複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.235 )
日時: 2016/03/04 20:16
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

月丘の近くには少女が立っていた。

「月丘さん。術虎壁じゅつこへきを張らないと……」

「……そうだな。今日は、若干、調子が良いから、氷の固さは問題ないと思う」

「え……!でも、さっきまで具合が悪いって……」

「別に具合なんて悪くないよ。自分の体調を一番知っているのは自分だから」

津田は月丘を見つめる。

「相変わらず、自分の思った、感じた意見を変えない頑固な性格は健在だな」

ブライアンは運んできた星空を横に寝かせる。

「しかし……津田と月丘の関係は何だ?それに、此処は結局何処なんだ?」

月丘が返答する。

「此処は【姿無き虎】と言うグループの拠点だ。姿無き虎は、俺が作り上げたグループで、人が嫌いな人間、逃げ出した未確認生物、アンドロイドなど、人に嫌われている者や人を嫌っている者の集まりだよ」

ダイラタンシーは質問する。

「活動内容は何ですか?最終的な目標は何ですか?……まさか、人間に対しての復讐ですか?」

月丘は窓を見上げる。



「活動内容は、この世界に、俺達のような者達がいなくなる事だ。今の世界は、人を傷付き合う事が当たり前の時代になっている。イジメや、虐待、差別、戦争、他にも色んな事が起こっている。……そして、俺達の様な者達が増え続ける。……誰かがこの世界を変えないと駄目なんだよ。皆が平等で、皆が幸せだと思える完璧な秩序の世界に。

俺達で傷付く者、戦う者が最後で有って欲しいんだ」


「……秩序と言いながら戦うと言うのは、矛盾しているのでは?」

「そうだ。だから、完璧な秩序を迎えた時。血に塗れた俺達は……死ぬ」

津田が月丘の隣に行く。

「皆さん……。我々のグループに入ってください。……我々で人を嫌うと言う事を終わらせたい」

奏雲は静かに笑う。

「私も、人に疑われるような人生を歩んだ。そして、身近な人物に、酷いイジメを体験した人生を歩んだ者もいた。……私はこの世界を変えたい」

ブライアンは右目を触る。

「俺は、人間との共存を望んでいる。皆が平等になったら……どれだけ、幸せなんだろうな。……きっと、あの娘も……」

ダイラタンシーは人型から水たまり型のスライムになる。

「……私、感激しましたよ。……是非とも、【姿無き虎】に入らせて下さい」