複雑・ファジー小説
- Re: 名も無き世界【オリキャラ募集中】 ( No.353 )
- 日時: 2016/03/28 12:01
- 名前: 翌檜 (ID: n1ZeCGPc)
「何これ!」
「いなり寿司だ。昔から、好物なんだ」
「へぇ〜!そうなんだ!」
時雨は口を開ける。
「あ〜んして!」
「いや……自分で食べられるだろ……」
周りに青い炎が空中に現れる。
「あ〜んしないと、嫌だァ!あ〜んさせてくれない、有理なんて嫌い!」
青い炎は燃え上がる。
「火が火が!」
すると、火災報知機が部屋中に鳴り響く。
「嫌ァ!うるさい!怖い!」
「あ〜んするから、とりあえず、落ち着け!」
「ホント?やったー!時雨、嬉しい!」
火野は時雨にいなり寿司を食べさせる。
「こんなに、美味しい食べ物は無いよ……!」
「稲荷と狐はやっぱり相性が良いんだな」
火野は台になる物を持っていき、その上に乗り火災報知機を止める。
火野と時雨は、次第に仲良くなった。
火野は月一で仕事場に行き、ふたすら、犯人と呼ばれる人物を待ち伏せする。
時雨は家の中で、勉強をしていた。口調は最初の頃のが火野の好みだと思い、変えてはいない。
しかし、火野は徐々に昔を思い出していく。
火野は買い物に行く為に歩道を歩いていた。スーパーからは、歩く距離にある為、車は使わない。
「……また、見た事の無い記憶が……!」
火野はあまりのグロテスクな光景の記憶に嘔吐する。
周りの人々は嘔吐した火野を避ける。
「うるさいな。お前等は十分汚いだろ。今さら、何、汚れを気にしてるんだよ」
「……!私は何を」
火野は嘔吐した物を、ティッシュで片づけ、近くにあったゴミ箱に捨てる。
「有理、お帰り!今日の夕飯は何?」
「今日は……いなり寿司だ」
「あれ?良い事でもあったの!いつもは、何かの記念日じゃないといなり寿司を買ってくれないのに!」
「そうだな……。なあ、時雨って……狐に戻れないのか?」
「……戻れないよ?何でそんな事を聞くの?と言うか、戻る気なんて無いよ」
「何か、私が私で無くなる時があるんだ。もしかしたら、時雨に迷惑かかるかもしれない。だから、狐に戻れるんだったら、もう私とは……」
「いやぁ!時雨は有理とずっと一緒にいるの!」
「……私も、時雨と一緒にいたい。だが……」