複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.312 )
日時: 2016/03/19 11:26
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

安藤は情報を得る為に、地下街の色んなところへ出没する。

「……奈良崎と言う男を……」


「ワシは……昔、警備員では、それから社長まで……」


「た、助けて……くれ……」


地下街へ行く道は貧民層街にもある。

そして、その道筋に、一人の男が倒れていた。

その場に安藤が行く。

「た、助けて……くれ……」

「あらら、脱獄者の葛城さんじゃないッスか〜!こんな所で何やってるんすか?」

「なあ、魂を交換しないか?」

「……?そんな訳の分からない事を言われて、安易に返事出来るわけ無いッスよ。とりあえず、面白そうなんで、なぶり殺しにするッス」

「……何?」

安藤は葛城を影の中へ引きずり込む。




「……隣の奴は誰だ?」

「宇獨さんッス。今は寝ている見たいっすけどね」

「そうか……」

「ええ、あんた等は死ぬまで此処を出られないッス。此処があんた達の墓ッスよ!」

安藤はそう言って、影の中から出る。






「宇獨さん。起きて下さい」

「……?誰だ、お前……!安藤の手先か?」

「違います。……あの、俺の魂と交換しません?」

「……俺はこのまま死ぬだけだ。くれてやるよ!……もう、どうでも良いし」

「了解した」

宇獨と葛城の魂は交換された。

「……痛い!グァ……!何だ、この傷は……!寝ぼけていたから分かんなかった……」




「……この能力の不便な所は、魂と体は馴染まないと、口調が元の主と同じになる事だな!……後は、此処から出るだけか……」






安藤は色んな所から情報を得ていた。












「……完成したよ。エリアスちゃん!ホテルで出来るかと、思ったけど、案外出来るモンだね〜」

「そうですか。しかし、この行為は道徳的に気分が悪いです」

博士とエリアスはこの国のホテルで生物兵器を開発していた。

ちなみにホテル代は、同盟国が支払っている。


「こいつの名前を何にしようかな〜」

「そのままで良いと思います」

「それだと、面白くないじゃ〜ん!……そうだね、トルベルアと言う名前にしよう!」


トルベルアと名付けられた柵に囲まれた生物兵器は、まるでゾンビの様だった。


安藤はその様子を、まるで夢に満ち溢れていた子供の時に値段が高すぎて買えずにいた特撮モノの好きだった合体ロボットを現実を思い知らされている大人になった自分になった時に偶然、合体ロボットに出会った時の驚きの目つきのように驚いていた。






安藤は影の中に入る。



「やっぱ、最高ッス。……夢を簡単に金と才能だけで現実のモノにするなんて……」





矢城は情報の中にいた。

矢城は好きだった特撮モノの合体ロボットの情報を見ていた。





「私達は今、子供の頃、夢見たような大人になっていただろうか。今の私達を見て、 子供の頃の私達は……笑っているだろうか。……子供の頃の私に胸を張って生きているだろうか。君は……どうかな?……私は、違ってしまったがね」






生物の数だけ物語では無く人生がある。







第三十二章 名も無き人生 完

場面変更

次へ続く