複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.315 )
- 日時: 2016/03/21 09:43
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
ルメールはその後、金持ちを洗脳して見事に優雅な生活をしていた。
そして、大きな一人部屋に大量の執事を呼んでいた。
「ねえ、わたくしの能力が効かない人物、つまり、わたくしと同じ能力を持つ人物を探して下さりません?」
ルメールは一人の人間に話しかけ、洗脳したつもりだった。
「はいっ!勿論ですっ!ルメール様!」
「ハア!?ルメール様はお前に言ったじゃねーよ。俺に言ったんだ!」
「僕とルメール様は運命の赤い糸で結ばれているんだ。他の馬鹿共は引っこんでろ!」
勝手にルメールと目を合わせた人間達が暴走を始める。
途端に一人が超能力を使い、周りのモノを蹴散らす。
「ルメール様。私と一緒に人生と言う名の物語を創って行きましょう!」
「どうやら、わたくしの能力が暴走してますわね」
ルメールは落ち込みながら部屋を出る。
「やっぱり、人間ごときではわたくしと同系統の能力を持つ者はいないのですわね……わたくしを、わたくしのままで見てくれる人はいないのですわね」
ルメールは持っていた日傘を下ろそうとすると、その日傘に人間が当たる。
「……痛っ!」
人間は転び、鼻から血を流す。
「……問題になったら、困るわね。洗脳させて許してもらうわ。さあ、わたくしと目を合わせて?」
人間はルメールと目を合わせる。
「……大丈夫ですか?怪我はありませんか?」
「無いですわ……」
「そうですか!あぁ……僕の方は大丈夫ですよ」
ルメールは、鼻血を出した男に違和感を覚えていた。
ルメールに一瞬でも偶然、目を合わせれば洗脳される。洗脳されれば、ある者は、その場でひれ伏し、忠誠を誓う。ある者は、暴走して、ルメールを連れだそうとする。少なくとも、平常ではいられない。
男は何か自分が思い通りにならない事が起こった時のように不満そうな顔を一瞬見せ、その場を立ち去ろうとする。
「わたくしの事、どう思っていますの?」
「……!僕の能力を……知っているのかい?」
男はルメールに拳銃を向ける。
周りは何も反応しない。
「まさか、僕の能力の影響を受ける奴がいないとはな」
「わたくしの洗脳が効かない、つまりわたくしと同系統の能力ですわね!……でも、洗脳が効かない能力の方は、もっと素敵な方だと想像していましたが、案外、能力で弄んでいるクズだったのですわね。残念ですわ」
「成程、同系統の能力だと、能力は発動しないのか。……いや、君の能力は僕を除いて発動はしているみたいだね」
周りの人間はルメールにより洗脳され、男の方を、狂気的な眼差しで見つめていた。
「わたくしは、貴方を……貴方の能力を探してましたわ。出来れば、貴方で対等に恋をして遊びたかったのですわ……。現実はそう、上手くはいかないのですわね。貴方はわたくしと同じ位に能力に退屈していないんですもの」
「……お前に何が分かる」
男は銃口をルメールに向ける。
すると、睨んでいた者達が、一斉に襲いかかる。
「この方達は、わたくしの虜。わたくしに一応の危険があったとしても、この方達は全力でわたくしを守りますわ」
男はボコボコに殴られる。
「……君は恵まれているよ。……恵まれていたから、この能力も退屈だと思うのだろうな。僕にとっては、無くてはならないモノだよ」