複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.304 )
- 日時: 2016/03/17 16:17
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
忍者と同じ姿をした者が、スーツケースを運び、安藤の目の前に置く。
「おろ?……もしかして、そのスーツケースの中身はお金ッスか?」
「ああ、その通りだ。だから、何処かに行かないで少しだけ待ってくれ」
安藤は、まるで小学生がお年玉の中身を急いで見るように、スーツケースを開ける。
「うひょ〜!金の匂いがプンプンして心地よいッスね〜!」
スーツケースの中身は、500万円の札束だった。
「これで、霜月 毬を探して欲しい。後は、この写真に写っている妖刀の行方も知りたい」
「分かったッス、旦那!それじゃ見つけ次第、伺うッス!……ただ、オレは人を殺す事だけは、したくないッス。暗殺目的ならもっと、適した奴がいるッスよ」
「相手は忍者。普通の殺し屋では、返り撃ちにされるが?」
「暗殺依頼達成率100%の記録を持つアンドロイドが……富裕層街で高さが一番のビルに滞在しているッス。まあ、オレの居場所に辿りつけたのなら、この会社の警備も問題無いッスよ!HNRΩと言う者に会って霜月 毬の殺しを依頼するッス」
「アンドロイドか……。抵抗は無いが、信用は出来ない」
「オレも、見た事しか無いッスからね。まあ、完全に思想では無く金で動くアンドロイドッス。金次第で動くかもしれないッスよ!」
「そうか。神楽月の資金も、まだ有り余っている。……此処は、賭けだな」
「それじゃ、霜月と妖刀の居場所は探しておくッス!見つかり次第、お伺いするッスね!」
安藤はスーツケースを持って、影の中へ消える。
忍者は安藤と話していた所から離れ、富裕層街に出る。
忍者は、ある会社の方へ向かう。
一方、安藤は。
貧民層街のマンションの中のある部屋にいた。
安藤はカーテンによって太陽が遮られた薄暗い普通の部屋の中、影に隠れていた。
「……屋島さんも、鈴森ちゃんも……金が払えなくて殺されたんだ!……死にたくない!死にたくない!」
安藤が居たのは、名も無き教団の信者である尾崎の家。
「尾崎……」
部屋の中には、名も無き教団 信者の尾崎と幹部のナナシがいた。
「俺は……どうして、こんな事を……!どうして……」
尾崎は、まるで、虐待をされた子犬のように、怯えていた。
「い、嫌だ……。もう、嫌だ!」
ナナシは尾崎の背中を摩る。
「このチョーカーさえ、壊れれば……」
尾崎はトイレに行き、嘔吐する。
安藤はナナシの影から現れる。
「チィーッス!裏の情報通といいやぁこのオレ、安藤対馬のことッスよ!」
「……貴方が来たと言う事は、私のチョーカーを破壊してくれる者が見つかったのね」
「その通りッス。まあ、今は拘束されているけど、問題は無いと思うッス!」