複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.254 )
- 日時: 2016/03/09 19:10
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
第二十八章 名も無き種子
此処は貧民層街。
其処に一人の少年がいた。
「……今日から学校は休校だ。……父さん」
そう言って何処かに消えた父親を思いながら、少年は外に出る。
一方、学校では。
「おい、学校内は立ち入り禁止だ」
「騒いじゃ駄目だよ......いくら、この状況が楽しいとはいえ.....!」
「……」
霊犀と三國、朽葉は神代の机を調べる為、侵入していた。
三人は教室に入り、神代の机を調べる。
朽葉は、神代の机を既に調べていたが、霊犀の勢いに流されている。
三人は机の中身を見る。
其処には、花霞 叶多、白樺 和人、三國 涼太、朽葉 蓮の四人が写った写真だけがあった。
朽葉はもう知っていた。
「この写真は多分合成だよ。俺と三國以外の奴は知らないからな」
霊犀は白樺を指差す。
「この人は、学校で見た事あるよ!」
三國は記憶を頼りに、白樺と花霞の事を思い出そうとする。
「……思いだせない」
突如、カーテンと教室の扉が閉まる。
そして、声が聞こえる。
「貴方達……。神代さんに何か用なの?」
朽葉は驚く。
「幽霊だ……」
一人の少女が半透明で三人の元に現れる。
霊犀は除霊をしようとする。
「霊犀さん。私の事、覚えている?」
一人の少女は霊犀に顔を見せる。
「.....あ!もしかして、神代さん?」
「……私の名前は、文 日和(かざり ひより)。羽柴君の親友で……神代に殺された苛められっ子」
霊犀は思いだす。
「文ちゃん!……どうして成仏してないの?」
「如何して……?それはね、神代を殺そうと思ったからよ」
朽葉は腰を抜かして倒れる。三國は、辺りを見回す。
「……おかしい。どうして、このタイミングで幽霊が……」
「私は、この手で、神代を殺したかった!この手で、神代に苦痛を与えたかった!その準備もしてきたはずなのに……。霊犀さんが邪魔したせいで……計画が駄目になっちゃったじゃない!」
文は霊犀を掴み、机に抑え込む。
「神代は、私が呪いで殺す予定だったのに!」
文は霊犀に憑依しようとする。
霊犀は塩を文に付ける。
「塩は霊の弱点!悪霊退散!」
文の身体は燃える。
「……熱い!体が熱い!」
文の身体は消えそうになるが。
「私の恨みが……こんな物で!消える訳無い!……霊犀!貴方を神代と同じ目に合わせてやる!」
そう言って文の身体は消える。
「何だったんだ……一体」
朽葉は立ちあがる。
「とりあえず、この写真が撮られた場所に行こう!」
「霊犀。幽霊に襲われたのにどうしてそんなに冷静なんだ?」
「え?まあ、仕事で何度も同じ目に合っているからね!」