複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.224 )
- 日時: 2016/03/01 20:26
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「お願いだ……。殴るなら、俺を……」
「卑怯者のお前の事なんて信用出来るかよ」
若城の目の前の人物はバットを地面に置き、若城の胸ぐらを掴む。
「友達も、恋人も全部裏切ったお前に、何を信じれば良いんだ!馬鹿かよ、お前!」
ボスらしき人物が軽自動車で来る。
「よう、若城。よくも、俺達の金を奪おうとしたな……」
若城はバットと成木を抱え、即座にボスをバットで殴り、撥ね退け、車に乗り込む。
車には数人のボスの部下がいた。
「オラァァァァァァ!!!!」
若城はバットで部下を殴り飛ばす。
若城はボスの部下を車から降ろし、車を発車させる。
「……車の免許取っていて良かった……。それにしても、弱すぎるだろ、あいつ等」
「良いんですか?ボス。あれで……」
「あいつには、徐々に絶望を感じさせてやる。そして……奴は全てから、また逃げるだろう」
若城は全速力で車を走らせていた。
「俺は……汚れているな。……何で、俺は……大切な人達を……裏切ったんだろう……」
血に濡れていたバットを見ながら若城は後悔した。
成木は気絶していた。
「……俺はこんなに醜くないはずだ。……本当の俺はもっと、彼女に相応しい……!」
成木は起きる。
「……ん?何してんの?若城?」
「ああ、君が急に倒れたからレンタカーを借りたんだ」
彼は自分が彼女と同じで有る事を示す為に、嘘を言い続けた。
自分に対する彼女の評価を下げたくないが為に、彼女を騙し続けた。
成木は笑っている。
「私、たまに気を失うんだよ!しかも、前触れも無く!!本当にこれには、私もどうする事も出来ないんだよ!!」
まるで、他人事のように彼女は話していた。
「綺麗な景色だな〜!!世界には、色んなモノがいっぱいだね!!」
そう言って、成木は窓を見ている。
若城は、彼女が死ぬまであの笑顔を守る事を決めた。
ひきょう者と呼ばれようが、うそつきと言われようが。
彼は初めて、恋と言うモノをした。
これが、人を守りたいと言う気持ちだと知った。
しかし、彼の腕の中には、しっかりと、罪の重みの分の金が存在していた。
この金を渡してしまえば、追われる事も無い。
だが、彼は渡す事等考えては、いなかった。