複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.297 )
- 日時: 2016/03/16 17:13
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
川瀬は灰になっていた。
「さて、最後に言い残す事は無いか?姫哭」
坂本は川瀬であった物を踏みつぶし、銃を向ける。
「.....私は此処で死ぬ訳には行かないんだよ」
「動けない体で何を求める。復讐を果たせない体で何を足掻く」
突如、鉄球が坂本の頭を直撃する。
「俺の名前は、正義のヒーロー!ルサンチマン!」
周りに火が現れ、演出する。
「……何だお前等はー。死にたいのか?」
ルサンチマンはスマホを近くにいた女性に渡し、スマホからヒーローのテーマソングを流し始める。
「この世界に、傷付いた人いれば、助けに行くのが、ヒーローの矜持!
神が見捨ててもルサンチマンは見捨てない!
イキでクールなナイスガイ!
……え〜と……まずいよ。決め台詞忘れちゃった」
坂本は銃を撃つ。
ルサンチマンはゴルフボールを高速に投げ、銃弾とぶつかる。
「……俺は扠武澤のおかげで。そして、隣にいる俺の彼女は姫哭のおかげで、変われた。……俺達は超能力を人々の為に使うんだ!」
ルサンチマンは大量の鉄球を坂本に投げつける。
「お前等の思う秩序等、自分の欲望を都合が良いようにする為の良い訳だろ?」
坂本は鉄球に当たるが怯まない。
「良いか、この世に正義は無い。……だから、俺が作るんだよ。姿無き虎を利用してな」
坂本はルサンチマンに近づく。
「……かかって来い!俺は、暗殺部隊のメンバーに戦闘技術を指導してもらった事があるんだぞ!」
坂本は瞬時にルサンチマンを気絶させる。
隣の女性はルサンチマンを運んで何処かへ行く。
「……くだらねー正義の味方だったよ」
一方、孤児院は。
「お願い、扠武澤。目を覚まして......!」
「……俺は!俺は……!」
「星宮!これで本当に上手くいくのか?お前の髪を信用して良いのか?」
「大丈夫だ。これなら、霊犀の元へ行ける」
「ガスマスクの準備は問題無いよ!後は……これを扠武澤に!」
ビルの屋上に三人はいた。
星宮の髪は、ビルの屋上の一部と結ばれている。
朽葉はビルの下を見る。
「後は、飛び降りて、ターザンみたいにア〜アアア〜!ってやってその勢いであの中に入れば良いんだな……」
三人はターザンになり、霊犀と扠武澤の元へ行く。
星宮は髪の毛を触る。
「朽葉、お前、必要だったか?あの時に三人もやる必要あったか?」
「……今はそんな事考えている余裕は無い。……多分」
クロエは扠武澤に向かう。
「……状況は、朽葉から聞いたよ!今すぐ、闇莉を助けてあげて!」
「……今頃、姫哭は犯罪組織……いや、陸田組の組員を殺しまくって、今の俺を嘲笑っているんだろ?」
「……!姫哭の親を殺した組織を知っていたの?」
「まあな。情報屋が金で提供してくれた。……最初は大分ショックだったよ。俺を救った組織が、まさか姫哭が復讐を誓っていた組織だってな。
出来れば姫哭から、言って欲しかったよ。私の復讐対象は貴方の所属している組織ですって。俺は……世話になった組織を捨てても姫哭を守ると誓っていたんだがな。向こうは俺の事なんてどうでも良かったんだ……まあ、当然だよな」
扠武澤は妖刀を振る素振りを見せる。
「……扠武澤。違うよ。闇莉は、流努の気持ちも配慮していたんだよ。流努が悩まないように、苦しまないようにって。彼女なりの優しさなの。そして、闇莉は決断したの。復讐の方を選び、流努とは、もう会うつもりは無いって」
「……身勝手だな」
「身勝手って……流努が闇莉を止めてくれなかったからだよ!……少なくとも、闇莉は決断した。例え、間違っていても。流努は何も決断していないでしょ?……いつもの流努に戻って決断して」
姫哭は復讐の為、親の死に関わった陸田組を壊滅させようとした。しかし、扠武澤と出会った事により、復讐に対する考えが変化していった。その為、復讐に戸惑ってしまう。
しかし、五十嵐 蒼の救出後の扠武澤の様子がおかしい事に気付く。扠武澤に対しての不安とストレスで自分の復讐心が抑えきれなくなり、今回の行動に出る。
今回の行動は、憎しみしか生まない悲しい選択だった事を姫哭は知っていた。その為、恩人たちを殺された扠武澤に会う顔が無いと言う事で二度と会わない事を誓っていた。
扠武澤はお世話になった陸田組で組員として働く事を決意して暴力団関係者になった。最初は、超能力を使う姫哭等を信用しておらず疑問を抱いていたが、姫哭と出会った事により、超能力に対する考えが変化していった。その為、自身の心境の変化に戸惑っていた。
そして、五十嵐 蒼の救出後、自分の考え、正義に疑問を持つようになる。扠武澤は疑心暗鬼になり、単独で行動し、色んな犯罪に手を染めていた。
その後、結局どうする事も出来ず、犯罪歴のみが残った扠武澤は、姫哭を守ると言う目標、使命を思い出し、姫哭の所へと向かった。
しかし、姫哭は自分を必要としていないと姫哭の行動から感じ、完全に心が折れていた。
今までの行動は、扠武澤自身も、どうしたら良いか分からず、暗闇の中での選択だった事を扠武澤は知っている。
だから、自身の行動に後悔をしている。
「と言う感じです。三國さん。二人の心情分かりましたか」
「……成程。青春だな」
「微妙ですね……」
「それよりも、幽霊騒ぎ、妖刀とかは、白夜 刹那の仕業でしたか。貴方じゃなかったとは……安心したよ」
「まあな」
文の家の前に置いたのは、教祖である。白夜が持ち去る事を承知した上で。