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星空と花霞は、モルド達の所を訪ねる。

「モルド。花霞の事なんだが」

「どうかしたのですか？」


星空はモルドに花霞の家族等の記憶に関して説明した。


「そうですか。時間はかなり掛かりますが、私としては問題ありません」

「モルド……花霞の件が終わり次第、病院に……。照山の話を聞いていると……恐らく、大人しく警視総監を誘拐させてくれ無さそうだからね」


「......私の為に.....ごめんなさい」

「良いんだ……全て悪いのは、記憶操作をした暗殺部隊だ」












草野は溶けながら、地下街に来ていた。




「此処……だ！暗殺部隊 ドライアド……」









一方、奏雲と照山と月丘は。


「と言う訳で、誘拐の成功を祈って歌います……」






「桜が咲いた日、それがお別れの合図。

君と歩んだ景色もこれで最期。

あの日埋めた、タイムカプセル。

きっと忘れないでおいて。

涙を拭いて、前へ進もう。

過去を埋めて、きっとまた笑おう。

輝く未来を掘る旅人達よ。きっとまた戻って過去を掘り返して。

さようなら、名も無き日常。

さようなら、名も無き日常。


涙を流した日、それが始まりの合図。

君とは、新しい景色を見続けよう。

地面を強く踏み、今を生きよう。

過去に捕らわれるな。

見えない未来を掘る若者達よ。きっとまた戻って現実を掘り返して。

こんにちは、名も無き日常。

こんにちは、名も無き日常。



卒業は何かの終わりでは無く始まりだ。

少しずつ、大人になる自分を見て、桜が変わる度に。

少しずつ、ため息が増えて来た。

全ての現実に慣れれば日常。

泣いた日々も怒った日々も笑った日々も全ては過去。

今日と言う日の名に卒業を。

今日と言う日の名に祝福を。





笑顔が咲いた日、それが幸せの合図。

君と歩けば、景色が変わる。

想い出を幸せを、未来へ届け。

過去も未来も財産。

ひたすら未来を掘る旅人達よ。きっとまた笑って過去を掘り返して。

さようなら、名も無き日常。

こんにちは、名も無き日常

ありがとう、名も無き日常」






「……卒業と言う単語が出たので、卒業ソングですか？」


「誘拐に備えて、寝る……」

奏雲は寝てしまう。





決戦の日は近い。

それまでに、名も無き日常を過ごすのであった。




第三十五章　名も無き悪夢　完

場面変更

次へ続く