相手をしている暇ははっきり言って無い。私は人間によって造られたアンドロイドや未確認生命体とも話をしたいんだ。

「すまないが、私は忙しい。毎日は無理だ」

ヒトミは話す。

「毎日来ないと、右目返さないよ?それでも良いの?」

右目の事をすっかり私は忘れてしまった。しかし、眼球は材料さえあれば替えは造れる。
私は話す。

「ああ、それでは私は帰る」

私は玄関で落ちていたサングラスをかけ、屋敷を後にした。

「折角、話相手が出来たのに……」

そう言って少女は人形になった。

私は、藍楷の元へ戻った。

「藍楷、H−3の所へいったか?」

藍楷は話す。

「行ってきましたけど、逃げられました……って片目どうしたんですか?もしかして、幽霊屋敷に本当に行って来たんですか?!」

私は話す。

「ああ、しかし、いたのは幽霊では無く呪われた美少女だ。ん……?」

私は、ヒトミの発言をコンピュータで整理し、とある一文を抜粋した。

「身体は腐らないのに、心が腐っていくのが分かる」

身体は腐らないという発言。普通の人間ならば心が腐ると言う比喩表現をするが身体が腐るという比喩表現はするのか……?途端に、ヒトミに問いたくなった。もしかしたら、ヒトミは何か呪い以外にも隠しているのかも知れない。私に何かを伝えたかったのかもしれない。考えすぎかもしれないが私は気になる事があると即実行したくなるタイプだ。

藍楷は話す。

「あの、替えの眼球です」

私は答える。

「いや、大丈夫だ。片目で良い。君は、H−3を説得してここへ連れて来てくれ」

腐らない身体。ヒトミはアンドロイド……?いや、それなら、我々と同類だ。隠す理由は無い。例え、人間に造られたとしてもな。謎が深まるばかりだ。

少女は何者なんだ?