複雑・ファジー小説

Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.349 )
日時: 2016/03/28 09:41
名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)

火野は怪我をした狐を発見し家に持ち帰り手当てをする。

「これで、問題は無いか」

そう言って、疲れていたのか狐の横で眠ってしまう。






翌日。


「……眠い」

火野は起き上がり、朝食を作ろうと考えていた。

すると、隣には見覚えの無い少女の姿があった。


火野は驚き、少女をすぐに起き上らせる。

「誰だ……?」

「……ん?有理?どうかしたの?」

「何で、私の名前を知っているんだ?と言うか……君は誰だ?」

少女は暫く、考える。

「……時雨はね、時雨なの!」

「いや、分からん。時雨は時雨と言われても、間接的にしか、名前が伝わっていない……」

「ねえ?どうして、お耳さんとしっぽさんが、有理には無いの?気になる!」

時雨は火野の髪の毛をぐしゃぐしゃにする。


「……お、おい、その腕の怪我……どうしたんだ?」

「何言ってんの、有理。これは、有理が時雨に手当てした怪我じゃん!……髪の毛って結構匂いするね!時雨、この匂い好きだよ……」


「……お前、狐?」






こうして、火野と時雨の奇妙な生活が始まった。





「とりあえず、どうして狐から少女に変わったんだ?」

「それは、分からないよ!でも、時雨はね、有理と話せれば良いんだよ!」


「意図的には、変われないと言う事か。……謎が深まるな。でも、私も昔、狐と呼ばれていた気がするんだけどな」

「そうなの?有理の事、時雨、気になるの!それに、雨も止んでいるし、外の世界にも行きたい!行きたい!」

「あ……ああ。でも、仕事が……」

「ねぇねぇ。有理、遊ぼうよ。ほら、遊ぼうよ!」

「……少し、上司と連絡を……」










暫くして……。


「……許可されたよ!大丈夫だって!」

「ねえ?何、その変な板?何で、こんな板の許可が無いと此処から出ちゃダメなの?時雨、分かんない。有理は時雨とだけ、ずっと一緒にいればいいの!」

「人間の世界を、あまり知らないのか……。少し、勉強させておくべきかな」








「良いんですか?火野を解放して」

「構わん。奴は、もう化け狐では無い。狐のお面をつけ忘れた無垢な人間だよ」