複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.259 )
- 日時: 2016/03/11 16:47
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
星宮は起き上がる。
「一応、君が助けてくれた事は借りにしておく。だが、僕は『仲間を作ってはいけない周りは皆敵と思え』と父さんに教えられた。だから僕に仲間は要らない」
星宮は去ろうとする。
霊犀は星宮の腕を掴む。
「ねえ、おにぎり食べない?百目鬼が作ったおにぎりは絶品だよ!」
「……借りを作った相手に、親切にされる義理は無い!」
「.....そんな固くならずに!笑顔!笑顔!.....ほら、結構、具の種類とか有るんだよ。おかか、ツナマヨ、沢庵、鱈子、梅干し、昆布、漬けマグロ、山葵、からし。え〜と.....」
「紅鮭が無い」
「あ.....!忘れていたよ!」
「紅鮭は普通は忘れないだろ!」
「紅鮭好きなんだ....!百目鬼に教えよっと!」
霊犀はその場から立ち去る。
「……ありがとう……霊犀」
存在を忘れかけられていた朽葉が驚く。
「何でも無い。今のは忘れろ。僕は紅鮭を食べたら帰る」
「……」
朽葉は女顔の星宮に、若干惚れる。そして、まだ見ぬ、危ない世界の扉を開きかけていた。
一方、三國は。
「……富裕層街側の方で、巨大なエネルギー弾を確認した。確認したら、陸田の死体が転がっていたよ。教祖」
「陸田か。私にとっては、土田のバーターにしか見えなかったですね」
「あ、そう。それでさ。何で、霊犀 結香を監視していたんだ?ストーカーか?お前は神代 真央一筋じゃないのかよ」
「神代は死んだ。少なくともこの世界では。死んだ者をいつまでも、思い続ける必要は無いですよね?」
「だからって霊犀を監視する理由にはならないぞ。学校とさっきの幽霊、陸田組。全部お前だろ。どうやったのかは分からないが」
「残念だが、私では無いよ……」
トイレにて。
「初めまして、死神様。星宮の息子と思われる人物を発見しました。それに、白樺 和人、花霞 叶多の存在に気付こうと思われる人物が……」
「へぇ〜!偶然にしては、凄いね〜!アハハ!面白い〜!」
教祖は呟く。
「学生は皆、種子だ。自分の、なりたい花を想像して、夢を持つ。そして、夢に向かって育つ。
そして、気付く。
自分の将来は、もう決まっていた事を。
自分のなる花はもう、生まれた時から決定されていたんだ。
まあ、花自体を変える事は外見だけなら出来るが」
第二十八章 名も無き種子 完
視点変更
次へ続く