複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.333 )
日時: 2016/03/24 18:22
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

第三十五章 名も無き悪夢

ブライアンは暗殺部隊から逃げる為、花霞を拠点に連れて行った。

姿無き虎は外観が変わらない拠点を貧民層街にいくつか持っている。


月丘が居た場所は本部。それ以外は支部で活動している。直、術虎壁は月丘がいる場合のみ、拠点を氷に覆われる。調子の良い日は、支部でも術虎壁を本部から出せるらしいが。

とは言ってもメンバー不足の為、支部は、ほとんどは使用されてはいない。



「此処が……支部……」

花霞とブライアンは、姿無き虎の支部の目の前で倒れた。



「津田さん、メッセージは受け取りました」


一人の無駄にポケットの多い大きなライムグリーン色のリュックサックを背負っている少女が、ブライアンと花霞を連れていく。




花霞は目覚める。


「......此処は?」


すぐ傍に少女がいる。

「初めまして。モルド・ホワイトハートです。此処は、安全な場所です。貴方は何か、過去に忘れてしまった事、物。探している事、物。置いてきた事、物はございますか?」


「......え、えーと......?」


花霞はしばらくして、生きている実感が湧く。



「私.....生きてるんだ。.....似非なのにね.....」




花霞の向かいに、星空が寝ていた。

「彼は.....?」

「彼は星空 三月。人間によって創られたアンドロイドです。しかし、暗殺部隊の一人に記憶操作されました。その影響で、現在は気絶しています」


「.....暗殺部隊.....」




花霞の脳裏に、武藤と川宮と桐生が思い浮かぶ。



「....私は.....生きていたら......和人が!」


花霞は胸に手を当てる。

モルドは、花霞の手を握り、首を横に振る。

「超能力の悪用は許しません。折角授かった物ですよ?それで良いのですか?……死ぬために、能力を使うなんて……」








しばらくして、草野を背負っている壊れかけの津田が支部の中に入る。


「もうすぐ……私を直す者が現れる。……名前は……!」

津田は起動停止する。


草野はモルドと花霞を訪ねる。

「……君達は何故、この支部の存在を……」

「津田さんに教わったからです、草野さん。もうすぐ、堂宮たみやさんも到着すると思いますよ。坂本さんは行けないみたいですけど」


「……何故、姿無き虎のメンバーの名前を」


「私は拠点に来ることは稀で、存在がメンバーに忘れられているんです。ですので……」


モルドは草野を、まるで野球をしている時、外野手ライトとして活躍していたが、結構自分ライトの方にホームランが続き、ホームランを捕れる訳では無いので、決して自分は悪くないのだが、若干、罪悪感が生まれてしまうような気まずい表情を見せる。


「思い出させるんです。リメンバー!」


草野の表情が一変する。


「ああ……。モルドさん!あなたでしたか!」

草野は一気にリラックスした感じになる。




同時にブライアンが目覚める。


「……此処が支部。内装も本部とあまり変わらないんだな」