複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.244 )
日時: 2016/03/07 19:26
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

月丘は黒獅子を見て睨む。

黒獅子は月丘をまっすぐ見る。

「……兄貴、死んだんじゃ無いのか……!?」

ファントムは黒獅子の方に向かう。

「どう言う事か御説明をお願い出来ますか。黒獅子さん」

黒獅子は説明する。

「昔、親から言われたんだ!『伊岳には二つ違いの兄がいたけど、赤ん坊の時に死んだ』って。本当かどうかは、疑ったけど、赤ちゃんの時の兄貴らしき写真を、見つけたから、信じる事にしたんだ。他にも、暗殺部隊になってから、兄貴の事を調べ続けて、兄貴の名前、能力、顔を調べたんだよ……。ひゃひゃひゃひゃ!まさか、生きていたとはなー!」

「……俺に弟はいない。勘違いだ。俺の名前は、月丘 幻虎だ」

「君は、僕の兄だ。……やっと、会えたよ。……黒獅子 翔弥。君の、虎になれる能力、君の顔。僕が調べ上げたのと、一致している」

「……!黒獅子……!」

「僕は……君に会いたかったんだよ〜!……兄貴ー!!」

月丘はその場から立ち去ろうとする。

黒獅子は動けず、立ち竦む。

「腕は動かせる。……銃型モデルハンドガン!……兄貴……殺しはしない……だから、止まってくれよー!」


ファントムは瞬間移動して、月丘の目の前に行く。

「任務に私情は禁物です。ボクはこの虎を始末します」

「ファントムちゃん!……君こそ、僕を怒らせたいのかい?」

月丘は黒獅子を見る。

「俺に……弟はいない。……俺みたいな奴に兄と呼ばれる資格なんて無い……」

月丘は虎になり、この場を去る。

ファントムは追いかけようとするが、黒獅子が氷の粒をファントムに撃つ。

「この任務は中止だよ!それから、もう、姿無き虎を追うのは止めるべきだよ」

「捨て駒が、意見出さないで貰いますか。勝手な事しないで貰いますか。ボクは参謀役です。参謀役に逆らうのなら、容赦しません」

ファントムは腕を、膨らませ、巨大化する。

「動揺しているねー!女の子みたいに、可愛いよ!」

「ボクは男です。まあボクを倒せる者は、いません。例え、黒獅子さんでも」

実際に、黒獅子は奏雲の奇跡により、脚が固定されていて、動けなかった。

ファントムは脚は固定されていても、コピーした超能力の1つ、瞬間移動を使い、移動が出来る。

黒獅子は不利だった。



ファントムは巨大な腕から白い粉末状の物が現れ覆う。

「ボクの腕を覆っているのは、塩です。塩は氷を溶かす力があるみたいですから。黒獅子さんの能力は対策しました。黒獅子さんには、このまま倒れて貰います。さすがに、殺しませんので安心して寝て下さい」

巨大な腕は黒獅子に向かう。

黒獅子は巨大な腕を見つめる。

「盾型、モデル ウォール!」

黒獅子は巨大な氷の壁を出現させ、ファントムの巨大な腕から守る。

氷の壁は崩れる。

同時に、黒獅子とファントムの足が動く。

奇跡は終わり、暗殺部隊は再び、動く。しかし、その時には、姿無き虎はいなくなっていた。




暗殺部隊は姿無き虎の拠点に集まる。

霜月は、照山と奏雲を逃した事にイライラしていた。

桐生と芽小折は、桐生の予知能力でこの事を予知していた為、文とジェイコブの捕獲に成功。

武藤は、気絶した草野を運ぶ壊れかけの津田を、あえて何もせず見ていた。

ファントムと黒獅子は意見の違いにより、喧嘩中。

そして、川宮は……。

武藤は川宮と電話をしようとするが出ない。

「川宮が電話から出ない。……」

武藤は、川宮のクローンを製造している所に連絡をする。

「川宮は死んだのか」

「いえいえ、死んでませんが?監視役の川宮からは何も連絡は来てませんから」

「そうか。分かった」


事情を知っている桐生は武藤に近づく。

「川宮は?どうせ、寄り道してんでしょ♪心配する事ないよ!とりあえず、収穫はあったから、今日はこの程度で良いじゃない??」

雲に包まれたジェイコブと文が其処にはいた。

ファントムは黒獅子を見る。

「次回は、彼らを利用して姿無き虎を確実に捕えます。私情を挟まなければの話になりますがね。黒獅子さん」

「……ああ、分かったよ。参謀役さん!」

黒獅子はファントムを睨む。

武藤はファントムの元に行く。

「ファントム。君は経験が大事だ。何が起こるかを完璧に予測する必要がある。今までは桐生の予知能力を使えば良かったのだが、その予知した未来とは違う事が依然に起こった時がある。つまり、我々に対抗出来る組織は、恐らく依然と違い、増えているだろう。其処で必要なのは、君の頭脳と、能力だ。如何に、予測不能と言う事が起こらないようにする事が大事だ」

「はい、分かりました。武藤さんの期待に応えていきたいです。どんな事態にも、対応出来るように経験を積んでいきます」

「ああ、捨て駒の意見も、これからは多少は、ちゃんと聞くべきだ……」





ファントムは依然の捨て駒である武藤の意見を聞いていなかった。


ファントムは捨て駒である武藤に自分の行動を見透かされた事に動揺して殺意を向ける。

途端に、ファントムは、くしゃみを何回もする。

「奏雲が君にかけた呪いは、殺意を生物に向けると、クシャミが出る事だ」

「呪い?何の事を言っているのですか……」

ファントムは再び、クシャミをする。

「今度、陰陽師の所に行こう。直ぐに呪いを解いてもらう」







一方、川宮は。






「……俺は……自由に生きるんだ。……自由に!」

「寝言はそれまでにして?川宮さん」

「……ああ、君と俺は……遂に!」

「暗殺部隊を抜けてまで私といたいの?やっぱり馬鹿だね.....」

「……え?」





その後、この川宮は姿を見せなくなる。


第二十六章 名も無き大我 完

視点変更

次へ続く