複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.260 )
日時: 2016/03/11 16:47
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第二十九章 名も無き血液

ファントムは武藤に話しかける。

「そう言えば、照山さんに提供する予定だった診療所はどうなるんですか」

「一応、建設は続けるつもりだ」

「警視総監のお気に入りだからですかね」

「まあ、今のこの状況を楽しもうじゃないか。……やっと、我々と対等に戦える相手が出来たんだ。喜ばしい事だ」

「そう言えば、刑務所・施設から女性が消えると言う事が起こっています」

「ああ……。外部からの犯行なのか、内部からの犯行なのかも、分からない状態だ。それに、存在そのモノが危険と判断される施設から消えるケースもある。

……簡単に言えば、非人道的な事を行っている施設を知っている組織が存在していると言う事だ。俺の能力も、人物が特定できない場合は使用不可。どうする事も出来ない」

「目星は付いているんですか」

「勿論だ。名前は、【ドライアド】女性のみで構成されたフリーランスの暗殺部隊らしい。メンバーは全員、不明なので、事実関係は不明だが。活動内容は金で犯罪に協力して暗殺している事だ。我々は、彼女たちには表面上、ただの犯罪組織として認識させている。まあ、実際は我々の組織を崩壊させられる可能性が一番高いとして、監視しているが」








富裕層街に、こんな妙な噂が流れていた。

富裕層街の地下は、殺し屋の街。

色んな者達が、大金を持って地下に降り、殺し屋に依頼をする。



女性は地下にいた。

「……此処が、富裕層街の地下街……?」


地下街は賑わっていた。

ある所では、覚せい剤の取引。ある所では、違法カジノ。ある所では、サイボーグ手術をしてくれる医者。ある所では……。




女性はある所に行き、入った。


部屋の中は、機械と思われる物が壁際にあるだけで、他には何もなかった。

「依頼を紙に書いてください」

銀行にでも聞こえてきそうな無機質の声を発する機械が女性を誘導する。

紙とペンが女性に渡される。

女性は依頼を書き、紙だけを渡された方向に戻す。

「それでは、契約者にサインをしてください。料金は前払いとなっておりますので、契約者と一緒に依頼金を用意してください」

女性は契約書にサインをして、依頼金を一緒に紙を渡した方向へ入れる。

「それではまた次の御利用をお待ちしています」

女性は去る。







「依頼の内容は、奈良崎ならさきと言う政治家の暗殺よ。早速、今夜決行するわ。……エマ・トゥレラ。聞いてた?」

エマ・トゥレラと呼ばれた女性は御手洗に行き、血まみれの手を洗う。

「どうせ、また誰かを殺すんでしょ?血が見られるのなら.....それで良いわ。メリーさん」

エマがいた場所には、首を吊って死んでいた男の姿があった。直、ロープに残っているのは頭のみだが。


メリーさんは電話する。

「もしもし、あたし、メリーさん。今から向かうね」

電話を切る。

「エマ・トゥレラ。一緒に行きましょう」

メリーさんはオカルト関係寄りの妖怪。元々は人形だったが、持ち主に捨てられた恨みから持ち主を殺害する。

メリーさんの能力は、何かの後ろに行く事が出来る事。ただし、一回以上電話をかける必要がある。

メリーさんとエマ・トゥレラは手を繋ぎ、何処かへワープする。




ワープした所では、ピアノを弾く少女が目の前にいた。

「……メリーか。待っていたぞ」

「薬師寺 百々子(やくしじ ももこ)。奈良崎と言う政治家を殺す」

「ああ、分かった」

薬師寺の身体は、サイボーグ。大神製では無く、別の人物が彼女をサイボーグにした。しかし、実際は失敗してしまい、薬師寺は殺されかけていた。しかし、黒暗淵と星空と言う者達が研究所を破壊して、薬師寺は逃亡した。

薬師寺の超能力は、鏡の中に入る事。直、薬師寺が認めた者も入れる。

エマはメリーに話す。

「ノヴァは、今回の暗殺には関わっているのかしら....?」

「彼女は別の依頼で頑張っているわ。今回、予定が空いているのは……花子さんくらいね」

メリーさんは電話をする。

「もしもし、あたし、メリーさん。今から向かうね」

メリーとエマと薬師寺はワープする。


目の前にはトイレの花子さんが立っていた。

「……ああああああああ!!!」

花子さんは叫んでいた。

花子さんは、生前、酷いイジメを受け、トイレでいじめっ子に殺される。しかし、警察は自殺として処理。

その事等が許せず、妖怪となり、此処に留まっている。たまに、絶望の淵へ落ちる。

「……許さない。……許さない。……あいつ等め。私を何だと思ってんだよ!」

花子さんは泣き叫ぶ。